JALが運航する国際線の就航地の中では近距離線としての東アジアのカテゴリーに分類される台湾の台北(タイペイ)。
日本との時差がわずか1時間、飛行時間も最短で2時間30分という距離的な近さもあってか、JAL運航便だけに注目しても多彩なラインナップを誇る目的地の1つです。
目次
豊富で個性的な台北線ラインナップ
実際に、JALが運航する台北線について、2019年冬ダイヤで見ても、
羽田発着便:
- JL97便 羽田08:35 → 台北・松山11:40
- JL99便 羽田17:55 → 台北・松山21:00
- JL96便 台北・松山09:30 → 羽田13:20
- JL98便 台北・松山15:35 → 羽田19:25
成田発着:
- JL805便 成田11:15 → 台北・桃園14:35
- JL809便 成田18:00 → 台北・桃園21:15
- JL802便 台北・桃園10:00 → 成田14:00
- JL804便 台北・桃園13:20 → 成田17:25
中部発着:
- JL821便 中部09:40 → 台北・桃園12:15
- JL822便 台北・桃園15:40 → 中部19:20
関西発着:
- JL815便 関西19:20 → 台北・桃園21:45
- JL814便 台北・桃園08:55 → 関西12:25
となっていて、1日6往復も用意されていることが分かります。
しかも、台湾の北部にあり、台湾の中心として位置づけを持つ台北(タイペイ)に対し、南部にある台湾第2の都市としての存在感を維持し続ける、高雄(タカオ/カオション)にもJAL運航便としては、
- JL811便 成田18:00 → 高雄21:40
- JL812便 高雄09:55 → 成田14:15
というように運航が行われており、日本と台湾を結ぶJALの運航による直行便は、合計1日7往復にもなります。
ちなみに、日本に最も近い海外の1つ、韓国を目的地としたJAL運航便は、
ソウル線:
- JL91便 羽田8:25 → 金浦10:45
- JL93便 羽田15:40 → 金浦18:00
- JL95便 羽田19:40 → 金浦22:00
- JL90便 金浦8:00 → 羽田10:10
- JL92便 金浦12:00 → 羽田14:10
- JL94便 金浦19:20 → 羽田21:30
釜山線:
- JL957便 成田10:35 → 釜山13:05
- JL969便 成田18:30 → 釜山21:00
- JL960便 釜山07:40 → 成田09:45
- JL958便 釜山14:05 → 成田16:10
というように、韓国内のすべての目的地を合算しても1日合計5往復と台湾に比べると便数が少ないだけではなく、東京近郊にある羽田空港と成田空港の発着に限定され、台北線のように中部空港や関西空港を発着する便が設定されていないなど、はっきりとした違いが設けられているのは興味深いですね。
4つの国内主要国際空港に発着する台北線だからこそのお気に入り活用方法
台北線のように、
- 羽田空港
- 成田空港
- 中部空港
- 関西空港
といった国内の主要国際空港を発着するJAL運航便が用意されている場合に我が家で好んで活用しているのが異なる空港を利用した出国と帰国です。
具体例としては、
- 羽田空港 → 台北・松山空港
- 台北・桃園空港 → 関西空港
- 伊丹空港 → 羽田空港
というような旅程で予約・発券し、台湾旅行の最後に大阪を中心としたプチ関西旅行を楽しむようにしています。
ちなみに、有償航空券の場合、「伊丹空港 → 羽田空港」のような国内線を追加した場合、1区間に付き約5,000円の料金増加の原因になってしまうのですが、マイルを利用したJAL国際線特典航空券の場合、無料での国内線の追加が可能というメリットがあります。
逆に、我が家と同様、羽田空港や成田空港が最寄り空港という関東在住で、普段はJAL国際線特典航空券での国内線の無料追加の恩恵を全く受けられないという方も、こうした利用では残念な思いをせずに済むのは嬉しいポイントです。
ただし、JAL国際線特典航空券の無料での追加が可能な国内線区間は、
- 国際線への24時間以内の乗り継ぎ
- 国際線からの24時間以内の乗り継ぎ
という条件を満たす必要がありますから、今回の具体例の場合、関西空港到着から24時間以内に羽田空港行きの国内線への乗り継ぎが必要になるという事情があるため、最大で1泊程度のプチ関西旅行に制限されてしまうのは少しだけ注意が必要。
とは言え、伊丹空港と羽田空港を結ぶ路線は世界的に見ても高頻度&高輸送力で運航されている主要幹線ですから、プチ関西旅行になかなか便利な形での予約も難しいものではありません。
また、具体例では復路に設定したプチ関西旅行を、あえて往路に持ってくるという旅程も、最大で前日の夕方から関西空港から国際線が出発する当日の夕方まで関西での旅行を楽しめるという意味で魅力的なアレンジです。
ただし、
- JMBダイヤモンド
- JGCプレミア
- 他社ワンワールドエメラルド
などの利用者にとっては、JALの国際線ラウンジで最上位に位置する、
- 羽田空港ファーストクラスラウンジ(2020年3月リニューアル完了予定)
- 成田空港ファーストクラスラウンジ(2019年10月リニューアル完了済)
といった2つのラウンジは利用できず、ファーストクラスラウンジの設定がない関西空港ではサクララウンジを利用する必要があることだけは要注意ですね。
JL809便搭乗前のおすすめワンワールドラウンジ
成田空港第2ターミナルから出発のJL809便を利用する場合、
本館:
- JALラウンジ(ファーストクラスラウンジ・サクララウンジ)
- キャセイパシフィック航空ラウンジ
- アメリカン航空ラウンジ(2020年3月に閉鎖予定)
サテライト:
- JALラウンジ(ファーストクラスラウンジ・サクララウンジ)
- カンタス航空ラウンジ
の合計5ヶ所から利用するラウンジを選ぶことになります。
ちなみに、JL809便はサテライトに位置する81番から99番の搭乗ゲートのいずれかを利用することが中心の運用ですから、
- サテライトまでの移動時間分を考えた上で本館側のラウンジで過ごし、そのまま搭乗ゲートに向かう
- あらかじめサテライトに移動し、サテライト側のラウンジでくつろぎ、そのまま搭乗ゲートに向かう
など、本館側のゲートを主に利用する便とは少し異なる気持ちの準備が必要になるはず。
個人的には、食事をメインの利用目的としない場合、サテライトにあるJALラウンジがインテリアや混雑具合的にも最もゆったり過ごせると感じるため、本館のJALラウンジでの食事を適度に楽しんだ後に、サテライトまで移動し、そこで搭乗開始までの時間を楽しむのが好みです。
JL809便の搭乗
この日のJL809便の出発は成田空港第2ターミナルのサテライトにある87番搭乗ゲートから。
本館から遠く離れたサテライトの中でも特に奥に位置する搭乗ゲートですから、移動距離が長いと感じる方も多いはずです。
出発の定刻は18:00に対して、搭乗開始予定時刻は17:40。
搭乗開始時刻が近づくと搭乗ゲート前の液晶ディスプレイも、グループごとに優先搭乗を案内する案内表示に切り替わります。
上の写真では、「GROUP2(グループ2)」として、
- ビジネスクラス利用者
- JMBサファイア
- JGC
- 他社ワンワールドサファイア
といった利用者用の列が案内されています。
その一方で、JL809はファーストクラスの運航が行われていない路線ですから、
- JMBダイヤモンド
- JGCプレミア
- 他社ワンワールドエメラルド
といった上級会員向けに上の写真のような形でより優先される「GROUP1(グループ1)」の最優先搭乗用に並ぶための列が設定されます。
実際に事前改札により搭乗が開始されたのは17:39。
GROUP1向けの最優先搭乗が開始されたのは17:43。
JALの近距離線の場合、比較的あらかじめ設定した搭乗予定時刻よりも早めに搭乗が開始されることもあり、搭乗開始予定時刻に合わせて搭乗ゲートに到着すると、すでに優先搭乗が終了してしまっていたなんてことも多いのですが、今回の搭乗では少しゆったりな印象を感じました。
機内へと続くボーディングブリッジは1本のみが飛行機へと接続され、ビジネスクラスもエコノミークラスも利用者は同じボーディングブリッジを利用して機内に入ることになります。
JL809便はボーイング787-8(778)というJALが運航する飛行機の中でもやや古さを感じ始めるE03という座席配置の機材。
具体的には、
- ビジネスクラスとエコノミークラスの2クラス構成
- 総座席数は206席
- ファーストクラスとプレミアムエコノミーの搭載はなし
- ビジネスクラスのシートは「JAL SHELL FLAT NEO」でライフラットリクライニング
- エコノミークラスのシートは最新の「JAL SKY WIDER」よりも古い1世代前のタイプ
といった内容で、長距離線などを中心に投入されるJALの誇る最新鋭の機材に比べるとやや劣る印象を感じるのは間違いありません。
しかし、日本発か台湾発かによって多少異なるものの、飛行時間が最短となる台北・桃園から関西では2時間30分、最長となる成田から台北・桃園でも4時間20分に設定されている近距離線での利用ということを考えると、十分快適な機材と感じています。
JL809便での一部乗客の搭乗中止と預入荷物取り出しによる遅延
そうして搭乗したJL809便ですが、出発の定刻となる18:00を過ぎても飛行機のドアが閉められるドアクローズが行われません。
不思議に思っていると、客室乗務員の方からアナウンスが行われ、どうやらチェックインから出国までの搭乗手続きの済んでいる1名の乗客が搭乗ゲートに姿を見せず、地上係員が探しているとのこと。
それから約10分が経過した18:10に再度アナウンスが行われ、搭乗を予定していた1名の乗客の方は搭乗を取りやめることになったため、航空法の規定により預入荷物を取り出した上で出発するとの案内がありました。
こうした事態が発生してしまうと心配なのは遅延がどの程度の規模まで拡大するのかということです。
なぜなら、預入荷物の取り出しというのは、
- 預入荷物を収納したコンテナを探し出して、一度飛行機の貨物室から取り出す
- 取り出したコンテナを開封し、搭乗を中止した乗客の預入荷物を探して取り出す
- 荷物を取り出した後のコンテナを再び飛行機の貨物室に搭載する
という手順で作業が行われるのですが、取り出さなくてはいけない預入荷物が飛行機の奥の方に搭載されたコンテナに収められていた場合、数多くのコンテナを一度取り出して、再度搭載しなくてはいけない関係で想像以上に多くの時間を要する作業になるとされているから。
ただし、今回のケースではそれほど奥のコンテナにお目当ての荷物は収められていなかったのか、機内での取り出し作業開始のアナウンスが行われてから7分後の18:17には取り出し作業の完了の案内とドアクローズが行われました。
JL809便の離陸から機内サービス開始
ドアクローズが行われても、そこは夕方以降の時間帯で混雑のピークをむかえている成田空港ですから、なかなか飛行機が後ろ向きに進み出すプッシュバックが始まりません。
実際にプッシュバックが行われ、JL809便が出発したとみなされたのは18:31。
この出発時点では31分の遅延が発生しました。
多くの飛行機が整然と並ぶ離陸の順番待ちの列は少しずつ滑走路に向けて誘導路上を進んでいきます。
こうした待ち時間を経て実際に離陸したのは18:59。
離陸までの時間が特に長いとされる夕方の成田空港とは言え、気がつくと搭乗開始から1時間20分近く機内で過ごしていたことにちょっとした驚きを感じてしまいました。
無事に離陸し、シートベルトサインが消灯したのは19:05。
飲み物を含む機内食の提供が開始されたのは19:12。
エコノミークラスでの機内サービスは、
- 機内食
- 飲み物
- ハーゲンダッツアイスクリーム
が一度に提供される効率を重視したもの。
長距離線のように、
- 飲み物とスナック
- 機内食と追加の飲み物
- ハーゲンダッツアイスクリーム
というように複数回の別々の提供が行われず、自分のペースで食事を楽しめるのは個人的に気に入っているポイントです。
JL809便の機内食
近距離線に分類される台湾線のJL809便ですが、機内食は意外に充実しているというのが正直な部分です。
この日のメニューは、
- 焼き鳥丼
- フレッシュサラダ
- きんぴらごぼう
- ハーゲンダッツアイスクリーム
の4品。
この中ではメインの焼き鳥丼のチキンのタレの風味がよく考えられていたのと、きんぴらごぼうの食感と味付けがなかなか面白いと感じる仕上がりでした。
前述の通り、ハーゲンダッツアイスクリームは他の機内食と一緒に同じトレイで提供される運用が行われていました。
また、器などの影になっていて見つけにくいこともあるのですが、サラダ用のドレッシングもキューピー製のイタリアンドレッシングが別途添付されていますから、忘れずに利用したいですね。
ただ、食事としては、こうした機内食よりも、正直、
- JALファーストクラスラウンジ(本館・サテライト)
- JALサクララウンジ(本館・サテライト)
- キャセイパシフィック航空ラウンジ
- アメリカン航空ラウンジ
- カンタス航空ラウンジ
などの空港内のラウンジで提供される温かい料理の方が品質も満足度も高いものですから、そちらでしっかり食事を楽しむというのもおすすめです。
ハーゲンダッツアイスクリームについても、キャセイパシフィック航空ラウンジではラウンジスタッフの方にお願いすることで用意してもらえるメニューとして、
- バニラ
- グリーンティー
- チョコレートラムやラムレーズンなどのラム系フレーバー
といった3種類が用意されていますから、そちらで楽しむことも十分可能です。
そのように、ラウンジでの食事をしっかりと楽しむことを前提にした場合におすすめしたいのが、JALが提供する特別機内食の1つ、フルーツミールです。
このフルーツミールは、出発の24時間前までの事前申し込みが必要ですが、無料で通常の機内食からの切り替えが可能で、機内食がすべてフルーツのみで構成されたものになりますから、軽くつまむくらいで十分な時には有力な選択肢になります。
しかも、日本発の便のフルーツミールの場合、メインディッシュ(?)としてフレッシュで甘み十分なメロンが毎回入っていて、その品質はラウンジ内で見かけるものよりも上質なため、楽しみにしていらっしゃる方も多いかもしれません。
JL809便の着陸から到着
機内食の片付けが開始されたのが19:57。
そこからシートベルトサインがオンになる22:11まではゆったりとした時間が機内に流れ、乗客はそれぞれ映画などの機内エンターテイメントを楽しんだり、目をつむって身体を休めたり、読書をしたりなど、思い思いの時間を過ごします。
こうした時間的なゆとりはJL809の飛行時間が4時間15分と台北線の中でも比較的長くなっていることと無関係ではないはず。
日本時間22:11(台湾現地時間21:11)にシートベルトサインが再び点灯するのと前後して、飛行機は台北の桃園空港への着陸に向けてどんどん高度を下げていきます。
実際に着陸したのは台北現地時間21:29(日本時間22:29)。
着陸した飛行機が駐機場に到着し、ボーディングブリッジと接続後にドアが開かれるドアオープンは台湾現地時間21:42(日本時間22:42)。
台北・桃園空港への到着の定刻は台湾現地時間21:15(日本時間22:15)ですから、27分の遅延ということになります。
つまり、出発の時点で31分の遅延が発生していたことを考えると、それ以上遅延が大きくならず、4分ほど遅れを取り戻したということですから、夜遅い時間の到着の便ということもあって、宿泊先までの移動のことなどを考えると、ほっと一安心した方もいらっしゃったかもしれません。
台北の桃園空港が台湾を代表する国際空港ながら、比較的コンパクトな作りになっていて、着陸後の移動もそれほど長距離にならなず、スピーディーな降機につながっているのも嬉しいメリットです。
まとめ
JALが運航する国際線の中でも充実したラインナップを持つ台湾線。
そうしたメリットを活かして、我が家でも台湾旅行と合わせてプチ関西旅行を楽しむためのツールとしても愛用中です。
その中でもJL809便は、ほとんど同じ様な時間帯に羽田空港発のJL99便が運航され、人気を集めていることの結果なのか、有償航空券として比較的安価に予約できるだけではなく、マイルを利用した特典航空券としても低い予約難易度で空席を確保できる傾向を持っていることも気に入っています。
また、思いがけず遭遇することになった乗客の搭乗中止による遅延に関しても、当初心配したような長時間の遅れにならずに済んだのも印象に残ることになりました。
このようにお得に近距離線としてのスタンダードなサービスが楽しめるJL809便を利用して、台北を訪れてみるのもなかなか面白いと思いますよ。
コメント
私も、809便は何度か利用しましたが、99便と比較してリーズナブルなお値段なので利用しましたね(笑)
私が利用した中で、一度だけ3便のニューヨークからの到着後、直ぐに809便として機材繰りがなされ、シートだけプレミアムエコノミーとなったことがあります。やはり楽ですよね(笑)
さて、最近、飛行機のジャンプシートに座る機会に遭遇しました。しかも、イベントではなく、実機の飛行中です。
タービュランス(乱気流)の恐れあり、とキャプテンがシートベルトサインを点灯。この時、機体最後尾のトイレ待ちをしていた私は、自席に戻るには距離があると判断され、国内線普通席の責任者であるCAさんから、「一緒にジャンプシートに座るように」指示が出され、約8分間の体験をしました。そのCAさん曰く「おが様、たくさんお乗りになっていらっしゃるし、イレギュラーな場面でご協力いただいたこともあるので、このようなお願いをさせていただきました」とのこと。
ひえ、しっかり情報が引き継がれておりまする。
まぁ、とはいえ、そのような依頼も瞬時に理解し、ご協力いただけるお客様と捉えられていただけるだけ、良しとしましょう、と思いました(笑)普通は、自席に直ぐ戻るよう促すそうです。
おがさん、こんばんは。
今回もとても興味を惹かれるコメント、ありがとうございます。
エコノミークラス利用者へのプレミアムエコノミー席開放も嬉しく珍しいことですが、それ以上に客室乗務員の方から公認での一時的なジャンプシート開放(?)にも、「さすがはおがさん、貴重な体験をされていらっしゃる!」と思わず感心してしまいました。
それにしてもJAL内部での情報の引き継ぎは嬉しい顧客サービスと感じる一方で、機内でも、やはり後になってからJAL側はもちろん、第三者にも後ろ指を刺されてしまうようなふるまいは今後も絶対に回避しなければと襟を正したくなりました(笑)
今回のはっとするようなコメントも、本当にありがとうございました。