ファーストクラスやビジネスクラスといった上位クラスはもちろん、各航空会社の上級会員ステイタスを保有している方を提供されている特典の1つが優先搭乗。
このサービスは優先搭乗対象者を一般の利用者よりも優先して先に機内に案内するというものです。
優先搭乗のメリット
この優先搭乗を利用することで、混雑する前のかなり空いている状態の機内に入ることが可能になるため、結果的に、
- 通路を通ろうとする他の利用者を妨げるたりすることなく、落ち着いてバッグなどから必要なものを取り出したり、それ以外の不要な荷物を頭上の荷物入れに収納することができる
- 客室乗務員の方からの名前などの個人情報を含むあいさつを、周囲にあまり他の利用者がいない状況で受けられる(一部の上位クラス利用者や上級会員)
- ウェルカムドリンクをゆったり楽しめる(長距離ビジネスクラス以上)
- 機内販売の事前購入リクエストをお願いできる
- 森伊蔵の複数本の購入希望を他の利用者に先駆けて伝えることができる(中・長距離線ビジネスクラス以上)
といった様々なメリットが得られます。
わたしの場合、ゆとりを感じながら荷物の収納などのフライトに向けた準備を行えることだけでも、優先搭乗の利用に十分に大きな魅力を感じているほど。
また、上級会員ステイタスを持っていることで、指定が容易になる非常口席は、その頭上の荷物入れが子供用のライフベストなどを収納するための「業務用 Official Use」という表示と共に、一般の利用者の利用が制限される荷物入れとしてに設定される可能性もあるため、荷物の収納場所探しで慌てないためにも、優先搭乗で得られるゆとりは嬉しいものです。
優先搭乗の中でも少し特別な最優先搭乗
こうした優先搭乗が行われるため、JALの搭乗は一般的に、
- 事前改札:お子様連れやお手伝いを要する方
- 最優先搭乗:ファーストクラス利用者やワンワールドエメラルドの上級会員
- 優先搭乗:ビジネスクラス利用者やワンワールドエメラルド以外の上級会員
- 後方座席:エコノミークラスの後方から数列の座席利用者
- すべての利用者:プレミアムエコノミーやエコノミークラスの前方席などの利用者
といった順番で行われることになります。
その中でも少し特別なサービスとして位置づけられているのが最優先搭乗。
この最優先搭乗では、
- 国際線ファーストクラス利用者
- JMBダイヤモンドやJGCプレミア、他社ワンワールドエメラルドなどの上級会員
といった優先搭乗対象者の中でも一部の利用者向けに、さらに別の列を用意する優先扱いを行うというサービスです。
しかも、この最優先搭乗は、ファーストクラスが運航されていない路線でも、一般的にJMBダイヤモンドやJGCプレミア、他社ワンワールドエメラルドなどの上級会員向けのサービスとしてしっかり提供されているのも嬉しいですね。
最優先搭乗利用時に搭乗券に記入される「P」マークの秘密
そんな最優先搭乗を、JALが国際線での拠点空港として整備されている羽田空港と成田空港で利用する時に気がつくことになるのが、搭乗券に記入される「P」マークの存在です。
このマークは、最優先搭乗が開始される前の段階で、最優先搭乗対象者向けの列に並んでいる時に、JALの地上係員の方によって、搭乗券とパスポートの両方がチェックされた後に、返却される搭乗券に記入されるもの。
上の写真でも、形や大きさ、場所などは異なるものの、搭乗券の空いているスペースに、「P」マークが記入されていることがわかるはずです。
これは何かと言うと、事前に地上係員の手によって、搭乗券とパスポートのチェックが完了しているということを意味しているマーク。
そのため、通常は、
- パスポートと搭乗券の名前が同一のものかチェック
- パスポートの写真と搭乗する利用者が同一人物かチェック
- 搭乗券のバーコードをスキャンして、搭乗券が有効なものかチェック
という3段階で行われる搭乗ゲートでの確認手続きが、このマークが事前に記入されている搭乗券を手に持っている場合、
- 搭乗券のバーコードをスキャンして、搭乗券が有効なものかチェック
という最後の1段階のみまで省略され、最優先搭乗開始後は搭乗ゲート前で待つことなくスムーズに機内に入ることができるのは嬉しいメリットです。
また、最優先搭乗利用者以外が搭乗ゲートを通過する度、時間の必要な3段階の確認手続きがありますから、最優先搭乗利用者にとっては、それらの利用者が機内に到着するまでにより多くの時間的余裕が確保できることも「P」マークがもたらす隠れたサービスなのは間違いありません。
ちなみに、最優先搭乗はその前に実施される事前改札の対象者が機内での着席が完了してからの開始となるのですが、その際に必要となる時間は便によって変動するため、搭乗開始までに時間的な余裕がある場合には、最優先搭乗の次の案内となる優先搭乗の列の前方などで待っている利用者も、「P」マーク記入の対象となることもあるので、これもまた早め早めに並んでおくメリットですね。
最優先搭乗を活用する時の要注意ポイント
こうした形で提供される最優先搭乗ですが、空港や便によって、サービスにちょっとした違いも存在しています。
具体的には、国際線ファーストクラス運航路線では、上の写真のようにファーストクラス利用者を最優先搭乗とはさらに別の列に分け、より高い優先扱いのサービスとして提供することもあります。
この場合、ワンワールドエメラルド利用者は常にファーストクラス利用者と同じ扱いが受けられると思いこんでしまい、そのまま利用してしまうと、地上係員の方に、サービス対象外として指摘や注意されてしまうことに繋がりますから、慎重に確認するのがおすすめ。
こういったファーストクラス利用者の優先扱いは、ラウンジ内で一部のエリアを区切って提供されていることもあるので、同様に少しだけ要注意です。
また、利用する空港や便の搭乗者数などによっては、最優先搭乗の列を別に用意することなく、優先搭乗の列と一緒にまとめてしまい、最優先搭乗のサービスが全く提供されないこともあります。
この場合、優先搭乗の対象者が極端に多くはなく、優先搭乗自体がそれほど混雑しないケースも多いのですが、それでも、最優先搭乗に比べると搭乗時のゆとりは大きく減少してしまうのは避けられず、最優先搭乗対象者としては少し残念に感じてしまうポイントの1つです。
とはいえ、このあたりは、あくまで上級会員間の混雑緩和が目的で最優先搭乗がサービスとして提供されていて、上の写真のように国内線の最優先搭乗が一部の混雑路線限定で行われていることと同じような理由なのかもしれませんね。
まとめ
利用する上でいくつかの注意点を持つものの、便利なサービスとして活用できるJALの最優先搭乗。
特に、羽田空港や成田空港では、搭乗券上に記入される「P」マークなどの細やかな工夫によって、利用者側が気づかぬうちに、スムーズで快適な利用を強力にサポートする様々な優先扱いが提供されています。
もちろん、
- 国際線ファーストクラス利用者
- JMBダイヤモンドやJGCプレミア、他社ワンワールドエメラルドなどの上級会員
といった少し厳しい利用条件を満たす必要があるものの、しっかり活用できた時にはその価値を十分感じられるサービスですから、せっかくのチャンスが与えられているのなら、少し積極的に利用を考えてみるのもおすすめだと思いますよ。
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