2017年11月に実施された大規模なJALの予約システム刷新は、今後の展開を考えるJAL側としては必要不可欠なものだったとしても、実際に予約を行う利用者にとっては様々な面での不便を強いるという点では改悪の要素が強く感じられる出来事でした。
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2017年11月JAL予約システム刷新の爪痕
具体的には、乗り継ぎを含む国際線予約では有償と特典問わず、JALホームページ上の旅程検索結果では、これまでのように空席に基づいたすべての旅程が提示されるわけではなく、システムが最適と判断したものを中心としたおすすめのみが検索結果として表示されるなど、私自身、使いにくさを感じながらの利用が避けられない予約システムという印象を強く持っています。
もちろん、システム刷新直後には開放されていなかった、国内線特典航空券での出発当日の空港で元々の予約と同一区間の前便に限った予約変更の復旧に加え、有償の国際線航空券に限っては、システムがおすすめとして提示した旅程以外を「ほかのフライトをみる」機能として、現実的な手間で探し出すことができるようになるなど、改善と呼べるような変化も少しずつ見られるのも事実。
しかし、それでも未だ、
- JALホームページ上ですべての乗り継ぎを含む旅程が表示されるわけではない
- 特典航空券では燃油サーチャージや空港税にe JALポイントが利用できない
といったシステム刷新前の予約システムでは当たり前のように利用可能だった機能が失われたままですから、100点満点の快適性で利用できるまでには、かなりの時間を要する・・・のならまだしも、このままずっと修正されることがなく、不便を感じながら利用を続けなくてはいけないのだとしたら、とても残念ですね。
電話手続きでの手数料回避の強い味方、JAL旅行券
そんな事情もあって、我が家でJAL国際線特典航空券を利用する時には、電話での予約・発券手続きを多用することになります。
ちなみに、電話での手続きを行った場合、お金で支払う有償の国際線航空券は5,400円、マイルを利用した国際線特典航空券も2,160円の航空券取扱手数料が必要になるのですが、実はこの手数料はシステムの制限でJALホームページ上では予約できない旅程でも問答無用で請求される種類のなかなか厳しいもの。
ただし、支払いの一部、または全部にJAL旅行券を利用した場合、通常の電話での手続きで必要な電話発券手数料は免除されるのは、間違いなくとても嬉しいJAL旅行券の持つメリットです。
そのため、少しこだわりのある乗り継ぎを含んだ旅程の予約と発券を行うことの多い方は、JAL旅行券をストックしておくのが本当におすすめ。
航空券取扱手数料以外にもある電話発券のデメリット
そんな電話での予約・発券にはなんとかJAL旅行券の利用で回避できる航空券取扱手数料にも、一部の予約変更やキャンセルによるマイルの払い戻しが電話での手続きにしか対応していないというデメリットも存在しています。
そのため、電話での予約と発券を行った国際線航空券に予約変更やキャンセルなどの形で手を加える時には、基本的にJALの電話窓口へ電話でのアクセスが不可避。
そうなった時に問題になるのが、JALが運営する電話窓口の営業時間です。
なぜなら、JALが国際線を対象とした予約に関する手続きなどの電話によるサービスを提供している日本の居住者用の窓口は、365日年中無休で営業しているのものの、肝心の営業時間は一般会員も上級会員も問わず、8時から19時までに限られているから。
つまり、19時から8時までの間には、電話での国際線航空券の新規発券手続きができないのはもちろん、これまでに予約していたものについても、急な予約変更に対応できないケースも考えられます。
特に、突然希望していた旅程に空席が発生した時などは、すぐに手続きを行うことが必須。
逆に電話窓口のその日の営業が始まる8時までゆったり待っていると、それが希少な席であればあるほど、せっかく姿を表したの空席があっさり消え去ってしまうことも十分考えられます。
日本のJAL電話窓口の営業終了後の切り札、海外の電話窓口
では、8時から19時以外の時間帯に電話での手続きが全く行えないのかと言うと、実はそういうわけではありません。
なぜなら、確かに日本に居住している利用者を対象とした電話窓口は営業を終了しているものの、それ以外の海外地域に居住する利用者向けの電話窓口には、日本とは異なる時差に加え、全く別の営業時間が設定されているから。
そのため、日本の電話窓口が利用できなくても、他の国や地域の電話窓口は利用可能。
しかも、そういった日本以外の電話窓口でもほとんど日本の電話窓口とは遜色ないくらいに多くの手続きを受け付けてもらえます。
そんな中、我が家で気に入って利用しているのは、アメリカやカナダに居住している方向けの電話窓口。
ちなみに、電話番号は「+1-310-607-4160」で現時点の所在地はアメリカのロサンゼルス。
営業時間はというと、
有償航空券:
- 太平洋時間 5時~18時(年中変更なし)
特典航空券:
- 太平洋時間 6時~18時(月曜日~金曜日)
- 太平洋時間 7時~15時(土曜日、日曜日、祝日)
となっていて、日本時間に直すと、
有償航空券:
- サマータイム適用時:日本時間 21時~翌日10時
- サマータイム非適用時:日本時間 22時~翌日11時
特典航空券:
- サマータイム適用時:日本時間 22時~翌日10時(月曜日~金曜日)、日本時間 23時~翌日7時(土曜日、日曜日、祝日)
- サマータイム非適用時:日本時間 23時~翌日11時(月曜日~金曜日)、日本時間 0時~翌日8時(土曜日、日曜日、祝日)
というような時間帯。
つまり、日本の電話窓口が19時に営業を終了してから、サマータイム適用時で2時間、サマータイム非適用時で3時間ほど空白の時間帯が存在するものの、それ以外の殆どの時間が日本の電話窓口と北米向けの電話窓口でカバーされていることが分かります。
もちろん、日本の窓口と北米の窓口以外にも様々な国や地域の電話窓口があるのも事実。
しかし、これまでの私の利用経験から、担当オペレーターが保有しているスキルや問題解決能力なども、北米担当の窓口が高い印象を持ち、私自身も気に入ってもいるため、海外にある電話窓口を利用する時には、北米向けの電話窓口に国際電話を利用してアクセスすることにしています。
JALの海外電話窓口を国際電話で利用する方法
日本ではなく、海外の電話窓口で手続きを行う場合、必ず国際電話を利用する必要があります。
国際電話といっても、今は国際電話が高額請求に結びつく時代が静かに終わっており、インターネット接続を利用したSkypeなどの通話サービスアプリを利用することで、1分数円程度の金銭的な負担だけでの利用も可能。
また、そうした通話サービスのための専用アプリでは、操作方法などにも工夫が見られるのはもちろん、一般的には固定電話や携帯電話から国際電話を利用するよりも格段にお得ですから、最初の利用時だけに一手間が必要だとしても、その価値は十分以上にあります。
ちなみに、日本の電話窓口では問題なく本人確認に利用できるJMB お得意様番号は、海外の電話窓口には利用できず、それ以外の方法での本人確認を行うことになるのは少しだけ要注意。
JALの海外電話窓口を利用する時の注意点とデメリット
こうして利用することになる海外電話窓口には、メリットだけではなく、
- 手数料は無料ではなく、日本の窓口と同等の金額をUSDや現地通貨請求で支払う必要あり。
- キャンセル時にはすぐに使用していたマイルが返還され、それがマイルの口座に反映されるとは限らず、手続完了まで数十分から数時間程度の時間を要することもある。
- 日本語対応の上級会員用の優先電話番号などはないため、一般会員の方と同様に約30分前後の時間は待つ可能性があるという覚悟が必要。
といったデメリットも存在しています。
特に、キャンセル時のマイル返還とその反映は、リアルタイムではないため、手続きのタイミングでは意外に長時間の反映待ちの時間が必要になることも。
そのため、キャンセルした特典航空券のマイルをすぐに別の特典航空券の新規予約に充当したい場合には、大問題につながりかねないデメリットになる可能性も十分あります。
ただし、このキャンセル後の返還マイルの反映までの時間は、キャンセル手続きを進める途中に、当日中にマイルを利用した別の特典航空券を発券したいというような事情で早めに処理をしてもらいたいというようなリクエストを伝えると、かなり早くに対応してもらえるケースもあるため、念のために覚えておくのもおすすめです。
まとめ
JALの予約システムがおすすめする旅程以外を利用する時には大きな助けになる電話窓口にアクセスしての電話での手続き。
ただし、JALでは365日24時間途切れることなく電話での手続きを行うサービスが提供されているわけではないため、日本の電話窓口だけの利用にこだわる場合、どうしても19時から翌朝8時までの13時間にも及ぶ時間が利用できないというはなかなか困った状況です。
一方、日本の外に目を向けてみると、実は様々な国や地域に電話窓口が用意され、そこでも日本の会員でも日本の窓口で受けられるかなりのサービスが利用可能なのは嬉しいメリット。
そうは言っても、国際電話の利用が必須になるなどの気になる点もありますが、様々な通話サービスアプリの利用でコスト負担は大きく抑えられる以上、かなりお手軽に利用できるというのが実際に愛用している私の正直な印象です。
もちろん、利用する機会が全く無いという方も多いとは思うものの、いつか思わぬタイミングで、確実性のために海外の電話窓口を利用したいと感じる機会もないとは限りませんから、念のため、頭の片隅に留めるようなスタンスで気楽に覚えておくというのもおすすめだと思いますよ。
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