羽田空港JALファーストクラスラウンジとサクララウンジの搭乗前日利用(利用条件、保安検査&出国審査の営業時間、ラウンジの営業時間と時間外の過ごし方、制限エリアの治安リスク)

羽田空港と成田空港。

これら2つの空港はいずれも首都圏はもちろん、日本を代表する主要な国際空港ですが、実はとても大きな違いが存在しています。

それが空港の運用時間。

というのも、羽田空港は海上にも滑走路を備えるため、騒音の影響を大きく心配せず本当の意味での24時間運用が可能な空港として運営されているのに対して、完全な陸地に作られた成田空港は周辺住民の方々への騒音による影響を軽減するために、毎日午前6時から午後11時までの運用時間に制限され、24時間運用を行っていないからです。

羽田空港では許されるJALラウンジの搭乗前日利用

そんな羽田空港だけで許されることの1つが国際線空港ラウンジの搭乗前日の利用です。

このサービスは、早朝出発便の利用を見越して搭乗前日に出国した場合でも、出発の24時間前であれば制限エリア内のラウンジが利用できるというもの。

これは本来、海外から羽田空港に到着した後も日本に入国せず、そのまま海外に乗り継ぐ利用者が制限エリア内でラウンジを利用できるようにするための配慮ですが、実際には日本から出発で搭乗前日に出国した場合でも問題なく利用可能なサービスとして提供されています。

また、最近だと前日からの出発手続きが必要になる深夜2時45分羽田空港出発のロンドン行きJL41便の利用者向けのサービスという一面もありそうですね。

一方で、午後11時の時点で旅客に関する機能が一度閉鎖されてしまう成田空港ではこうした搭乗前日のラウンジ利用は乗り継ぎでの利用も含め、完全に不可能な状況ということが分かります。

出発前日から羽田空港JALラウンジを利用するための条件

ただし、日本出国時にラウンジの搭乗前日利用を実現するためには、

  • 出発当日のチェックインカウンターでの手続きが必須な預入荷物がなく、機内持ち込み荷物だけでの搭乗
  • オンラインチェックインや自動チェックイン機、モバイル搭乗券などで搭乗券を発券可能

という2つの条件を満たす必要があります。

実際、羽田空港のチェックインカウンター自体は深夜2時45分に羽田空港を出発するロンドン行きJL41便のチェックイン手続きのために、日付が変わった直後も営業しているのですが、JL41便よりも後に出発する便のチェックインについては、翌朝の午前6時からの営業開始前には受け付けてもらえません。

つまり、機内に持ち込めない大きなサイズの預入荷物があったり、オンラインチェックインなどでエラーが発生するなどして搭乗券を搭乗前日のうちに発券できない場合には、羽田空港をどんなに早い時間帯に出発する便の利用でも、前日からの出国やラウンジ利用は不可能ということに。

ただし、オンラインチェックインなどで発生するエラーについては、予約デスクへの電話や空港のチェックインカウンターの係の方に問い合わせると、エラー原因となっている備考欄などに残されたコメントや注意事項を削除するなどの手段で解決してくれるため、エラーが発生したからといって搭乗券の発券をそのまま諦める必要はありません。

一方で、海外からの乗り継ぎ便利用時には、海外空港出発時の通常チェックインで預入荷物の受付や乗り継ぎ先の搭乗券発券も行われ、搭乗前日からのラウンジ利用にも問題はないはずです。

羽田空港の保安検査と出国審査は24時間対応

荷物や搭乗券の条件をクリアした後に気になるのが、出発前日に保安検査や出国審査を問題なく通過できるのか、ということかもしれません。

これについては、前日であっても搭乗する便の出発の24時間以内であれば問題はないらしく、特に、変わったことが起こったり、質問されたりすることもなく、通過可能。

制限エリアに到着できます。

ただし、すべての保安検査や出国審査の設備がどの時間帯も稼働しているわけではないことには要注意。

というのも、羽田空港の国際線ターミナルの出発ロビーにある2箇所の「出国手続き(中央)」と「出国手続き(北)」も、閉鎖中に制限エリア側から撮影した上の写真のように、利用者の数に応じて「出国手続き(北)」だけを一時的に閉鎖するなど、需要に合わせた運用が行なわれているから。

そのため、前日の出国でも遅い時間帯に保安検査や出国審査を利用するのであれば、念のため、基本的にいつでも開いている「出国手続き(中央)」の利用がおすすめです。

出国後の最大の注意点はJALラウンジとキャセイパシフィックラウンジの営業時間

無事保安検査と出国審査を通過した後は、ラウンジの受付で24時間以内に出発する便の搭乗券やステイタスカードを提示するだけで、問題なくラウンジに入室可能です。

ただし、羽田空港で利用可能なJALが運営するラウンジは、

  • ファーストクラスラウンジ:6時から翌日2時45分
  • サクララウンジ(本館):4時30分から翌日2時45分
  • サクララウンジスカイビュー:6時から12時30分/21時から翌日1時30分

となっていて、早朝出発の便まで待つ場合、一度はラウンジの営業終了のため、外に出る必要があります。

一方で、羽田空港にはワンワールドの上級会員資格ステイタスで利用可能なキャセイパシフィックの運営するラウンジも用意され、ワンワールドの公式サイト上では24時間営業(7時30分から17時、22時から1時45分)という表記はあるのですが、実際には7時30分から17時までの営業となっていて、JAL運営のラウンジの営業時間を補完する用途では残念ながら活用できません。

ラウンジ営業終了後から営業開始までの過ごし方

搭乗の前日に出国した場合、羽田空港に用意されているJAL運営のラウンジもキャセイパシフィック運営のラウンジも共に24時間営業ではないため、実際の搭乗までラウンジ内だけで過ごすということはできません。

そんな時の選択肢の1つが国際線の制限エリア内に用意されているトランジットホテル、「ロイヤルパークホテル ザ 羽田 トランジット」の利用。

6時間と12時間のプランが用意されているため、前日の出国するタイミングや搭乗当日の出発時間に合わせて、滞在時間を選べるようになっています。

そのため、出国した日の夕食や出発直前の朝食だけはラウンジで楽しみ、それ以外の時間はホテル内の部屋で仮眠しながら過ごすというのも、特に、寝過ごしたり、空港までのアクセスでの混雑がリスクとして怖い、早朝便利用時には嬉しい活用方法かもしれません。

トランジットホテル以外の制限エリアでの過ごし方と治安

一方で、トランジットホテルを利用するのが安心でおすすめな選択肢だとは思うものの、そのまま制限エリアで過ごすという選択肢もないわけではありません。

これは、ラウンジを利用できない時間がファーストクラスラウンジとサクララウンジ(本館)の営業が終了する2時45分から再度営業を開始する4時30分までの1時間45分だけということと、羽田空港国際線ターミナルの制限エリア自体、深夜・早朝の時間帯でも多くの監視カメラによる監視と警備担当者によって巡回が継続されていて、治安の面での不安を感じるものではないからです。

実際、上の写真は午前3時30分頃の制限エリア内を撮影したものですが、一部のベンチなどがあるエリアの照明が暗く落とされているものの、通路部分は明るく照らされ、意外に多くの利用者がそこを行き来していることが分かるはず。

また、24時間営業のカフェタイプのレストランなども営業中で、そこで早朝出発便の搭乗開始を待っている方の姿も見かけるなど、治安の面で大きな不安を感じることはありませんでした。

もちろん、貴重品の管理などの面で、眠るなどしてうとうとしてしまうのはおすすめできるものではありません。

しかし、荷物を近くに置いた状態でベンチに座ってラウンジが営業を再開するまでの2時間弱の時間を待つ限り、問題を感じることはあまりないはずです。

少なくとも海外から夜遅くに到着してそのまま日本に入国せず、そのまま早朝便に乗り継がなくてはいけないような旅程の時には、時差ボケなども影響もあって、寝過ごし対策や空港から/空港までの移動などを考えると、逆に安心して利用できるように思えたりもしています。

搭乗前日のラウンジ利用が断られるケース

ただし、すべてのラウンジで搭乗前日の利用が認められているわけではありません。

実際、ワンワールドが提供するラウンジではないものの、プライオリティパスで利用可能なラウンジの中には、いくら朝早い早朝時間帯の出発便の搭乗券を持っていても、あくまで当日のみの利用に制限しているものもあるから。

この辺りは、ラウンジの営業時間や設置されている空港での立ち位置、営業方針、その後の運用ルール変更などにも左右されるため、リスク回避を優先するなら、少しだけ注意を要する部分の1つです。

まとめ

通常は活用する機会自体が多くはない搭乗前日からの羽田空港の国際線ターミナルのJAL運営ラウンジの利用。

しかし、搭乗便出発の24時間前から利用が認められているということもあって、早朝便利用時や海外からの到着後の乗継便利用時には意外と活躍してくれる可能性があるのも事実です。

そんな時のために、こんなラウンジの使い方や利用のための運用ルールが用意されているということだけでも頭の片隅に残しておくのも面白いと思いますよ。

コメント

  1. ワンワールド太郎 より:

    こんにちは。
    初めて、投稿させていただきます。

    今度、キャセイ便で羽田から香港へ向かいます。
    キャセイはJALと違い、オンラインチェックイン、チェックイン機での発券が48時間前から可能なのですが、キャセイ利用かつワンワールドエメラルドの場合、48時間前から出国およびラウンジ利用は可能なのでしょうか?
    それとも出国手続きは24時間前からなのでしょうか?

    • スタ好き より:

      はじめまして。
      コメント、ありがとうございます。

      ご質問の件については、残念ながら私の手には余るため、あまりお力になれないというのが正直な部分です。
      というのも、私自身がJALなどに確認し、実際に利用してみたのが24時間以内かつ前日に出国し、制限エリア内のラウンジを利用したというものでしかないから。

      しかも、24時間以内を超える48時間以内の利用となると、仮に乗り継ぎ客として空港施設を利用する扱いもトランジットではなくストップオーバーに変更され、航空券を発券する航空会社側の運賃や手数料、さらには国や空港が関わる空港税などの取り扱いもかわるのが通常。
      となると、保安検査の搭乗券チェックの時に入場を断られたり、保安検査を通過してもパスポートと搭乗券を目視でチェックする出国審査で出国不可という対処が行なわれるような可能性も私には否定できません。

      そのため、万全を期すのであれば、保安検査を担当する羽田空港と出国審査を担当する法務省の両方に確認してみるのがおすすめだと思います。