JALが提供する数あるフライトの中でも圧倒的なまでの魅力を持ち合わせているのが国際線ファーストクラス。
そこではJALが理想とするサービスに最も近い内容が提供されている世界ですから、単なる目的地までの移動手段としてだけではなく、そこでの時間自体が貴重な思い出になることもあるほどです。
目次
国際線ファーストクラスの搭乗を重ねる中で時々感じる違和感の正体
そんな国際線ファーストクラスに何度か繰り返し搭乗していると、時々ちょっとした違和感を感じることがあります。
それは、これまで体験した通常の国際線ファーストクラス搭乗とは少しだけ異なる内容や順番のサービスが提供されたり、担当の客室乗務員の方の受け答えが逡巡の伴うスムーズなものではなかったりと、本当に些細なもの。
しかし、その違和感の原因を探ってみると、そこにはJALが公表していない特別な顧客に向けた特別なサービスが展開されていることに気がつくはず。
それが、JAL PROM会員(プロモーション会員)と呼ばれる特段のお得意様を対象にした、JALが提供するものの中でも特に優先度が高く、繊細なサービスです。
このJAL PROM会員は、
- JMBダイヤモンド
- JGCプレミア
- JMBサファイア
- JALグローバルクラブ(JGC)
- JMBクリスタル
といった利用実績によって細分化された会員ごとに様々な特典を提供するJALの上級会員サービス、JMB FLY ON プログラムのように公表された加入条件や到達条件はなく、基本的に格別なJALへの貢献が認められた特別な利用者だけが提供される会員種別。
そういう意味で、ひっそりと秘匿された存在ながら、その実態としては、とても型破りな種類の上級会員なのは間違いありません。
そんなJAL PROM会員と同じ国際線ファーストクラスを利用すると、仮に公表されている上級会員の中では最上位となるJMBダイヤモンドでも、JAL PROM会員の確かな影響とその圧倒的なまでの差を実感することになります。
搭乗時の機内まで/降機時の機内からのアテンド
JAL PROM会員の同じ飛行機への搭乗を知ることができるきっかけとしては、アテンドの有無が分かりやすいはずです。
このアテンドというのは、JAL社員やJALの協力会社の社員がJAL PROM会員と同行者に付き添う形で、出発時にはチェックインカウンターからラウンジやその同等の施設、あるいは出発を待つ機内まで案内し、逆に到着時には機内から入国審査から税関を超えて制限エリア外の一般エリアまで、案内を行うというサービス。
その際、機内に持ち込んだ荷物を手に持って運搬してくれるのはもちろん、限られた空港関係者しか通過できない通路を含め、スムーズで優先的な取り扱いを受けられる順路を先頭で率先して歩いてくれるため、仮に初めて訪れる海外の空港でも、全く不安を感じることなく、スムーズな入国や乗継が可能になりますから、ここに大きなメリットを感じる方も多いはず。
実際、私も様々な幸運と偶然、JAL側の配慮が重なり、JMBダイヤモンドながら、海外の空港からの出発時にアテンドを数回のみ受けたことがあるのですが、移動がとても快適になる一方で、JAL社員やJALの協力会社の社員の方の貴重な時間を数十分から1時間程度は限られた利用者が専有することになるわけですから、コストのかかったとても贅沢なサービスという印象を強く感じました。
ちなみに、到着空港によっては、アテンド対象のJAL PROM会員のみが通過できるルートが完全に別の導線として準備されていることもあるのですが、そうではない場合、JAL PROM会員以外の利用者も対象とした一般的なルートを通過することになるため、JAL PROM会員以外の利用者でも、アテンドされているJAL PROM会員の一団の後をそのままついていくことで、全く迷うことなく最短ルートでの空港内移動が可能になるというメリットもあります。
そうしたチャンスに恵まれた時には、間違いなく幸運ですから、見失わずについていきたいですね。
その際には、国際線ファーストクラス利用者の手荷物に通常はもれなく装着される、上の写真のような赤いタグの代わりに、JAL PROM会員が機内持ち込み荷物に装着される、なかなか目立つ金色の専用タグが分かりやすい目印になるはずです。
国際線ファーストクラスでの優先隣席ブロック
JAL PROM会員が国際線ファーストクラスを利用する時に、はっきりとした恩恵を受けるサービスの1つが、隣席ブロックかもしれません。
この隣席ブロックというのは、すでに事前座席した席の隣の席を他の利用者が座席指定できない席として設定する優遇のこと。
実は、この隣席ブロックは、空席状況に応じてという制限はあるものの、
- JMBダイヤモンド
- JGCプレミア
- JMBサファイア
- JALグローバルクラブ(JGC)
- JMBクリスタル
といったJMB FLY ON プログラムのJAL上級会員にも提供され、実際に活用できる種類の特典ですが、JAL PROM会員の場合は、1機の飛行機にわずか8席しかない国際線ファーストクラスの座席でも、それが優先的に行われるところに凄みを感じます。
そうした優遇が行われる理由ですが、JAL側としてはJAL PROM会員1人につき2席の国際線ファーストクラスの座席を確保し、1つの席は食事などの時間を楽しむリビングエリア、もう1つの席はベッドメイキング済みの状態を維持した上で好きな時にすぐに眠れるように配慮された寝室エリアというような使い分けによる贅沢な機内での時間を過ごしてもらいたいからと考えるのが自然。
ただし、そうした隣席ブロックが実施されている場合でも、上級会員ステイタスを持たない状態で国際線ファーストクラスを予約している利用者には座席指定可能な席として表示されないため、事前座席指定の状況によっては1つも残っていない予約として表示されることすらある一方、少なくともJMBダイヤモンドでは隣席ブロックの影響を受けない状態での事前座席指定が可能になっているようでした。
そのため、個人的に実際の隣席ブロックの効果はJAL PROM会員への事前確約できるような絶対的なものではないのかもしれないと考えています。
待たせない&断らないことが前提の機内サービスでの優先
JAL PROM会員と同じ飛行機の国際線ファーストクラスを利用した時、特に驚きだったのが機内サービスの優先でした。
というのも、それ以外の利用者が気づかないようにと細心の注意は払われているものの、機内で提供されるあらゆるサービスがJAL PROM会員が最優先な体制になっていたから。
まず、一般的には飛行機の進行方向に向かって左側のエリアとなる、
- 1A
- 1D
- 2A
- 2D
といった席のサービスを担当することが多いファーストクラスの客室責任者でも、JAL PROM会員が仮に飛行機の進行方向に向かって右側のエリアに搭乗していた場合、そちらにある、
- 1G
- 1K
- 2G
- 2K
などの席のサービスを担当することになります。
また、機内ではJAL PROMを待たせることは最大限避けるようにサービス全体が組み立てられているようですから、
- JAL PROM会員以外のパジャマ(リラクシングウェア)への着替えの準備や着替えを行うトイレの案内は、JAL PROM会員の着替えのタイミングが確定するまで保留状態
- 機内食提供のスタートとなるドリンクサービスはJAL PROM会員から開始
といった部分でも、通常の国際線ファーストクラス搭乗とは異なる違いを感じることになるはずです。
一方で、一部の提供可能な数量に制限のある機内食やアラカルト、アルコールについては、JAL PROM会員の希望の確認や調整が必要なものも増えるのか、JAL PROM会員以外の注文は客室乗務員の方にとってもすぐに提供できるかどうか即答できない状況に、通常の国際線ファーストクラス搭乗よりも多く遭遇してしまうことが気になるかもしれません。
そうしたことは、物理的な在庫が限られている機内販売の商品の確保でも同様です。
まとめ
利用者の人数が少ない国際線ファーストクラスだからこそ、実感できるJAL PROM会員の優遇。
実際の国際線ファーストクラスの搭乗中に遭遇するものだけでも、私自身がかなり大切にしてもらえていると感じるJMBダイヤモンドとしての優遇ともこれだけの差がある特別な内容ですから、JAL PROM会員への到達は本当に困難なことだと自然に納得できますね。
とはいえ、ファーストクラスを担当してくださる客室乗務員の方々は、JAL PROM会員を最優先扱いしつつも、それを他の利用者に気付かれないようにと細心の注意を最大限払ってくれていますから、快適が大きく損なわれたりすることがないのはもちろん、ほとんどのケースでは、JAL PROM会員の存在にすら気づかないまま、それぞれが快適な国際線ファーストクラスでの時間を過ごしているはずです。
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