JAL国際線特典航空券の往復予約と片道予約の使い分け(有償にはない特典だけのお得な片道予約、片道予約利用の4つの判断基準、キャンセル手数料、燃油サーチャージ&空港税の割引、区間変更の落とし穴対策、330日前の予約争奪戦)

JALで予約可能な国際線航空券には、お金を支払って発券を行う有償航空券とマイルを引き落として発券を行う特典航空券の2種類があります。

よほど割高な運賃での予約以外は予約変更の自由度やキャンセルによる払い戻しの手数料も厳しく設定されている有償航空券に対し、一部のディスカウントキャンペーン利用時以外は予約変更もキャンセルも比較的緩やかな条件が設けられている特典航空券というように、この2種類の航空券は想像以上に対照的。

そんな特典航空券の持つ特長の中であまり目立つことはないものの、有償航空券では利用が難しいものの1つに片道予約があります。

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特典だからこそお得に利用できる片道予約

国際線有償航空券の予約が往復を基本とし、一般的に片道予約はとても割高になってしまいます。

具体的に、東京-ニューヨークをエコノミークラスで予約する場合の燃油サーチャージや空港税を除いた運賃部分の最安価格を、シンプルな往復予約の往路と片道予約の往復で比べてみると、

  • 往復予約:60,000円
  • 片道予約:565,000円

となっていて、その差は9倍以上という1つの上のビジネスクラス利用ならともかく、同じクラスを利用する運賃とは思えない、なかなか衝撃的な結果です。

これは、一般的な往復予約ではリーズナブルな割引運賃が利用可能な一方で、片道予約では基本的に割引が行なわれていない普通運賃相当の運賃を利用するしかないから。

一方の特典航空券の場合、片道予約でも往復予約の半分の必要マイル数で利用できるため、有償航空券のような割高になるデメリットを全く感じることなく、とても気楽に活用できるのはとても気に入っています。

往復予約と片道予約の使い分けを左右する4つの判断基準

そんな特典航空券の往復予約と片道予約をお得に使いこなすための判断基準として重要なのが、往復予約と片道予約のそれぞれが持ち合わせているメリットとデメリット。

我が家では、

  • キャンセルのリスクが少ない
  • 燃油サーチャージや空港税が割安になる
  • 予約後に経路変更する可能性がある
  • 330日前の予約受付開始直後の予約

といった4つの条件を満たす時には、積極的に片道予約を利用する一方、それ以外の場合は片道予約ではなく往復予約を利用するようにしています。

キャンセルのリスクが少ない

キャンセルのリスクがないというのは片道予約を利用する最も分かりやすい判断基準です。

なぜなら、JAL国際線特典航空券をキャンセルし、マイルの払い戻しを受ける場合、航空券1冊につき、3,100円の手数料が必要になってしまうという事情があるから。

これは、特典航空券として往復予約と片道ずつで予約したの往復予約を比べると、

  • 往復予約:往復で1冊の航空券のため、3,100円の手数料負担
  • 片道予約:往路で1冊、復路で1冊の合計2冊の航空券のため、6,200円の手数料負担

というキャンセルに必要な手数料は片道予約が往復予約の2倍という結果が分かります。

もちろん、片道ずつで予約した往復予約には、後述するように燃油サーチャージと空港税が割安になり、お得になるというメリットもあるのですが、そうした片道予約だからこそのせっかくのお得度も、往復予約の2倍にもなるキャンセル手数料の前には水の泡になってしまうのは避けられません。

そのため、往復予約ではなく、あえて片道予約を利用する場合には、キャンセルのリスクが少ない旅程での利用を基本にするのがおすすめ。

燃油サーチャージや空港税が割安になる

往復予約にはない片道予約だけのメリットで忘れてはいけないものの1つが、燃油サーチャージや空港税が割安になる可能性があるというもの。

これは、燃油サーチャージや空港税が航空券の発券地や出発地を元にした意外に複雑な計算を元に決定されているため、日本発の往復予約と日本発の往路と海外発の復路を合わせた片道ずつの往復予約では、金額が異なるのはもちろん、そうした金額が海外発の方がお得&有利に設定されている結果と言えます。

具体例として、東京から比較的距離の離れたメルボルン、ロサンゼルス、ロンドンの3つの目的地について、往復予約と片道ずつの往復予約の燃油サーチャージと空港税の合計金額を比べてみると、

東京-メルボルン

  • 往復予約:33,090円
  • 片道予約:15,170円+14,340円=29,510円
  • 往復予約と片道予約の差額:3,580円

東京-ロサンゼルス

  • 往復予約:30,560円
  • 片道予約:17,180円+12,110円=29,290円
  • 往復予約と片道予約の差額:1,270円

東京-ロンドン

  • 往復予約:42,960円
  • 片道予約:13,370円+27,500円=40,870円
  • 往復予約と片道予約の差額:2,090円

という結果。

特に3,000円を超える金額差のメルボルンでは片道ずつ予約に切り替えるだけ削減できる金額としては意外に無視できない差になっていることが分かります。

ただし、お得度だけを追求するために片道予約を利用した場合、不幸にもキャンセルが必要になってしまった時に往復予約の2倍にあたる6,200円の手数料の負担がそのお得度をあっさり吹き飛ばしてしまうのは前述の通りですから、要注意。

また、こうしたはっきりとした金額差が発生するのは、一定金額以上の燃油サーチャージが設定されている時期にある程度遠くの目的地まで移動する時に限られるのも気をつけたいポイントです。

実際、先程のメルボルンやロサンゼルス、ロンドンよりも日本から近い距離にある、ソウルやバンコクで往復予約と片道ずつの往復予約の燃油サーチャージと空港税の合計金額を比べた場合、

ソウル

  • 往復予約:7,000円
  • 片道予約:3,370円+3,560円=6,930円
  • 往復予約と片道予約の差額:70円

バンコク

  • 往復予約:14,960円
  • 片道予約:7,560円+6,870円=14,430円
  • 往復予約と片道予約の差額:530円

となっていて、キャンセル手数料が割高になってしまうリスクを背負ってまで重視する必要にないと感じ始める金額差になっています。

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予約後に経路変更する可能性がある

自由度が高い特典航空券といっても、予約後に変更できないことの1つとして設定されているのが経路。

具体的には、特典航空券で東京からバンコクに向かう場合、その経路としては、

  • 東京(羽田・成田)→バンコク
  • 東京(羽田・成田)→中部→バンコク
  • 東京(羽田・成田)→大阪(伊丹・関西)→バンコク

というように合計3種類が選択肢として利用可能です。

しかし、仮に往路を「東京→バンコクのエコノミークラス」として元々予約した後、「大阪→バンコクのビジネスクラス」に空席が出たために上位クラスへの切り替えアップグレードを希望した時、往復予約だけには片道ずつ予約した往復予約にはないリスクが発生してしまいます。

それが変更を希望しない区間の喪失リスク。

というのも、経路変更を伴う場合、予約変更としての取り扱いでは変更できず、1回キャンセルによる払い戻しを行ってから、新規の予約として確保する必要があるから。

そのため、往復予約では変更を希望する往路だけではなく、復路も同時にキャンセルされてしまうのですが、その時もし仮に復路の区間に対しキャンセル待ちの手続きを行っている他の利用者が存在していた場合、せっかく確保されていたはずの復路はキャンセル待ち用の座席として提供され、結果的に失われてしまいます。

逆に、片道ずつ予約した往復予約の場合、区間変更目的で往路分のキャンセルと新規の予約としての手続きをしても、別の航空券として発券されている復路には少しも影響を与えませんから、全く問題なし。

そのため、複数の出発地から同じ目的地への経路が用意されている日本からの距離も近くエリアで、区間変更を伴う形で上位クラスへの切り替えアップグレードなどを希望する可能性がある場合には、自由度の低下してしまう往復予約を選ぶのではなく、片道ずつの予約での往復予約がおすすめです。

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330日前の予約受付開始直後の予約

特典航空券では、往復予約ではなく、確実に片道予約しか役に立たないと言えるタイミングが存在しています。

それが330日前のJAL国際線特典航空券の予約受付開始直後の予約。

なぜなら往路利用日の330日前には往路分の予約は申し込めても、翌日以降の復路の予約は復路利用日の330日前のタイミングにならない限り予約できず、どうしても予約日が分かれた片道ずつの往復予約になってしまうのは避けられないから。

特に、この330日前の予約というのは、元々提供されている席数自体の少ないファーストクラスやビジネスクラスを、競争率が特に高い繁忙期の時期に希望の旅程で確保するためには必須と言える手続きという事情もあって、普段なら片道予約利用の判断基準として気になるはずのキャンセル時の割高な手数料負担なども、この時ばかりは仕方ないと諦め中。

実際、壮絶としか言い表せないような人気の集中する予約の確保だけは、330日前午前10時の予約受付開始直後のタイミングまでに電話での予約手続きを完了できない限り、現実的には不可能というのが、これまで数々の争奪戦に参戦してきた私の正直な実感ですから。

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まとめ

JAL国際線特典航空券だからこそ、手軽に利用可能な片道予約には、有償航空券はもちろん、往復予約の特典航空券でも活用できないメリットがいくつも用意されています。

もちろん、メリットに対応するように片道予約だけに存在するデメリットもあるのですが、それらのメリットとデメリットをしっかり比べた上で、使い分けることができたなら、とてもお得なJAL国際線特典航空券の利用が可能になるはずです。

シンプルで一般的な往復予約に比べ、片道予約と聞くとハードルが高い予約方法のように感じるかもしれませんが、実質的には往復予約を往路と復路の2つに分けて利用しているだけの簡単なものですから、とりあえずお試しや宝探しのつもりで気楽に片道予約で空席を探してみたりするのも楽しいと思いますよ。

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