JALが拠点としている、羽田空港と成田空港。
この2つの国際空港を利用する場合、それぞれの空港では多少の違いはあっても総合的にはほぼ同等のサービスが提供されているため、どちらの空港を選んだからと言って大きな不利益があるわけではありません。
ただし、ファーストクラスラウンジにおける羽田空港の鉄板焼きと成田空港の寿司バーといったサービスの方向性の違いのように、その全く同じわけではないという部分に面白さを感じるのも事実。
そんな羽田空港と成田空港との間に違いがあるサービスの1つに、成田空港限定で提供される仮眠室サービスがあります。
成田空港サクララウンジの仮眠室サービスの詳細と利用方法
この仮眠室サービスは成田空港のJALラウンジの中でもサクララウンジを中心に提供されているサービスです。
横になれるベッドと枕、さらには機内で利用できるようなブランケットが貸し出してもらえるというものの。
元々、成田空港での比較的長い待ち時間を伴う乗り継ぎを行う利用者を対象にしたサービスとしての位置付けではあるものの、利用を希望したタイミングに空きさえあればサクララウンジにアクセスできる利用者なら誰でも利用可能です。
利用方法は本館サクララウンジ3階にあるシャワールーム受付で仮眠室を利用したいと搭乗券を提示しながらリクエストするだけ。
もちろん、ファーストクラスラウンジ利用者も、ラウンジ間の移動は必要になりますが、問題なく活用できるサービスになっています。
また、そうしたケースでファーストクラスラウンジから利用する場合、直接サクララウンジを訪れなくても、ファーストクラスラウンジ内のスタッフの方に声をかけ、仮眠室の空室状況を確認してもらい、その空室を確保してもらった上で移動することも可能です。
ちなみに、利用可能時間はラウンジの営業開始となる午前7時30分から出発便の搭乗開始時刻頃まで。
他の空港で海外の航空会社が提供する仮眠室サービスのように、一律の時間制限が設定されていないのは嬉しいですね。
ただし、仮眠室内にはラウンジで提供されているものを含め、原則飲食は禁止。
さらに、長時間の仮眠室からの退室が予想される時には、仮眠室カードを返却し、仮眠室自体を一度明け渡す必要があるのも気をつける必要がありそうです。
おすすめの仮眠室は元々有人マッサージに利用されていた個室タイプ
こうして利用可能な仮眠室も、実はドアを閉じることで完全に個室として扱うことのできる仮眠室と簡易的な仕切りのみで区切るタイプの仮眠室の2種類が用意され、仮眠室としてのサービスに圧倒的に価値があるのは前者の方なのは間違いありません。
この個室タイプの仮眠室はかつて2017年9月末までJALの羽田空港のファーストクラスラウンジ、成田空港のファーストクラスラウンジとサクララウンジのそれぞれでマッサージサービスが提供されていた部屋を仮眠室として再活用したもの。
そのため、入り口のプレートはかつてのマッサージルームから仮眠室に切り替わっていて、仮眠室の使用中を示す札もここに掲示されます。
もちろん、そうした由来を持つ部屋を再活用しているため、個室タイプの仮眠室とは言え、ドアには鍵をかけることはできません。
しかし、仮眠室が面する通路の途中にはJALサクララウンジ3階のシャワーサービス受付カウンターが設置されていて、ラウンジスタッフの担当者がほぼ常駐しているため、仮眠室に思わぬ不審者が入り込むリスクはかなり低いと感じています。
しかも、そうした好立地にありますから、担当してくださるラウンジスタッフの方によっては、人の手による確実な目覚ましサービスを提供してもらえることも。
万が一にも寝過ごしが許されない場所での仮眠だからこそ、安心感を感じる方も多いはず。
さらに、上の写真のようにドアの前に用意されたカーテンを閉じると、周囲からの遮音性も最大になり、静かな仮眠室内での時間を過ごせるはず。
個室内にはハンガーやコンセント、十分な収納スペースを持つロッカータイプの収納。
その隣には綺麗に清掃の行き届いた洗面台。
ボックスティッシュとゴミ箱も用意されています。
個室内にトイレこそありませんが、仮眠や着替えをしたり、その後、ゆったり落ち着いて身支度をするには十分な設備。
ベッドの枕元にも自由に移動可能なテーブルとスマートフォンなどの充電に便利なコンセントが用意されているのも好印象。
最大の敵は混雑時の利用の難しさ
こうした利便性を持つ仮眠室ですから、特に個室タイプの人気は高く、混雑する時にはあっという間に埋まってしまうことも。
しかも、原則的に最大で出発便の搭乗開始時刻頃まで利用可能という性質もあって、一度埋まってしまうとなかなか次の利用者が利用できるようにならないというのがこの仮眠室最大の敵と言えるかもしれません。
もちろん、簡易的な予約という形での順番待ちは受け付けてもらえることもあるのですが、それでも、一度そんな状態になってしまうと、利用はなかなか困難というのが正直な部分です。
そういった場合、これから国際線ファーストクラスに搭乗する利用者など、一部高待遇が提供される利用者のみを対象に、通常とは異なる仮眠室が開放されることもあるのですが、すべての利用者が確実に活用できるわけではないという点で、混雑時の特効薬的な解決方法とは言えないのも事実。
そのため、どうしても仮眠室の利用を希望する場合には、念のため、早めのタイミングで空室状況を確認してみるのがおすすめです。
まとめ
羽田空港には影も形もない成田空港だけのサービスとして提供される仮眠室。
チェックインカウンターからラウンジまでのスムーズな導線やラウンジとして確保されている広いスペースが生み出すゆとりなどと合わせて、やはり主要な国際空港として役割を担うために整備されてきた成田空港の底力のようなものを感じさせるサービスと言えるかもしれません。
もちろん、仮眠室というサービスがすべての方に必要なサービスというわけではないと思うのですが、職場からそのまま空港に直行して海外に渡航する場合などは、数十分ベッドに横になって仮眠し、頭を休めるだけで想像以上にすっきりできるもの。
また、ゆったりとしたスペースで着替えをしたり、荷物の整理をしたり、身支度の最終チェックをするなど、それらが快適に行えるのも嬉しいですね。
そうした海外旅行前のプチリフレッシュのチャンスや出国前の快適な最終チェックを行う機会としても、この成田空港サクララウンジの仮眠室サービスを利用できる時に活用してみるのも面白いと思いますよ。
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