エコノミークラスが快適なことでも有名なJAL国際線を利用する時、頑張りたいと考えていることの1つが、事前座席指定での非常口席の確保。
というのも、JALを含めたワンワールド加盟航空会社の上級会員ステイタスを保有している場合、JAL運航便の非常口席も含め、事前座席指定対象の席として提供されるから。
ちなみにこの非常口席はその名が示す通り、緊急着陸などの非常時には、客室乗務員の方の指示に従って、緊急脱出をサポートする義務があり、それを了承した上で利用する必要がある特別な座席です。
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前方に席がない開放感が魅力の非常口席
そうした義務を負う一方で、スムーズな脱出を実現するため、座席の前方には他の席と比べて圧倒的に広いスペースが確保されていることも多く、万が一のトラブルが起こりさえしなければ、安定してとても快適な席として高い人気を誇ります。
実際、我が家でも非常口席をあらかじめ確保している状態で、プレミアムエコノミーへのインボラアップグレードが案内された時には、せっかくの提案を断り、元のエコノミークラスへのダウングレードを希望することもあるほど。
やはり、非常口席最大の魅力と言える席前方のスペースやそれによって得られる開放感「だけ」は、席の配置によって、プレミアムエコノミーはもちろん、ビジネスクラスすら上回り、ファーストクラスでもなんとか勝負になるかどうか・・・といったところ。
非常口席のデメリット
そんな魅力的な非常口席ですが、メリットばかりではなく、実際に利用する時に注意しなくてはいけないデメリットもいくつかあるのですが、それらは大きく分けて、
- 離着陸時、足元に荷物が置けない
- 座席の横幅が狭い
- 周囲が騒がしくなるリスクあり
- 頭上の荷物入れのスペースが争奪戦になりやすい
という4つが挙げられます。
離着陸時、足元に荷物が置けない
非常口席を利用する時、最も他の席との違いを感じるのは、離着陸時、荷物を足元に置けないことかもしれません。
もちろん、非常口席以外の通常の席では自分の前の席の下のスペースに荷物を入れることは全く問題はないのですが、非常口席では緊急脱出時の妨げになることを防ぐため、足元に荷物を置くことはしっかりと制限されています。
そのため、小さなバッグなども含め、身につけているもの以外はすべて頭上の荷物入れに入れる必要があるのは要注意。
とは言え、飛行している間、そうしている必要はなく、離陸の後で十分に上昇を終えてから着陸のために降下を開始するまでの間は、頭上の荷物入れから荷物を取り出すのはもちろん、足元に荷物を置くことも可能です。
さらに、非常口席を利用する場合でも、幸運にも隣の席が空席なら、その席にバッグなどの荷物を置いて、そのバッグなどの持ち手の部分にシートベルトを通してしっかり固定することで、離着陸時も頭上の荷物入れに入れることなく、荷物を目の届く場所に置くことも認められているのも覚えておくべき豆知識かもしれません。
座席の横幅が狭い
前方にはしっかりとスペースが確保されている非常口席ですが、横幅については通常の席よりも狭くなるのもデメリットの1つ。
なぜなら、非常口席を含め、前方に座席がない席では、エンターテイメント用のディスプレイを肘置き(アームレスト)に収納しているため、その厚さ分だけ座席の横幅が狭くなってしまうから。
とは言え、それほど何センチも極端に狭くなるわけでもなく、前方方向の開放感がそのデメリットを圧倒的に上回るくらい快適なことに加え、ディスプレイ自体も角度や位置の調整が自由に可能で扱いやすいですから、横幅のわずかな狭さが非常口席を選ばない理由にはならないはずです。
周囲が騒がしくなるリスク
非常口席を快適に利用できるかどうかをはっきり分けるデメリットの1つと言えるのが周囲が騒がしくなるリスクがあること。
というのも、非常口席自体、トイレやギャレーのすぐ後ろに配置されているため、機内食の準備が行われる時の食器類がかちゃかちゃぶつかる音はもちろん、機内食の提供が終わってしばらくの間のトイレの順番待ちの列、さらには周囲の広くなっているスペースで軽くストレッチを行う人など、騒がしく落ち着かないと感じる方もいらっしゃるかもしれないから。
我が家の場合はほとんど気にならないのですが、気になる方はどうしても気になる騒がしさでしょうから、そうした場合、非常口席の持つ座席としての快適性は理解しつつも、積極的に選べない理由になってしまうはずです。
頭上の荷物入れのスペースが争奪戦になりやすい
離着陸時限定とは言え、足元に荷物を置けないというデメリットはさらなるデメリットを生み出す原因になってしまいます。
それは、頭上の荷物入れのスペース争奪戦。
なぜなら、通常の席では頭上の荷物入れに加えて、前の席の足元スペースにも分散していた荷物ですが、非常口席ではそのすべての荷物が頭上の荷物入れに集中してしまうため、どうしても荷物入れのスペースが足りなくなってしまうことが多くなります。
特に、上着など荷物が増える冬の時期には、エコノミークラス内の頭上の荷物入れがいっぱいで、プレミアムエコノミーはもちろん、はるか遠いビジネスクラス近くまで空きスペースを探し求めて収納しなくてはいけなくなる残念なケースも。
しかも、飛行機の種類によっては、非常口席の頭上の荷物入れを幼児用のライフジャケットや非常食などを専用に収納するスペースとして確保され、客室乗務員の方以外利用できない時もあるのですが、そうした時には頭上の荷物入れの争奪戦は熾烈を極め、まさに悲劇としか言えないような状況になってしまいます。
とは言え、幼児用のライフジャケットや非常食用の収納スペースとして利用されるのは、基本的に飛行機の操縦席に向かって左側の非常口席(A~C)に限定されていますから、そうしたリスクを事前に回避したい場合には、向かって右側(H~K)の非常口席を選ぶのもおすすめです。
ただし、席の優劣としては、向かって左側の非常口席(A~C)の方が価値が高いとされ、そのことは実際に私自身のインボラアップグレード成功確率にも有意な差として表れています。
そのため、向かって左側の非常口席を選択してインボラアップグレードの成功にかけるのか、それとも向かって右側の非常口席を選択してインボラアップグレードが行なわれなかった時の争奪戦回避にかけるのか、正直私自身も迷ってしまう部分の1つ。
上級会員以外が非常口席を選ぶ大きなリスク
こうした頭上の荷物入れの利用で、大きなデメリットを持つ非常口席には、上級会員が利用する可能性が高い席という忘れてはいけない性質も存在しています。
なぜなら、基本的に非常口席を事前座席指定可能なのは、何らかのステイタスを保有するJALやワンワールドに加盟する航空会社の上級会員に限られているから。
しかも、これらの上級会員は同時に優先搭乗の対象者となっているため、上級会員以外の非常口利用者にとっては、自分の席の近くの頭上の荷物入れを確保することが極端に困難になるリスクも、この席を指定する時にはある程度覚悟しなくていけない事柄の1つです。
実際、飛行機の操縦席に向かって左側の非常口席(A~C)はエコノミークラスの座席の中でも、インボラアップグレードに特に強く、その席を事前座席指定で元々選んでいた上級会員がインボラアップグレードされた後の席を、上級会員以外の利用者が何も知らないまま利用するケースも十分考えられますから、こうしたリスクは想像以上に身近なものと言えるはず。
そのため、非常口席を利用する場合は、早めに機内に入ることができる優先搭乗の特典が提供されている上級会員はもちろん、上級会員ではない方も、自分が案内される順番になった時にはできるだけ早くに機内に入ることができるようにあらかじめ順番待ちの列に並んでおくことは想像以上に大切なことになるのは間違いありません。
まとめ
席前方に用意されたスペースやそれによって得られる圧倒的な開放感をメリットとして持ち合わせる非常口席。
そこには、メリットだけではなくデメリットも存在しているため、非常口席自体、すべての方に手放しでおすすめできるものではありません。
とは言え、工夫や対策を行うことで、そうしたデメリットをあまり気にせずに、メリットを楽しむことも可能ですから、事前座席指定や空港での座席指定で選べる時には少し思い切って挑戦してみるのもおすすめだと思いますよ。
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