青森県岩木山の山嶺に湧き出す名湯、嶽温泉郷・赤格子館の魅力(赤格子館へのアクセスと津軽フリーパス、その泉質はまさに肩こり対策の最終兵器、最大の難点の赤格子館休館日と確認方法、運悪く休館日だった時のプランBとして(株)百沢温泉)

運動やストレッチといった日常的な身体のケアだけではどうにも解消できない疲労やダメージの蓄積はなかなか辛いもの。

とはいえ、そんなピンチにも、あらかじめ効果抜群の切り札のようなものを用意できていたのなら、心配や不安が大きく軽減されるのも事実です。

私の場合は、その切り札の1つとして忘れることのできないものは、温泉でのリフレッシュなのは間違いありません。

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青森県の岩木山にある嶽温泉郷

火山列島とも評される日本には、多くの火山とそれを源とする豊富な温泉が本当にあちこちに存在しているため、幸運にも日本では様々な温泉を比較的容易に楽しむことが可能です。

しかも、一定の以上の品質を上回る温泉であればいずれもリフレッシュ効果は十分で、後は利用者の泉質に対する好みがそこから先の満足度を上乗せする要因になるのは避けられません。

このあたりは、一定以上の高品質なお酒なら美味しいのは当たり前で、それ以上は利用者の好みが優劣を決める重要な要素に存在感を表し始めるのと少し似ていますね。

実際に我が家でも、遠方も含め、お気に入りの温泉はいくつかあるのですが、その中でも温泉でのリフレッシュ効果で最も頼りにしている存在が、嶽温泉郷(だけおんせんきょう)です。

この嶽温泉郷は、青森県で最も標高の高い岩木山の山嶺に湧き出す温泉が元になった温泉街で、弘前桜まつりで有名な弘前市に位置しています。

弘前市から嶽温泉郷までは、公共交通機関として弘南バス運行の路線バスが地元の方の足として維持されているため、レンタカーなどの自動車無しでの観光客も問題なく岩木山をバスでゆっくりと登っていく形で嶽温泉郷まで到達できるのは嬉しいですね。

もちろん、個人的には青森を観光する時にはレンタカーなどを準備すると便利だとは思うものの、地元の方が日常的に利用する路線バスに乗り、その車窓から今まさにりんごの実っている林檎畑など青森の土地の匂いを感じさせる風景を楽しむ時間も好きなので、プラン作成の段階でなかなか迷う部分の1つです。

特に、公共交通機関で嶽温泉郷の訪問を考えた時、JR東日本が販売する2日間有効の津軽フリーパスという税込2,100円の企画乗車券を利用すると、広大なフリーエリアの無料利用の中に弘南バスを利用した場合の弘前駅から嶽温泉郷までの片道で1,060円、往復で2,120円の運賃も含まれていますから、お得度の面でもなかなか際立っていることが分かります。

 

また、嶽温泉郷に弘前市から訪れる場合には、弘前を含む津軽地方での信仰を集める神聖な場所の1つ(聖地)としても有名な岩木山神社(いわきさんじんじゃ/いわきやまじんじゃ)を通過した先にありますから、嶽温泉郷と一緒に訪れるのもおすすめ。

特に、途中まで山頂に至る登山道の1つと重なっている参道は短いながらも、今なお息づく信仰に裏打ちされた独特の厳かな雰囲気を確かに感じさせてくれますから、その寄り道に価値を感じる方も多いはずです。

しかも、岩木山神社の近くにも、嶽温泉郷とはそれほど距離が離れていないにも関わらず全く泉質の異なる数々の温泉が営業しているため、時間に余裕のある時には、無理のない範囲で温泉のはしごを試してみるのも楽しいものです。

ちなみに、青森県にある温泉の中でも特に高い際立った効能を持つ温泉として有名な、あの「(株)百沢温泉」も含まれているのは温泉好きの方には見逃せないポイントかもしれません。

そうして岩木山神社を先に進むと、道の左右には高い糖度とすっきりとした旨味で有名なブランドとうもろこし、嶽きみ(だけきみ)が栽培されているとうもろこし畑と、収穫の時期には採りたての嶽きみを自由に購入できる直売所があちこちに並び、そこでは多くの観光客がそこで足を止め、美味しいとうもろこしを買い求めている様子が見られるはずです。

 

こうして次々と変わっていく岩木山の景色を楽しみながら訪れる嶽温泉郷ですが、そこは数軒の温泉宿や土産物店が軒を連ねるコンパクトな印象を感じさせる温泉街。

全体的に大きな賑わいはないものの、どこか落ち着いた印象を感じさせてくれるため、これはこれで良いと感じる方も多いはずです。

そんな温泉街の一画に、我が家が青森を訪れる際には必ず目的地に加える嶽温泉郷の赤格子館(あかごうしかん)があります。

(以下のこの記事で掲載している温泉施設内の写真はいずれも、それぞれの温泉の運営者や管理者にあらかじめ利用目的を伝え、撮影の許可を取り、他の利用者がいないことを確認した上で撮影を行っています。)

嶽温泉郷の最古の温泉、赤格子館

この赤格子館は、バスで到着した道路から見て岩木山側の場所に位置しています。

特に目立つ形での看板などはなく、目印としてはお隣の小島旅館や赤格子館に併設された簡易郵便局(土日休日は休み)がおすすめ。

ちなみに、レンタカーなどの自動車で訪れた時には、赤格子館の前を中心としたスペースに無料で駐車できるようになっています。

この赤格子館は、かつて温泉宿として営業されていた旅館ですが、今現在では営業の規模が縮小され、日帰り入浴の利用者を対象としたサービスが提供されています。

そのため、館内に入ってもかつての受付を行っていたフロントには誰も常駐していませんから、普段は館内の奥や併設されている簡易郵便局にいると思われる、赤格子館を運営している店主さんや女将さんに声をかけて入浴料金として大人1人350円、子供1人200円を支払う必要があるのは注意。

もちろん、玄関で声をかけてもいいのですが、大きな声で呼びかけても気づいてもらえない時などに利用したいのが、玄関の傘立ての近くにある呼鈴のボタン。

これを押すことで確実に気づいてもらえますから不安を感じる必要はありません。

赤格子館の宿泊施設としての営業は終了したものの、館内はきれいにメンテナンスされ、古き良き旅館の面影を今なお鮮やかに残しています。

また、マタギ(山に分け入る猟師)に近しい宿だったこともあり、館内の装飾品にはそうした関連を感じさせるものも数多く見られ、興味深いですね。

もちろん、青森の伝統を感じさせてくれるねぶた(ねぷた)に関するものも。

ちなみに、唯一のおみやげコーナーには、赤格子館が誇る温泉から採取された湯花(ゆのはな。硫黄を中心とした温泉の析出物)が1袋1,000円で販売され、希望する場合には、自宅に帰ってからも嶽温泉郷の赤格子館の温泉を再現することが可能になっているのも嬉しいですね。

館内はかつての宿泊施設としての面影をはっきりと感じられる作りが随所に残っていて、しかも、今なお丁寧に手が加えられているため、快適な利用が可能です。

洗面などもゆったりとした作り。

それはメンテナンスの有無の差がはっきりと表れるトイレも同様。

ただし、宿泊同様、かつては固形燃料を活用したお膳タイプの料理が名物として提供され、とても好評を博していた、

  • 釜めしセット 1,200円
  • 館めし定食 1,800円

といった飲食サービスも終了してしまっているのが残念ですね。

嶽温泉・赤格子館の日帰り温泉の魅力

赤格子館の建物を一番奥まで進んでいくと、そこにはお目当ての温泉が見えてくるはずです。

温泉はすぐ隣に隣接する形で左側の男湯と右側の女湯に分かれています。

のれんをくぐると、そこにはシンプルな板張りの脱衣所。

脱衣所のガラス越しには肝心の浴室が見られるのですが、このあたりからはっきりとした硫黄の香りが感じられるようになるはずです。

実際、脱衣所に掲示されている温泉分析書には、「酸性・含硫黄-カルシウム-塩化物泉(低張性酸性高温泉)」という表記がしっかりと記載されています。

 

また、脱衣所から浴室につながるドアやその周辺をよく見てみると、硫黄を中心とした湯花が析出しているほど。

こうした光景からもいかに強力な温泉なのか実感できますね。

ちなみに、温泉の持つ効能としては、

  • 神経痛
  • 筋肉痛
  • 関節痛
  • 五十肩
  • 運動麻痺
  • 関節のこわばり
  • うちみ
  • くじき
  • 慢性消化器病
  • 痔疾
  • 冷え性
  • 病後回復期
  • 疲労回復
  • 健康増進

などが列挙されています。

実はこの赤格子館の温泉にはその効能の高さからファンも多く、今や鬼籍に入られてはいるものの、教科書にすらその名前が載っている、とあるVIPもかつてはわざわざ首都圏からこの温泉目当てにお忍び(?)で訪れていたことは地元の方にとっては公然の秘密だったようです。

実際、私にとってもこの赤格子館の温泉は抜群の効果ありで、特に普段から警戒し、ケアを怠らないようにしているもののどうしても凝りが蓄積してしまう肩こりの解消に関しては絶対の信頼を抱いているほど。

もちろん、この温泉だけがお目当てというわけではないものの、それでも、1年間に数回は飛行機などの交通費を負担することになったとしても、必ず青森の地を訪れてきた大きな理由の1つだったのは間違いありません。

ちなみに、我が家が最後に赤格子館を訪れた2019年の秋には、日帰りでの入浴料金の値上げが実施されていて、それまでの300円から350円に改められていたものの、値上げ後の価格すら入浴で得られるリフレッシュ効果に対してまだまだ安すぎると感じてしまうのが正直な部分です。

浴室には浴槽が1つ。

そしてわずか1人用の洗い場があるのみと本当にシンプルです。

しかし、注目すべきは源泉かけ流しのお湯が浴槽から溢れ出したその先。

お湯の流れた先の床板には、まるで新雪が降り積もったように硫黄を中心とした湯花で真っ白に覆われ、その温泉としての濃さを感じさせてくれます。

上の写真ではわかりにくく、訪れる時期によっても多少の増減はあるものの、浴槽からは1センチ~2センチほどの厚みのお湯が圧倒的な存在感を感じさせながら流れるままにオーバーフローする様子はなかなか圧巻。

ちなみに、この溢れ出したお湯とそれが残す湯花は浴室の入口付近の床板にも見られますから、浴室に一歩足を踏み出す時はうっかり滑って転ばないように注意が必要です。

硫黄を多く含んだ温泉らしく、ほとんどと言っていいほど泡立たないシャンプーやボディーソープで髪や身体を洗い終えた後は、いよいよお待ちかねの源泉かけ流しのお湯を楽しむことになります。

実際に浴槽の中に入ると、雪が降り積もるように底に堆積していた湯の花が舞い上がり、緑色を帯びながらも透明だったお湯が一瞬で白く濁っていくのも独特の風情があり好きな瞬間の1つ。

さらりとしながらも、しっかりと熱感を伝えるお湯の質感を楽しみながら、浴槽にお湯を注ぎ続ける竹製の注ぎ口に注目してみると、そこにもまるでの石のようにゴツゴツと析出した湯花が確認できるはずです。

こうして浴槽で身体を温めるのもとても心地よい過ごし方ですが、もう1つこの赤格子館の温泉の楽しみ方として忘れてはいけないのが、オーバーフローしたお湯が流れ続けている床板の存在です。

この床板のある部分は、常に温かなお湯が流れ続けているため、木の床自体がぽかぽかと温かく、その上に座っていると、まるで穏やかな岩盤浴を楽しんでいるような印象を感じるほど。

もちろん、あまり混雑していない時期の他の利用者がいないタイミング限定ですが、足を伸ばして座り、身体に温泉のお湯を染み込ませるようにゆったりとした時間を過ごすというのは我が家でもお気に入りの入浴方法になっています。

ちなみに、浴室にある窓は、完全な閉め切りこそ制限されるものの、それ以外は利用者が自由に開け閉めできるようになっていて、その開閉具合で浴室内の温度のコントロールも可能ですから、自身の好みの身体のポカポカ具合に合わせて調整してみるのもおすすめです。

ちなみに、冬の時期に、窓の外を視線を向けてみると、高く降り積もった雪の静けさの中、熱い源泉の引かれた周辺の土だけが顔を出している様子が見られ、そうした風情もまた雪が残っている時期に赤格子館を訪れるのが好きな理由の1つと言えるかもしれません。

ゆったりと温泉を楽しんだ後は、入口近くのソファーなどでしばし休憩するのも私が好きな瞬間の1つです。

ふと意識を自分自身に向けてみると、その身体の芯までお湯の温かさが確かな温感としてしっかりと残っていることが感じられるはずですから。

嶽温泉郷・赤格子館の最大の要注意ポイントは不定休の営業日

このように多くの温泉好きを惹きつけ続ける魅力を持つ嶽温泉郷・赤格子館ですが、実際に利用する上で最も注意しなくてはいけないのが訪れる当日に営業しているのかどうかという部分です。

というのも、赤格子館は原則年中無休で平日はもちろん、土日も営業しているのですが、あくまで不定休での営業のため、運が悪いとわざわざ嶽温泉郷に足を運んだ後でその日はお休みだったと初めて知るというリスクもあるから。

その対策として活用したいのが、事前に赤格子館への電話で問い合わせを行ってみるというもの。

具体的には、赤格子館(0172-83-2734)に電話をした上で、「○月□日に赤格子館を訪れて日帰りでの入浴を楽しみたいのですが、その日は営業されていますか?」とダイレクトに質問してみることになります。

そうすると、電話に対応してくれる店主さんや女将さんがその時点での見込を教えてくれるのはもちろん、場合によっては休みの調整した上での営業を決めてくれたりもしますから、そうした情報を元に旅程をアレンジするというのも、より安心感を得られる意味でおすすめです。

ちなみに、前述の通り、赤格子館には簡易郵便局が併設されていて、赤格子館への電話がその簡易郵便局に転送された結果、つながった電話口では「嶽簡易郵便局」という名前を名乗られ、間違い電話をしてしまったと思うかもしれませんが、間違いではなくそれで正解。

そのまま、赤格子館に関する問い合わせ内容を伝えると、しっかりと回答してくれるはずですから、全く心配はありません。

嶽温泉郷・赤格子館がお休みだった時のプランBは(株)百沢温泉がおすすめ

こうして圧倒的なまでの泉質と効能が魅力な一方、不定休の営業が最大の難点となりうる、嶽温泉郷の赤格子館ですが、最も困ることになるのは実際に青森県を訪れる計画を決定した後のタイミングで、お休みと知った時です。

そうなってしまった時には、別の温泉を選ぶといったプランBを選択することになるのですが、悩むことになるのは嶽温泉郷にある赤格子館の代わりに、どの温泉を選ぶのかということかもしれません。

もちろん、嶽温泉郷には赤格子館以外にも、今なお宿泊が可能な温泉宿に加え、赤格子館同様の日帰り入浴を提供している温泉も数軒残っています。

また、嶽温泉郷で提供されている温泉は、その源泉が嶽温泉旅館組合による共同管理がされていて、同一の源泉を共有していることになっています。

では、嶽温泉郷の温泉であれば、どの温泉を利用してもその品質や満足度が同一なのかと言うと、実はそうではないというのが私の正直な実感です。

実際、私が赤格子館以外で提供されている他のすべての温泉を1つ1つ利用してみると、加水しているわけではないはずなのに温泉の濃度が薄く感じられ、残念ながらその満足度も大きく異る結果になってしまいました。

もちろん温泉の良し悪しには個人の好みが大きな影響を与えることは避けられず、赤格子館で宿泊や食事のサービスが行われなくなって久しい現在、嶽温泉郷でそれらのサービスを希望する場合、赤格子館以外の旅館などを利用する他に選択肢はないのですが、それでも赤格子館同様の高品質な日帰り入浴を希望する場合には、厳しい選択と感じる方もいらっしゃるはずです。

では、せっかく青森県を訪れたにも関わらず、嶽温泉郷の赤格子館がお休みだった場合、我が家ではどの温泉を選ぶのかと言うと、その答えは「(株)百沢温泉」になります。

この「(株)百沢温泉」は、温泉施設としての名称が通称「まえかぶ」と呼ばれる「(株)」まで含めるのが正式という少し変わった温泉なのですが、青森県の地元の方にも「効く」温泉としての評価が高い温泉の1つとして有名です。

立地的にも弘前市から嶽温泉郷に向かう途中にある、岩木山神社近くの百沢温泉郷に位置しているため、旅行プランのアレンジも容易なのは嬉しいですね。

実際に公共交通機関の弘南バスで(株)百沢温泉を訪れる場合には、「岩木山神社前」か「百沢温泉」の停留所で下車後、3分から5分ほど徒歩で歩くことになるのですが、特段の事情がない限り、より道がわかりやすい「岩木山神社前」からの利用がおすすめだと感じています。

岩木山神社前でバスを降りて、降りたバスの進行方向に向かって緩やかな坂を登る様に進んでいくと、上の写真の中央付近のような百沢温泉までの道を案内する看板が見えてくるので、迷う心配はありません。

案内の看板に従い、細い道に右折すると、この時点で道の先に(株)百沢温泉の特徴的な赤い建物が見えていて安心ですね。

緩やかなアップダウンを感じさせる道を進んだ先に、お目当ての(株)百沢温泉があります。

こうして到着した(株)百沢温泉の敷地はゆったりとした駐車スペースを備えていて、レンタカーなどの乗用車で訪れた場合でも無料での駐車が可能なのは嶽温泉郷の赤格子館と同様です。

百沢温泉・(株)百沢温泉の日帰り温泉の魅力

同じ岩木山にある温泉でも、嶽温泉郷の赤格子館に比べ、百沢温泉郷の(株)百沢温泉は気楽な印象を感じながら利用できる温泉になっています。

というのも、(株)百沢温泉では、基本的に事前に決まった定休日以外は通年での営業が行われているため、赤格子館のような不定休に悩まされる心配はほぼないから。

温泉の営業自体、全国各地で見かける一般的な銭湯と大きく変わらない構成になっていて、初めての利用者でも特に困惑することなく利用できるのも嬉しいポイントです。

また、男湯と女湯の分かれ道には、利用者が自由に利用できるロッカーも用意され、貴重品を中心とした持ち物の管理が容易なのも嶽温泉郷の赤格子館とは全く異なる気楽さを感じるメリットかもしれません。

このロッカーの利用には100円硬貨が必要なものの、利用後はそのまま返却されるタイプで、無料での利用が可能です。

また、ロッカーのサイズ自体も貴重品を保管する目的には十分以上の一般的なコインロッカーと同等のサイズになっていて、さすがにスーツケースなどは難しいものの、ちょっとしたバッグはもちろん、ある程度形が変えられるリュックサックなども無理なく収納できるようになっているはずです。

肝心の(株)百沢温泉の温泉ですが、硫黄の香りがはっきりと感じられる赤格子館を含めた嶽温泉郷の温泉とははっきり異なるものの、その泉質や鮮度は際立っていて、温泉好きの地元の方にも愛される確かな名湯としての実力がはっきりと感じられるものです。

また、シャワーという名で呼ぶには強烈すぎる水圧の打たせ湯に加え、温度や深さで異なるシンプルながら複数用意された浴槽、1,300円の追加料金が必要なものの、気楽に利用できる家族風呂など、温泉としての懐の深さも気に入る方もいらっしゃるはずです。

ただし、青森県の中でも特に岩木山を中心とした津軽地方では、街中の銭湯でもそこで利用されているお湯は当然のように温泉がかけ流し状態で提供されているというような温泉があまりに身近にあるという生活環境らしいのですが、この(株)百沢温泉の温泉は、その津軽地方の方でも「効く」という評価を得ていることには、少しだけ要注意。

というのも、この(株)百沢温泉のお湯の効能は確かなものと感じる一方で、その泉質に慣れないうちは、油断するとあっさりのぼせのような状態になったり、その時の体調や入浴方法によってはいつの間にかその先の湯あたりにまで進んでしまうリスクがあると、温泉が好きでついつい長湯も好むこのある私でも警戒心を忘れないようにしているほどだから。

やはり、普段から温泉に慣れ親しんでいるはずの泉湯民族(せんとうみんぞく)とでも呼ぶべき地元の方がはっきりと効くと評する温泉は伊達ではないということですね。

その点、赤格子館を含む、嶽温泉郷のお湯は、硫黄の香りこそ強烈ですが、温泉の性質的にはのぼせや湯あたりが起こりにくいと感じるマイルドなものでゆっくりと身体に染み込ませるような入浴に向いていることも、同じ岩木山の山嶺にある温泉同士にも関わらず、はっきりとした違いとして面白いと感じています。

(株)百沢温泉の利用には、そうした要注意ポイントこそ存在するものの、利用者に対する快適性の提供や肝心の温泉の品質などは非常に高い次元で絶妙なバランスを維持しているため、運悪く嶽温泉郷の赤格子館の営業がお休みだった時のプランBには最もおすすめできる温泉だと感じていて、実際に我が家でも、赤格子館を利用できなかった時にまず最初に優先で選ぶ選択肢の1つになっているほどです。

また、(株)百沢温泉には、上の写真のようなソフトドリンクを購入できる自動販売機や受付を兼ねたフロントで販売されている小物アイスクリームなども用意されていますから、身体の芯まで温められた入浴の後のひとときを、温泉の余韻を感じながら涼むことができるのもこの温泉を選ぶちょっとしたお楽しみと言えるかもしれません。

ちなみに、(株)百沢温泉の日帰り入浴の料金は、

  • 大人1人330円
  • 小学生1人150円
  • 幼児120円

となっていて、

  • 大人1人350円
  • 子供1人200円

の入浴料金が設定されていた嶽温泉郷の赤格子館よりもリーズナブルなことが分かります。

また、お得な回数券として、大人用10枚分が3,100円で提供されていて、普段遣いの温泉として愛用する地元の方には嬉しい配慮と言えるはずです。

さらに、これらの入浴料金とは別に、1時間に付き1,300円の追加料金を支払うことで、家族風呂の利用も可能で、常識的な範囲や期間内であれば事前予約も受け付けてもらえますから、名湯を満喫する目的で利用してみるのも面白い選択肢となるのは間違いありません。

まとめ

私にとって重要な身体のメンテナンスとして、これまでも1年に数回は家族で訪れてきた、青森県弘前市にある嶽温泉郷の赤格子館。

しかし、2020年から2021年にかけて生じた新型コロナウイルスの感染拡大という非常事態により、2019年の秋以来、1年半以上もの長期に渡って全く訪れることができないという異常事態に遭遇してみると、これまでどれほど多くの部分で、その温泉で入浴することで得られる効能に助けられていたのかをはっきりと実感する機会になってしまいました。

もちろん、新型コロナウイルスの感染拡大によって引き起こされた状況が様々なレベルで改善しないことには、すべての方に嶽温泉郷の赤格子館や百沢温泉郷の(株)百沢温泉を訪れ、そこでの入浴を楽しむことをおすすめできないのは非常に残念なのは間違いありません。

しかし、状況の改善が実現した暁には、一度隠れた温泉県(?)の1つである青森県が誇る本気の名湯の底力を体験してみるというのもなかなかおすすめだと思いますよ。

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