JALマイルを利用して予約・発券を行う国際線特典航空券には、大きく分けて、
- JAL国際線特典航空券
- JMB提携航空会社特典航空券
- ワンワールド特典航空券
の3つが存在しています。
これらの国際線特典航空券の中でも特に注目したいのが、
- JMB提携航空会社特典航空券
- ワンワールド特典航空券
の2つ。
というのも、この2つの国際線特典航空券には、
- 発券完了から1年間
- さらに第一区間利用から1年間
- 区間や利用航空会社の変更を伴わない
という条件での予約変更が可能という特長があるからです。
もちろん、新型コロナウイルスの感染が拡大する前の日常では、予約変更ができないJAL国際線特典航空券でも特に問題はなかったものの、今後の新型コロナウイルスによる影響が予想できない現状では、予約変更の自由度が高いという特長を持つ、
- JMB提携航空会社特典航空券
- ワンワールド特典航空券
の2つは、国際線特典航空券の中で魅力的な選択肢と感じる方もいらっしゃるはず。
そうした事情もあって、最近の我が家で新規で予約・発券を行う国際線航空券は、
- JMB提携航空会社特典航空券
- ワンワールド特典航空券
の2つに限られ、JAL国際線特典航空券はしばらく利用することはないと感じてしまうほどです。
目次
発券済みのワンワールド特典航空券で欠航によるキャンセルトラブル発生
このようなメリットを持つ2つの国際線特典航空券ですが、少しだけ注意しなくてはいけないことがあるのも事実です。
それが出発時間や到着時間と言ったスケジュールの変更に加え、運航自体が行われない運休などの発生により、元々予約時に設定されていた通りの旅程での利用ができなくなること。
特に、国内旅行に比べ、長期の旅行期間になりやすい海外旅行は数ヶ月前、あるいは国際線航空券の予約受け付けが開始される約1年前から準備を行うこともそれほど珍しくありませんから、確率的にもそうしたトラブルに巻き込まれる可能性は高くなります。
また、現在、新型コロナウイルスの感染拡大によって国際線の運航を中心に想像を絶する悪影響を受けている航空会社では、赤字の発生をできるだけ軽減するために、予約状況に合わせた運休などを含め臨機応変な運航が行われていますから、こうしたリスクもある程度覚悟しておく必要があります。
そんな中、我が家でも来年となる2021年用に予約・発券を行った1年近く先のワンワールド特典航空券にも、そうした運休が発生してしまいました。
実際に予約手続きを行ったJALホームページの予約一覧には「フライトイレギュラー」の文字。
そこからさらに予約詳細にアクセスしてみると、上の画像のようなエラーメッセージが表示され、どの予約便にどんな形でのフライトイレギュラーが発生したのか、内容を確認することすらできません。
ちなみに、こうしたエラーが表示されるということは、
- 異なる便への乗り継ぎに大きな影響を与える形でのスケジュール変更が発生した
- 複数の便に同時多発的にスケジュール変更が発生した
というように、フライトイレギュラーでもかなり深刻な自体が予想される兆候と考えるべきです。
そんな時に頼りになるのがJAL以外の航空会社のホームページ。
というのも、JAL以外の航空会社のホームページでは、こうしたスケジュール変更が生じた場合でも問題なく変更内容が確認できることが多く、実際に今回のケースでは、ワンワールド特典航空券に運航便が含まれているブリティッシュ・エアウェイズのホームページからは上の画像のように変更内容が確認できるようになっていました。具体的なスケジュール変更の内容としては、ブリティッシュ・エアウェイズが運航する、
- BA1便:ロンドン・シティ空港(LCY) 09:50 → ニューヨーク・JFK空港(JFK) 14:40
- BA2便:ニューヨーク・JFK空港(JFK) 18:45 → ロンドン・シティ空港(LCY) 06:55
が運休によりキャンセルされてしまったというもの。
ちなみに、このBA1便とBA2便は、
- 1976年から2003年まで運航されていたコンコルドで利用された便名を引き継ぐフライト
- ロンドンの発着ではヒースロー空港ではなく市内からのアクセスに優れるシティ空港を利用
- エアバス製のA318という小型機で運航される一方で、機内の座席は32席のフルフラット対応ビジネスクラスのみと、どこかプライベートジェットを思わせるサービス
- BA1便はアイルランドのシャノン空港(SNN)への給油を目的とした寄港が必要なものの、給油作業中に乗客はアメリカへの事前入国審査を受けることが可能で、ニューヨークには国内線として到着
- BA2便はコンコルド便名を引き継ぐ特別なフライトということもあってか、通常はブリティッシュ・エアウェイズが運航するファーストクラス利用者限定ラウンジのコンコルドルームを利用可能
というブリティッシュ・エアウェイズにとって間違いなく特別なフライトとして位置づけられています。
そのため、我が家でもBA1便とBA2便の療法に、搭乗するのを2021年のお楽しみの1つにしていたので、今回のキャンセルはとても残念。
それだけではなく、実際にキャンセルになってしまった予約便だけではなく、最新となる約1年先の運航スケジュールでもBA1便とBA2便の予約受付自体が行われていませんから、このまま廃止になる可能性も高くと個人的にはとても心配しています。
とは言え、ロンドン・シティ空港発着のBA1便やBA2便も、2003年のコンコルド退役からすぐに運航が開始されたわけではなく、実際の運航は2009年となっていて、約6年の空白期間が存在していますから、仮に一度長期的な運休が行われることになったとしても、新型コロナウイルスの影響が軽減されたタイミングでの再就航に期待したいですね。
ワンワールド特典航空券で運休に伴うキャンセル発生時のブリティッシュ・エアウェイズ側での特別対応
今回のように航空会社の都合で運休に伴うキャンセルが発生し、元々予定していた旅程を利用できない場合、基本的には航空会社の責任で代わりとなる代替便が用意されます。
実際、我が家で今回遭遇したケースでも、ブリティッシュ・エアウェイズのホームページ上の予約詳細では、
- BA1便の代わりにBA175便
- BA2便の代わりにBA112便
があらかじめ確保され、利用者の承認を待つ保留状態になっていることが分かります。
ちなみに、元々の予約便と運休発生後の代替便では、
ロンドン → ニューヨーク
- BA1便:ロンドン・シティ空港(LCY) 09:50 → ニューヨーク・JFK空港(JFK) 14:40
- BA175便:ロンドン・ヒースロー空港(LHR) 09:50 → ニューヨーク・JFK空港(JFK) 12:55
ニューヨーク → ロンドン
- BA2便:ニューヨーク・JFK空港(JFK) 18:45 → ロンドン・シティ空港(LCY) 06:55
- BA112便:ニューヨーク・JFK空港(JFK) 18:30 → ロンドン・ヒースロー空港(LHR) 06:25
というような発着時刻や発着空港の組み合わせになっていますから、利用する空港がシティ空港からヒースロー空港へ切り替わる以外は、基本的に影響の少ない形での変更と言えそうですね。
とは言え、今回の航空券は、JALマイルを利用して、JALで予約・発券手続きを行ったワンワールド特典航空券ですから、代替便での了承はもちろん、それ以外に希望する便への予約変更、あるいはキャンセルによる払い戻しといった特別な対応を希望する場合でも、すべての手続きはJALを窓口として行うことになるのは要注意です。
そのため、キャンセルの原因となる運休を決定したのがブリティッシュ・エアウェイズだとしても、ブリティッシュ・エアウェイズの予約デスクなどにサポート対応を求めても、あらかじめ代替便を用意してくれる以外、基本的に助けてもらえることはありません。
ワンワールド特典航空券で運休に伴うキャンセル発生時のJAL側での特別対応
そうした事情がありますから、利用者側としては、問い合わせを行い実際の手続きを行うことになるのがJALの予約デスク。
ちなみに、JALの国際線を取り扱うことのできる予約デスクには
- JMB会員専用国際線予約デスク
- JMBクリスタル専用国際線予約デスク
- JMBサファイア専用国際線予約デスク
- JGC会員専用国際線予約デスク
- ダイヤモンドプレミア会員専用予約デスク
- JGC Five Starデスク
など、複数用意されているのですが、混雑時の繋がりやすさやそれに伴う待ち時間に差が生じるだけで、基本的に対応内容は同じようになっています。
そこで、実際にJAL側に問い合わせてみると、
- 運航を担うブリティッシュ・エアウェイズ側の都合でBA1便とBA2便にキャンセルが発生したこと
- ブリティッシュ・エアウェイズとしては代替便として同じような時間帯のBA175便とBA112便を用意したこと
- 現在の航空券状況としては元々の便と代替便の両方を確保している保留状態ということ
といったことが案内されました。
つまり状況としてはあらかじめブリティッシュ・エアウェイズのホームページ上で確認した通りということですね。
それに対するJAL側の特別な対応としては、
- このままブリティッシュ・エアウェイズが選んだ代替便を了承して、航空券の再発券を行えること
- 用意された代替便以外にも空席があれば前後の別の希望便への変更も一度のみ無料で可能なこと
- 24時間以上の滞在となるストップオーバーの可否は基本的に元々の予約便の条件を引き継ぐこと
- 元々の予約便でストップオーバーしていない場合でも、用意できる代替便にストップオーバーが必要なケースでは、ストップオーバー
- 一度限りの無料での変更時には燃油サーチャージや税金等の調整は行われないこと
- 通常3,100円が必要な払い戻し手数料の負担無しでの無料キャンセルも可能なこと
- 無料での変更を一度行った後でも無料キャンセルが可能なこと
- 特別対応への申し込みは元々の航空券の第一区間出発前までか、2021年3月31日までのどちらか早い方を期限に行う必要があること
- JAL側としては、ブリティッシュ・エアウェイズが保留状態の解消を求めてこない限り、現在の保留状態を維持できること
というような内容が伝えられました。
BA1便とBA2便の搭乗がなくなったワンワールド特典航空券はキャンセルすべきか
こうして運休に伴うキャンセルで、特に楽しみにしていたBA1便とBA2便の搭乗が難しくなってしまったワンワールド特典航空券ですが、悩むことになるのはJAL側から提供される特別対応をどのように活用するのかということです。
というのも、具体的には大きく分けて、
- 代替便やその前後の便への振替を了承し、元々の旅程のまま利用する
- 有効期限が長いワンワールド特典航空券の特長を活かし、BA1便やBA2便の復活まで粘ってみる
- 払い戻し手数料無料でのキャンセルを行う
の3つの選択肢が考えられるものの、それぞれメリットとデメリットが異なるから。
個人的には、今回の運休が発生したワンワールド特典航空券自体、
- JAL運航の東京-ロンドン/パリ間での往復(2区間)
- ブリティッシュ・エアウェイズ運航のロンドン-ニューヨーク間の往復(2区間)
というように長距離の国際線ビジネスクラスを2往復合計4区間利用しているにも関わらず、必要マイル数は120,000マイルのみとかなりお得度の高い特典航空券利用としてとても気に入っています。
しかもこの他に、EU域内の国内線扱いとは言え、ロンドン-パリ間の片道分のビジネスクラスもおまけでついてくるわけですから。
そう考えた時、すでに用意された代替便やその前後の時間帯の便への変更を了承し、そのまま利用するのも悪くない判断かもしれないと感じているのも事実。
特に、そうした形で変更を了承した後でも、
- 手数料無料でのキャンセルは可能
- ワンワールド特典航空券本来の機能を利用した予約変更や3,100円での有料キャンセルは可能
というように、大きな制限が加えられるわけでもありません。
また、それ以外にも気になっているのが、BA1便とBA2便の代替便として用意されたBA175便とBA112便の利用ラウンジです。
上の画像は往路となるBA175便の発着時間と利用可能なラウンジが案内されているブリティッシュ・エアウェイズの予約詳細画面ですが、ヒースロー空港からの出発時には、ブリティッシュ・エアウェイズが運航するビジネスクラス、クラブ・ワールド(Club World)の搭乗にも関わらず、利用ラウンジは本来ファーストクラス利用時以外対象外となるコンコルドルームが指定されているという不思議な状況です。
そうした状況は復路となるBA112便でも同様。
これは変更元となっていたBA1便やBA2便が特別にコンコルドルームの利用対象に加えられていたことで、変更後の便の利用でもそうしたサービス内容が引き継がれた結果かもしれませんね。
ちなみに、ブリティッシュ・エアウェイズのラウンジ利用では、予約詳細画面に表示された内容を印刷し証拠として現地に持ち込んだ場合、空港内の担当マネジャーなどへの確認を経た後で、基本的に予約詳細画面の表示通りの対応になりますから、現状では何の変哲もない通常の国際線ビジネスクラス利用で、コンコルドルームが利用できてしまうということです。
特に、このコンコルドルームは、
- ブリティッシュ・エアウェイズ運航のファーストクラス利用者
- ブリティッシュ・エアウェイズの上級会員の中でもより上位の上級会員向けに提供されるコンコルドルームカードを保有している利用者
- 運休が決定済みのBA2便の利用者(ニューヨーク・J FK空港のコンコルドルームのみ利用可能)
というように、利用条件がかなり厳しく設定されています。
そうした事情を踏まえて考えると、
- BA175便出発時のヒースロー空港コンコルドルーム
- BA112便出発時のJFK空港コンコルドルーム
- BA326便出発時のヒースロー空港コンコルドルーム
というように、合計3回ものコンコルドルームの利用が、お得なビジネスクラス用のワンワールド特典航空券で可能になってしまうということですから、今回のような特別なトラブルが発生した機会以外には考えにくいことと合わせて、なかなか悩ましいのも正直な部分と言えるかもしれません。
とは言え、来年2021年の旅程ということで、最終的な決定までには時間的な猶予は残されていますから、新型コロナウイルス感染拡大の状況を見ながら、どのように扱うのかをもう少し悩んでみるつもりです。
まとめ
かなり先の旅程も自由に予約可能な国際線特典航空券の中でも、特に予約変更の自由度が高いということで、気軽な利用が可能な、ワンワールド特典航空券とJMB提携航空会社特典航空券。
そうした特典航空券を利用する際の宿命として、突如遭遇することになるスケジュール変更や運休に伴うキャンセルなどに遭遇する事態はある程度覚悟する必要があると言えるかもしれません。
もちろん、最近のように新型コロナウイルスの感染が拡大している状況ではなおさらそうしたリスクは高くなっているのは間違いありません。
とは言え、実際にそうしたトラブルに直面してみると、予約・発券元であるJAL側の対応は、特別な交渉を行うことなく、まずまず納得感と自由度が感じられるもので、十分活用しやすいと感じました。
確かに、この種のトラブルには遭遇しないというのが一番だとは思うものの、万が一残念なことにも遭遇してしまい、対応する必要に迫られた時には、特別な対応として可能なことと不可能なことをあらかじめしっかりと確認し、後悔のないような選択と決定を行えるように注意するというのがなかなか大切なことだと感じています。
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