365日、変わることなく多くの宿泊客を迎え入れるホテルでも、季節ごとのイベントの時期には、いつもと異なる表情を見せるもの。
特に、クリスマスから年末年始にかけては、イベントやお祝いごとが盛りだくさんのホリデーシーズンということで、この時期だけの特別なサービスに出会える貴重なチャンスの1つです。
そんな一年でも特別な時期の1つ、クリスマスイブからクリスマス本番にかけて、我が家ではコンラッド東京に滞在してみることにしました。
目次
クリスマスの時期のコンラッド東京の飾り付け
クリスマスが特別な時期という位置づけは、日本のヒルトン系ホテルで最も上位に位置するホテルの1つ、コンラッド東京でも変わるものではありません。
28階ロビーまで直通のエレベーターが用意されている1階ロビーにはオーソドックスなデザインで可愛らしいタイプのクリスマスツリーが用意済み。
ホテルを訪れた利用者をクリスマスらしい華やかな彩りで出迎えるのはこのツリーの役割です。
そして、エレベーターで到着する、チェックインなどの手続きを行うことになる28階のロビーエリアには、1階のものよりさらに大きく豪華なクリスマスツリーがフロアの一等地に設置され、宿泊客はもちろん、クリスマスの限定品として販売されているコンラッド東京オリジナルのクリスマスケーキを受け取りに来る利用者の目も楽しませてくれていました。
ちなみに、このツリーの設置場所は、通常ヒルトン系のホテルの創業者、コンラッド・ヒルトン氏の胸像が置かれている場所なのですが、流石にクリスマスの時期には、その大切な像も向かって左側に大きく移動されていることが、上の写真の左端の様子からも分かります。
ホテル内のあちこちには、様々なクリスマスを含めたホリデーシーズンを感じさせてくれる上品な飾り付けが用意されていました。
また、28階にある各レストランや37階にあるエグゼクティブラウンジでも、可愛らしいお菓子の家をモチーフにした飾り付けがお揃いでさり気なくディスプレイ。
いずれも決して大掛かりで派手な印象を感じさせるものではないものの、ポイントを上品に押さえた飾り付けになっているため、ホリデーシーズンらしさが自然に演出されているのがどこかコンラッド東京らしく、とても好印象でした。
クリスマスのコンラッド東京の特別サービス
そんな形で彩られているクリスマスの時期のコンラッド東京では、サービスの面でもクリスマスらしさが感じられるように工夫されています。
具体的には、
- アフタヌーンティー(15時から17時まで)
- イブニングカクテル(18時から20時まで)
- 朝食(7時から10時30分)
といったエグゼクティブラウンジで提供されるサービスに加え、28階のメインレストラン、セリーズなどで提供される朝食でも、クリスマスだけの特別な限定サービスが用意されていました。
また、クリスマスらしいイベントとしては、気軽に楽しめる聖歌隊によるコンサートも開催され、28階ロビーで無料で楽しめるようになっているなど、特別な時期をゆったりと過ごせるように丁寧な工夫があちらこちらに散りばめられています。
クリスマスのコンラッド東京 エグゼクティブラウンジのアフタヌーンティー
クリスマスの時期のコンラッド東京のエグゼクティブラウンジで最も普段とは異なる特長を感じるサービスと言えば、15時から17時まで提供されるアフタヌーンティーかもしれません。
なぜなら、この時期のアフタヌーンティーでは、シュトーレンなどのクリスマスの時期に活躍する伝統的なお菓子はもちろん、クリスマス用のデコレーションが加えられた定番スイーツも数多く並べられ、味覚だけではなく視覚でも十分に楽しめるようになっているから。
しかも、スイーツ類は在庫がなくなる度にどんどん補充が行われることはいつもと変わらないのですが、その度にこれまでなかった種類のスイーツも惜しみなく数多く追加される大盤振る舞いぶり。
その結果、ラウンジで提供されるスイーツにも関わらず、最終的には10種類以上が提供されたため、ラインナップ的には28階のバー&ラウンジ「トゥエンティエイト」で人気を集めるアフタヌーンティーに匹敵するような満足度になったのは嬉しい誤算でした。
1つ1つのスイーツをデコレーションしているクリスマス用のチョコレートプレートも可愛らしいですね。
また、少し珍しいものとしては、甘く味付けされ、飲むと身体がポカポカするホットワインも。
もちろん、アフタヌーンティーですから、スイーツ以外のラインナップについても、コンラッド東京のエグゼクティブラウンジらしい定番の食べ物や料理も並びます。
ホテルメイドらしい品質をしっかりと感じるサンドイッチ。
人気のあるアイスクリームはバニラとチョコの2種類。
アイスクリームと合わせて楽しみたい、
- マンゴー
- ストロベリー
- チョコレート
の三種類のソースももちろん完備され、なくなる度にどんどん補充されています。
個人的には、フライパン上で保温された状態で提供されるパイスープも、味付けや食感が好みで、なかなかお気に入り。
加えて、アフタヌーンティーのタイミング限定というわけではなく、常にラウンジ内に用意され、日替わりで異なる味が楽しめる、コラージュオリジナルチョコレートも、クリスマスの時期には、醤油黒糖という甘さと微かな塩気の組み合わせが不思議と美味しく感じられるフレーバーのものを提供。
実際、この醤油黒糖味のチョコレートはちょくちょく売り切れになって、補充待ちになっている場面を何度も目撃しましたから、意外な人気を集めている一品のようでしたから、見かけた時には一度試してみるのもなかなかおすすめです。
クリスマスのコンラッド東京 エグゼクティブラウンジのイブニングカクテル
クリスマスらしさがしっかり感じられたアフタヌーンティーが17時までに終了し、一時間ほどの準備時間を経ると、18時から20時までイブニングカクテルが開始されます。
このクリスマスの時期のイブニングカクテルの特長といえば、やはり丁寧に調理されたチキンが用意されていること。
チキン自体は骨付きの部分も含め、様々な部分が食べやすいようにしっかりとカットされているため、気軽に美味しく楽しめるようになっているのも嬉しいポイントです。
また、チキンと一緒に並べられた付け合せとしてのホットミールはもちろん、チキンの近くに用意されたコンラッド東京特製の2種類のソースも、全く異なる方向性ながら、どちらも高品質な仕上がり。
そのため、油断すると、ソースや付け合せをあれこれ組み合わせた上で、ついついつまんでしまう美味しさがありました。
もちろん、日替わりで提供されるスープも、オニオンスープがたっぷり用意され、口にするとほっとするような味わいも好印象です。
それ以外のコールドミールとしても、定番となる一口サイズのおにぎりやおつまみに加え、しっかりとしたコクが嬉しいテリーヌもクリスマスらしさを感じさせてくれました。
ちなみに、テリーヌがなくなると、コンラッド東京のイブニングカクテルではよく見かける餃子や油淋鶏テイストの唐揚げなどに切り替わってしまい、我が家がエグゼクティブラウンジで過ごしている時間ではそのままテリーヌに戻った様子は確認できませんでしたから、数量限定で用意されていた料理の1つだったのかもしれません。
おつまみ類もいつもの顔ぶれと感じるラインナップが並びます。
ただし、チーズに関しては、味わいから見て、普段より少し高品質でグレードの高いものも追加されているようでした。
しかし、そうしたチーズが並んでいたのはイブニングカクテルのサービスが提供されていた最初のタイミングだけで、そうして並べられていたものが売り切れた後はこれまでも見かけた通常のラインナップを中心とした補充に。
そのため、クリスマスの時期のコンラッド東京のイブニングカクテルはとりあえずサービス開始のタイミングで一度訪れておくのが様々な部分で発見があり、楽しめるのかもしれませんね。
もちろん、コンラッド東京のイブニングカクテルですから、いつもどおり生野菜のサラダも用意され、手軽に食物繊維を補給できるのも嬉しいポイント。
さらに、自分でカットして楽しむパン類も数種類が提供・補充されていますから、油断をすると、お腹がいっぱいになり、イブニングカクテルだけで軽めの夕食として十分楽しめてしまうなんてことになりかねません。
ちなみに、アフタヌーンティーの時間ほどの種類はないものの、イブニングカクテルの時間帯にも、フルーツなどと一緒に様々なクリスマスらしいスイーツも用意され、デザートまでしっかり味わえるサービス内容になっていました。
一方で、クリスマスの時期の特別なサービスが気になる、アルコールのラインナップですが、意外なことに、普段のイブニングカクテルと同じ種類が並んでいました。
具体的に、スパークリングワインはBerry Bros. & Rudd Crémant de Limoux、白ワインはDe Bortoli Lorimer 。
ビールは、コエドビール(COEDO)とアサヒスーパードライ。
赤ワインも白ワインと同様に、De Bortoli Lorimer。
日本酒(Sake)は新潟の北雪(ほくせつ)というのも変わりません。
もちろん、それ以外のハードリカーにも、もちろん普段との大きな違いは見られません。
ただし、このクリスマスの滞在から数日後の大晦日にコンラッド東京に宿泊した時には、スパークリングワインが、シャンパンのG.H.Mummにアップグレードされていましたから、コンラッド東京のイブニングカクテルのアルコールサービスとしてはクリスマスより、新年のカウントダウンを行う大晦日の方を少しだけ特別視しているのかもしれないと感じました。
クリスマスのコンラッド東京 エグゼクティブラウンジの朝食
2018年の12月25日は通常の火曜日の平日ということで、エグゼクティブラウンジでのクリスマスの朝の朝食は7時から10時30分までの時間帯で提供されます。
全体的にクリスマスらしさを感じさせるものではなく、最も特長が表れそうなパンコーナーも普段どおりのコンラッド東京のエグゼクティブラウンジの朝食といった面持ち。
朝食でのメインとなるホットミールもスタンダードなものがしっかりそろっていて、そうした印象から大きく外れるものではありません。
だし巻き卵や焼き魚、日本そばなどが用意されたプチサイズの和食コーナー。
独特の食感と味わいが楽しめるシュウマイやちまきのコーナーも、一番のお気に入りのエビシュウマイはちょうど売り切れだったものの、コーナー自体は健在。
フルーツやサラダなどが集められたコールドミールコーナー。
スモークサーモンやサラミ、ハムなどのコールドミールコーナー。
後述する28階のメインレストランでの朝食では提供が行われていないいちごを含むフルーツコーナー。
また、ラウンジ専任のシェフの方による卵料理などのメニューでも、後述する28階のメインレストランで提供されるようなクリスマス限定の特別メニューは、37階のラウンジでは加えられていないことが分かります。
そんなコンラッド東京のエグゼクティブラウンジの朝食でクリスマスらしさを唯一感じさせてくれる存在と言えば、温められた状態で用意された巨大なハニーローストハム(Honey Glazed Ham)。
大きな塊と化したハムを丁寧に時間をかけて調理した料理で、ハム自体のリッチなコクと味わいに加え、はちみつの甘みが中心となったふわりとした風味も本当に豊かで満足なもの。
そうした美味しさのためか、多くの方が自ら好みの分量を切り出してどんどん楽しむのですが、見た目の面でも、調理の手間の面でも、十分に大物な料理にも関わらず、なくなる度にしっかりと補充も行われているのがなかなか印象的でした。
また、クリスマスらしさを感じさせる限定メニューというわけではなく、どちらかというと、年末年始の年越しに合いそうなものの、コールドミールの1つとして用意されていたそばは、そばつゆとそばの風味の相性が良好で、手軽に楽しむそばとしては私の好みになかなか近い仕上がりで気に入ることになった一品です。
クリスマスのコンラッド東京 28階セリーズでの朝食
エグゼクティブラウンジの朝食で感じたような普段どおりの朝食という印象は一見、28階にあるメインレストラン、セリーズでの朝食でも同様に感じられるかもしれません。
2018年9月のオーダーメニューとしての和朝食提供終了に合わせて充実が行われた和食コーナーの一画。
個人的には、だしを活かした味付けが好みで必ず楽しむことにしている味噌汁を中心とした和食コーナー。
確かな洋食部門を持つホテルらしさを感じる味わい深いスープとして、ミネストローネもラインナップ。
スタンダードな料理の数々がホットミールコーナー。
和朝食の終了と同時に、オーダーメニューの中でもシグニチャーメニューの座を失い、作りおきでの提供が行われるようになったエッグベネディクトを含む、エッグステーション。
ホテルらしい品質が楽しめるパンコーナー。
チーズやハム、スモークサーモン、生野菜のサラダなどが一堂に会したコールドミールコーナー。
こうして見ると、やはり全体的に28階のセリーズでの朝食でもクリスマスらしさは感じられません。
クリスマス限定のオーダーメニュー、ベリーソースとホイップクリームのパンケーキ
そうした印象に変化が生まれるのは、実際に席についた時。
なぜならそこには1人1人の席に、クリスマスの時期だけの特別メニューを加えた、オーダーメニューが用意されているから。
具体的には、
- 「北海道バターミルクパンケーキ」クリスマス限定 ベリーソースとホイップクリーム
- 「納豆と椎茸のオムレツ」 シェフのオススメ ザ・ニッポンのオムレツ アオサとカツオだしの香り
- 「キノアとグリーンベジのエッグホワイトのフリッタータ」 ヘルシーキックオフ ワカモレ フェタチーズ ローストトマトを添えて
- 「クロッフルとポーチドエッグ トリュフ&チーズソース」 ザ・コンラッド・シグニチャー・ブレックファースト ベーコンを添えて
- 「フレンチトースト」 ディレクタブル・インドゥルジェンス キャラメルバナナとシトラスソース添え
- 「プレーンオムレツまたはお好みの具材をお選びください」 プロテイン・プリファレンス ハム、チーズ、トマト、オニオン、パプリカ、マッシュルーム、ハーブ
- 「目玉焼き、ゆで卵、ポーチドエッグ」 お好みのスタイルでご提供します
というラインナップになっていました。
つまり、通常時に提供される、
- 「北海道バターミルクパンケーキ」 ギルティー・プレジャーマカダミアンナッツクリームソース
から、クリスマス限定で提供される、
- 「北海道バターミルクパンケーキ」クリスマス限定 ベリーソースとホイップクリーム
へとソースを中心に変更されたということですね。
このクリスマス限定で楽しめる北海道バターミルクパンケーキは、上品な甘みと爽やかな酸味の良好なバランスが楽しめるたっぷり豪華なベリーソースとスッキリした味わいのホイップクリームを組み合わせて、焼き立てほかほかのパンケーキと一緒に楽しめるというなかなか見事な仕上がり。
味わいから考えても完全にデザート扱いの料理ですが、意外にぺろりと楽しめてしまうだけの魅力がある一品です。
もちろん、他の定番とされるオーダーメニューの料理も、十分に美味しく味わえるもの揃いですが、ベリーソースの品質などから見ても、クリスマス限定の提供は伊達ではありませんから、味わう機会に恵まれた時には、注文してみるだけの価値があると感じています。
28階ロビーで開催の聖歌隊のクリスマスコンサート
コンラッド東京で開催されるクリスマスの時期限定の特別なイベントとして忘れてはいけないのは、28階ロビーで開催される、聖歌隊によるクリスマスコンサート。
実際、チェックインなどの手続きが行われている、フロントデスク隣のスペースで、
- 12月24日15時から15時30分
- 12月25日17時から17時30分
というスケジュールで、1回あたり30分間のミニコンサートとして行われるものです。
曲目はクリスマスに楽しむものとしては比較的スタンダードなものが用意され、無料かつコンパクトな内容ということで、気軽に耳を傾けることができる構成になっているのも魅力。
その時間、会場には多くの利用者の方が集まり、フロントデスク前に用意されている椅子に座ったり、思い思いの場所に立ち止まったりしながら、クリスマスソングに高い天井を持つ28階のロビーが包まれる時間を楽しんでいました。
まとめ
365日24時間、変わることなく宿泊者を迎え入れ、そして見送るホテルが最も華やかに彩られることになる季節の1つ、クリスマスを含めたホリデーシーズン。
クリスマスの時期のコンラッド東京での宿泊は、普段の時期のきっちりとしたコンラッド東京らしさを確かに感じさせるものながら、クリスマスらしい彩りや楽しさが随所に織り込まれた滞在でした。
確かに、ゆったりと滞在するためにはクリスマスの時期にお休みが確保できることに加え、厳しい争奪戦の様相を見せ、宿泊費自体が高騰しやすい時期に空室を確保することが必須になるため、簡単におすすめできるというわけではないのも事実です。
しかし、そこで得られる時間は、また来年も同じ時期に訪れてゆったりと過ごしたいと思うには十分な魅力を持つものですから、もし一年でも特別な時期に滞在するチャンスに出会ったのなら、少し積極的に活かしてみるのもとても楽しい時間を過ごせる経験になると思いますよ。
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