JALマイルを利用したファーストクラスやビジネスクラスへのアップグレードの具体的な手続きと活用方法(5種類のアップグレードと利用条件、手数料・燃油サーチャージ・税金の負担、インボラアップグレードとの相性、特典航空券とアップグレードの空席枠の関係、優先キャンセル待ち)

マイルの活用方法として最も魅力的な特典航空券。

この特典航空券を利用すると、まだまだリーズナブルな必要マイル数を負担するだけで、ビジネスクラスはもちろん、それぞれの航空会社が最上級のサービスを用意する国際線ファーストクラスすら十分お得に利用可能です。

それは、我が家がメインの航空会社として愛用しているJALでも変わることはありません。

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JAL国際線で利用できる5つのアップグレード

そんなJALの国際線では、元々予約していたクラスより上位クラスを利用できるサービスとして、

  • 有償航空券へのマイルを利用した事前アップグレード
  • 有償航空券へのマイルを利用した出発当日の空港でのアップグレード
  • 有償航空券への無償でのインボラアップグレード
  • 特典航空券への追加マイルを利用した出発当日の空港でのアップグレード
  • 特典航空券への無償でのインボラアップグレード

といった合計5種類のアップグレードサービスが提供されています。

この中で最も確実性が高いものといえば、それは間違いなく有償航空券へのマイルを利用した事前アップグレード。

なぜなら、このアップグレードは、発券完了から便出発の24時間前まで事前の手続きが可能な一方、それ以外のアップグレードは出発当日に空港に到着し、チェックインなどの手続きを行ってみないことには、アップグレードの可否が全く分からないから。

ちなみに、2018年12月4日に実施された、JAL国際線特典航空券PLUSの導入までは、この5種類の他に、特典航空券を対象とした出発4日前までの切替アップグレードも利用可能だったのですが、予約変更の廃止の影響を受ける形で利用不可になってしまったのはとても残念なことです。

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有償航空券へのマイルを利用した事前アップグレードの利用条件

このように現時点で唯一、出発当日に空港を訪れる前の段階に上位クラスへのアップグレードが確定する、有償航空券へのマイルを利用した事前アップグレードは、その高い利便性と引き換えに、利用するための条件は厳しく設定されています。

具体的には、

ビジネスクラス → ファーストクラス:

  • J、C、D、Xの4種類(ツアーなどでの予約・利用は除く)

プレミアムエコノミークラス → ビジネスクラス:

  • W、Eの2種類(ツアーなどでの予約・利用は除く)

エコノミークラス → ビジネスクラス:

  • Y、B、H、Kの4種類(ツアーなどでの予約・利用は除く)

というように、すべての有償航空券が対象というわけではなく、購入した有償航空券の予約クラスごとに左右され、それぞれの条件を満たす必要があるから。

ちなみに、ツアーなどでの予約・利用に加え、アップグレード対象から除外されているのは主に、エコノミークラスの割引運賃として設定されているスタンダード運賃で、安価な順にQ、S、V、L、Mなど。

お得なエコノミークラスでの予約ではとても頼りになるS、V、Lの特に安価な予約クラスがアップグレードの対象外というのはとても残念に感じているポイントの1つです。

一方で、それ以外のエコノミークラスの予約はもちろん、ツアーなどを除く、すべてのビジネスクラスとプレミアムエコノミーの予約も、アップグレードの対象として設定されていますから、シンプルでわかりやすく安心。

ただし、プレミアムエコノミーとエコノミークラスから2段階のアップグレードとなるファーストクラスへのアップグレードは元々サービスとして提供されていないため、ファーストクラスへのアップグレードを考えている時には必ずビジネスクラスを予約する必要があるのは少しだけ要注意ですね。

アップグレードの手続きが可能なJALホームページと電話予約デスクアップのメリットとデメリット

アップグレード対象の予約については、

  • アップグレードに必要マイル数を保有している
  • 予約済みの便の上位クラスにアップグレード用の空席が残っている

という2つの条件を満たすことで、アップグレードの手続きが可能になります。

その実際の手続きは、

  • JALホームページの予約詳細
  • JAL国際線の電話予約デスク

のいずれかで受け付けてもらえるのですが、その中でもJALホームページでは、

  • 8時から19時までの予約デスクの営業時間や混雑に左右されず24時間可能
  • 路線やクラス限定で必要マイル数割引キャンペーンが開催
  • 事前座席指定が画面上のシートマップを確認しながら行える

というメリットがあるため、基本的にアップグレードの手続きはJALホームページ上で行うのがおすすめです。

ただし、有償航空券へのマイルを利用した事前アップグレードの電話予約デスク利用では、後述するように、特典航空券の電話予約デスク利用とは異なり、

  • 発券手数料の追加負担が必要
  • キャンセルやマイルの払い戻しに制限が追加

といったデメリットは全くありませんから、JALホームページ利用時のメリットが特に気にならない場合には、予約デスクへの電話で、手軽に手続きを行ってしまうのも価値のある選択肢と言えるかもしれません。

JALホームページでのマイルを利用した事前アップグレードの具体的な手続き

具体的なJALホームページでのアップグレードの手続きは、すでに予約・発券済みの予約の詳細画面から開始することに。

上の画像のように予約詳細画面の一番下には、アップグレード対象外の予約では表示されない「アップグレードする」というボタンが表示され、そこからアップグレードの手続きが受付可能になっています。

 

次の画面に進むと、「アップグレード特典空席情報」として予約・発券済みの予約の中でアップグレード可能な区間が表示されます。

この時、複数の区間がアップグレードの対象になっている場合には、上の画像のようにそれぞれの区間ごとにアップグレード希望の有無を選択することも可能。

そのため、往復ともアップグレード可能な予約クラスで予約しているものの、日本で準備された機内食が搭載される日本発の往路だけアップグレードして、機内食が海外搭載の海外発の復路はアップグレードせずにそのままというようなアレンジやカスタマイズもスムーズに実現できるのは嬉しいですね。

アップグレードを行う区間を選択した後は、通常の予約と同様にアップグレード後のクラスでの事前座席指定を行うことに。

この時、JALの上級会員ステイタスとしての利用では、自動的に反映されているため、基本的に空港調整席としての設定がほとんどないファーストクラスやビジネスクラスでは、かなり自由に好きな席を選べるはずです。

事前座席指定で好きな座席を選んだ後は、そのまま手続きをすべて完了して、有償航空券へのマイルを利用した事前アップグレードは終了。

手続きとしては、難しさを感じることのないとても手軽でスムーズなものです。

有償航空券へのマイルを利用した事前アップグレードの発券手数料、キャンセル手数料、燃油サーチャージ

アップグレードを含めた航空券に対する変更の手続きを行う時に気になるのは、手数料の存在かもしれません。

実際、予約デスクに電話をかけて予約手続きを行う場合、国際線航空券では有償でも特典でも、5,400円の航空券取扱手数料(電話発券手数料)の負担が必要。

また、キャンセルを行う場合、有償航空券では最大で数万円、特典航空券でも3,100円のキャンセル手数料の負担が求められてしまいます。

では、有償航空券へのマイルを利用した事前アップグレードはどうなのかというと、意外なことに、すべての手続きで手数料の負担は求められず、無料での手続きが可能になっています。

つまり、予約デスクへの電話での手続きも無料で、アップグレードのキャンセルを行うのも無料ということです。

さらに、アップグレードを行う際も、元々の予約を活かす形で行われ、予約自体を一度キャンセルし、再度新規に上位クラスでの予約を取り直すわけではないため、イギリスやフランスなど、一部の利用クラスで異なる税金金額が適用される空港を発着する予約を除いて、燃油サーチャージや空港税といった金額負担の再計算も行われません。

こうしたアップグレード手続きでの手数料優遇や利便性の高さは、私を含め、普段から有償航空券や特典航空券の予約で手数料を負担した経験のある方にとって、アンバランスで不思議に感じられる仕組みだと思うのですが、どうしても高額になりやすいアップグレード対象の予約クラスの利用者向けのサービスだからこその手厚い対応なのかもしれませんね。

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予約デスクへの電話限定のキャンセル手続きと海外の予約デスクの活用

こうして利用することになる有償航空券へのマイルを利用した事前アップグレードですが、JALホームページでも予約デスクへの電話でもアップグレードの手続きが可能だったこととは対照的に、アップグレードの取り消しを行うためのキャンセルの手続きは、JALホームページ上では受付不可となっていて、予約デスクへの電話が必須となっています。

そのため、

  • アップグレード済みの便出発の24時間前
  • 電話予約デスクの営業時間

という2つの条件を満たす必要があるということですね。

実際、日本のJAL国際線電話予約デスクの利用は、

  • 8時から19時まで(年中無休)

というように11時間の営業時間に限られているため、これら2つの条件を満たすことが容易とは限らないと感じる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、日本の電話予約デスクの営業時間が終了した後には、アメリカやカナダに居住している方向けの予約デスク(ロサンゼルス:+1-310-607-4160)の営業が

有償航空券:

  • サマータイム適用時:日本時間 21時~翌日10時
  • サマータイム非適用時:日本時間 22時~翌日11時

特典航空券:

  • サマータイム適用時:日本時間 22時~翌日10時(月曜日~金曜日)、日本時間 23時~翌日7時(土曜日、日曜日、祝日)
  • サマータイム非適用時:日本時間 23時~翌日11時(月曜日~金曜日)、日本時間 0時~翌日8時(土曜日、日曜日、祝日)

というような形で開始され、この予約デスクは日本に居住している利用者でも問題なく国際電話を通じて利用可能。

特に最近は国際電話の利用についても、安価な料金の国際電話サービスに加え、IP電話や各種通話アプリを活用することで、1分あたり数円の料金の負担で利用可能ですから、想像以上にお手軽になっているのも嬉しいですね。

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有償航空券へのマイルを利用した事前アップグレードと空港でのインボラアップグレードとの相性

このようにキャンセルなどの手続きでも高い自由度を誇る、有償航空券へのマイルを利用した事前アップグレードは、とある条件を満たした時のみ、

  • 有償航空券へのマイルを利用した出発当日の空港でのアップグレード
  • 有償航空券への無償でのインボラアップグレード

という、有償航空券を対象に出発当日の空港限定で提供される2つのアップグレードとの良好な相性を持つことになります。

その条件とは、

  • 予約しているクラスが満席近い搭乗率と予想
  • アップグレードを希望している上位クラスに一定以上の十分な空席が存在

というもの。

この場合、

  • 事前アップグレードをあらかじめ電話でキャンセル
  • 空港のチェックインカウンターでインボラアップグレードの有無を確認
  • インボラアップグレードがなかった場合、出発当日の空港でのアップグレードを依頼

という形で上位クラスへの無料アップグレードが行われるインボラアップグレードのチャンスを無駄にすることなく、しっかり活用できることにつながります。

また、残念にもインボラアップグレードが行われなかった時でも、出発当日の空港でのアップグレードを利用することで、最終的な上位クラスへのアップグレードは確保できるのはもちろん、出発当日の空港でのアップグレードでは「空港当日申し込みサービス ディスカウントキャンペーン」が適用され、事前アップグレードよりも少ない必要マイル数でアップグレード可能なのも嬉しいですね。

実際、路線やアップグレード先のクラスによって異なるものの、2,000マイルから5,000マイルほど、出発当日の空港でのアップグレードの方がお得になっています。

ただし、

  • アップグレードを希望している上位クラスの出発直前の空席状況や機内食の準備状況によっては、出発当日の空港でのアップグレードが常に提供されるわけではない
  • 出発当日の空港でのアップグレードが提供されたとしても、その時点で指定できる上位クラスの座席が不便で人気のない席などに制限される可能性がある

といったリスクがあるのは要注意。

そのため、せっかく事前アップグレードが実現して、良い条件の上位クラスの席が確保できたのなら、そのままキャンセルしたりせずに搭乗するのがおすすめだと個人的には感じています。

逆に、事前アップグレード後に指定できる上位クラスの席が魅力的ではなかったり、仮にいずれのアップグレードが行われず元々予約したクラスの利用でも問題ないと感じる時には、事前アップグレードは利用せずに、インボラアップグレードやそれが無理だった時の割安でお得な出発当日の空港でのアップグレードに希望を託してみるというのも面白い選択肢と言えるはずです。

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マイルを利用したアップグレードと特典航空券の空席枠の関係

そんなマイルを利用したアップグレードを利用する時にどうしても気になる存在といえば、やはり特典航空券。

どちらもマイルを利用することで上位クラスをお得に利用できるという特長は変わらないのですが、それぞれのお得度同士を比べてしまうと、元々アップグレード可能な有償航空券が高額になりやすいこともあって、特典航空券の方に軍配があがるのは避けられません。

しかし、マイルを利用したアップグレードには、特典航空券よりも優れた特長が存在しています。

それが、アップグレード用の空席数。

上の画像は330日前となり予約受付が開始された直後のニューヨーク-羽田間のエコノミークラスからビジネスクラスへのアップグレードの空席状況ですが、「空席○」と表示され、十分な数の空席が提供されていることが分かります。

一方、アップグレードの空席情報を調べたのと同じ日の同じ便の特典航空券でビジネスクラスの空席情報を調べたのが上の画像。

330日前の受付直後らしく、ビジネスクラスでは2席のみ特典航空券に空席が開放されています。

もちろん、アップグレードでも特典航空券でも、出発直前期になっても上位クラスに十分な空席が残っている場合、それらの席が開放されることに変わりはありません。

しかし、アップグレードでは、特典航空券と空席枠が共通化されているわけではなく、予約受付開始直後からある程度潤沢な数の上位クラスの席が開放されているため、その結果、早い時期から上位クラスの利用が確定できるというメリットがあるのも事実です。

事前アップグレードでの空席待ちと上級会員優遇

このようにして、同じマイルの活用方法でも、特典航空券に比べると空席枠の部分で優遇されているアップグレードですが、人気のある路線や時期では、アップグレード用の空席がなくなり、キャンセル待ち状態になってしまうこともあります。

そんな時、せっかくキャンセル待ちの手続きをしても最終的にアップグレードは叶わないだろうと考えてしまうかもしれません。

しかし、少なくとも上級会員としてのステイタスを持っている場合、手続きをせずに諦めてしまうのはもったいないと感じています。

なぜなら、JMBダイヤモンドなどの上級会員の場合、アップグレード用の空席が残っておらず、キャンセル待ちの表示になっている便に対してキャンセル待ちの手続きを行うと、即座~数時間以内に空席が確保されることが意外な高頻度で見られるから。

この現象は、2018年12月4日に実施されたJAL国際線特典航空券PLUSの導入で廃止された特典航空券のキャンセル待ちでも見られたのとほとんど同じものです。

確かに、特典航空券でのキャンセル待ちは廃止され、一方の事前アップグレードではキャンセル待ちは継続中のサービスという違いはあるものの、どちらも上級会員を対象に優先的な扱いがあると明記されていたという点では共通しています。

そのため、事前アップグレードでは、少し強力と感じるような上級会員向けの優先扱いが、JAL国際線特典航空券PLUSの導入を経た今でも、こっそり細々と生き残っているのかもしれませんね。

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まとめ

マイルの活用方法として上位クラスをお得に利用できるという分かりやすい共通点を持つ、マイルを利用した特典航空券予約と有償航空券へのマイルを利用した事前アップグレード。

とはいえ、この2つのサービスは、お得度や利用難易度、活用の幅など、それぞれが意外に異なる特長を持っているのは間違いありません。

もちろん、せっかく貯めたマイルを活用するのであれば、シンプルにファーストクラスやビジネスクラスといった上位クラスの特典航空券を予約し、それを利用できるのが最も満足度は高いと思います。

しかし、それが難しかった場合などには、より自由度が高く、利用しやすい位置づけになっている有償航空券へのマイルを利用した事前アップグレードを検討してみるのも、現実的でなかなか面白い選択肢になると思いますよ。

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