国の持つ発展の勢いを反映したビジネスの目的地としてはもちろん、豊かな自然と親日国としての強い一面からレジャーの目的としても、高い魅力を持ち合わせているタイ王国。
その首都であるバンコクには、そうした人気を反映してか、JALによって運航される直行便が時期によって増減するものの5~6便も用意され、少ない時期となる5便の時でさえ、JALが国際線を運航する都市の中で最多を誇ります。
目次
ラウンジの充実が特長のバンコク・スワンナプーム国際空港
そんなバンコクの空の玄関口、スワンナプーム国際空港は、拠点としているタイ航空はもちろん、それ以外の航空会社間での乗り継ぎ利用にも配慮がなされているため、その一環としてなのか、出発前に利用できるラウンジを数多く備えた空港としても有名。
実際、航空会社の上級会員資格に加え、様々なラウンジへのアクセスを可能にするプライオリティパスを保有している場合、様々な複数のラウンジから好きなものを1つ選んで利用することができるのはもちろん、複数のラウンジを使い分けるというような、ラウンジのはしごとでも言える不思議な活用も無理なく楽しめるという特長も持っています。
ちなみに、我が家のように、ワンワールドのステイタスに加えて、プライオリティパスも保有している場合、国際線の出発時に利用できるラウンジは、
ワンワールドのステイタス:
- サクララウンジ
- キャセイパシフィック航空ラウンジ
プライオリティパス:
- オマーン航空ラウンジ
- エールフランス-KLM スカイラウンジ
- ブルーリボンクラブラウンジ
- ミラクルラウンジ(別々のコンコースなどに計9ヶ所)
というように、合計14ヶ所も用意されていることになります。
JAL運航便利用時には朝便と夜便の出発時間とラウンジ営業時間に要注意
こうして充実したラウンジラインナップを持つバンコクのスワンナプーム国際空港ですが、JAL運航便を利用して日本に帰国する場合には、午前に出発する朝便と、午後の遅い時間帯から日付が変わった直後に出発する夜便のどちらを利用するのかで、活用できるラウンジに違いが生じてしまうことには注意が必要です。
というのも、JALによる運航便は、
朝便:
- JL708(成田行き) 08:15発
- JL32(羽田行き) 09:55発
夜便:
- JL34(羽田行き) 22:05発
- JL728(関西行き) 22:55発
- JL718(成田行き)23:25発
- JL738(名古屋行き)00:55発
というようなラインナップになっている一方、それぞれのラウンジの営業時間は、
ワンワールドのステイタス
- サクララウンジ:5時45分から8時30分まで、18時から23時30分まで
- キャセイパシフィック航空ラウンジ:4時から18時20分まで
プライオリティパス
- オマーン航空ラウンジ:5時から20時30分まで
- エールフランス-KLM スカイラウンジ:24時間営業
- ブルーリボンクラブラウンジ:4時30分から22時まで
- ミラクルラウンジ(9ヶ所):24時間営業
というように、意外に大きな違いが設けられているから。
そのため、出発便によっては、空港のチェックインカウンターでチェックインの手続きが開始されるタイミングに制限される形で、利用したいラウンジが利用できないケースも十分に考えられます。
JAL運航の朝便利用で楽しめるラウンジ
JALがバンコクから日本に運航する、
- JL708(成田行き) 08:15発
- JL32(羽田行き) 09:55発
とった2つの朝便を利用する場合、チェックカウンターでチェックインの手続きが開始されるのが5時45分ということを考えても、
ワンワールドのステイタス
- サクララウンジ:5時45分から8時30分まで、18時から23時30分まで
- キャセイパシフィック航空ラウンジ:4時から18時20分まで
プライオリティパス
- オマーン航空ラウンジ:5時から20時30分まで
- エールフランス-KLM スカイラウンジ:24時間営業
- ブルーリボンクラブラウンジ:4時30分から22時まで
- ミラクルラウンジ(9ヶ所):24時間営業
という営業時間でサービスが提供される14ヶ所のラウンジのうち、そのすべてがチェックインが開始される前から出発時間まで営業が行われていますから、14ヶ所全てが問題なく利用可能です。
朝便利用時のキャセイパシフィック航空ラウンジとサクララウンジ
このようにまさに利用できるラウンジがより選り取り見取り状態の朝便でバンコクを出発する時に、我が家で間違いなく利用することになるラウンジは、ワンワールドのステイタスで入室するキャセイパシフィック航空ラウンジ。
その理由はやはり、ラウンジ内のインテリアが落ち着きのあるもので、しかもスペースがゆったりと確保されているため、本当に快適な状態で搭乗までの時間を過ごせるから。
また、キャセイパシフィック航空ご自慢のヌードルカウンターでは、作りたてのヌードル類やチャーハン、点心などのオーダーメニューも提供中。
もちろん、他の一部のラウンジにも似たようなサービスを提供している場所はあるのですが、味付けや品質などでは、このキャセイパシフィック航空のラウンジが安定しているのと同時に魅力的で、ついつい利用してしまうほど。
また、JAL便利用ということで、本来はサクララウンジにアクセスするべきとは思うものの、あまりにキャセイパシフィック航空ラウンジの方が快適で気に入っているため、搭乗開始までの時間すべてをそのまま沈没し、このラウンジから搭乗ゲートまで向かうということがかなり多くなっています。
確かに、JALが運営するサクララウンジ自体、比較的最近に丁寧なリニューアルが行われ、とてもきれいに仕上げられたラウンジなのは間違いありません。
また、そこで提供される料理自体もこれから帰国する利用者には嬉しい日本を強く感じさせるラインナップでの工夫が見られるなど、十分な品質を感じられるもの。
しかし、肝心のラウンジとしての快適性は、多くの利用者を収容するという目的を優先するあまり、他のスワンナプーム国際空港内のラウンジに比べ、他の利用者との距離感が近く設定され、とても窮屈な印象が感じられるのは私にとっての大きなマイナスポイント。
さらに、料理の品質面での頑張りはともかく、この空港内の他のラウンジの多くでは当たり前のように提供されているオーダー式の料理の提供がないことや、飲み物などを中心とした品質がもう少し頑張ってほしいと感じてしまうのも、朝便利用時にキャセイパシフィック航空ラウンジの利用を優先し、サクララウンジに足が向かない理由と言えるかもしれません。
少なくともJALが直行便を運航する目的地で最多の便数を誇るバンコクらしい高い搭乗率とそれに伴う混雑が常態化している間に、キャセイパシフィック航空のラウンジが問題なく活用できる朝便利用時にサクララウンジをなかなか積極的に利用できないというのが正直な感想です。
JAL運航の夜便利用で楽しめるラウンジ
JALがバンコクから日本に運航する、
- JL34(羽田行き) 22:05発
- JL728(関西行き) 22:55発
- JL718(成田行き)23:25発
- JL738(名古屋行き)00:55発
とった4つの夜便を利用する場合、チェックカウンターでチェックインの手続きが開始されるのが19時05分ということを考えても、
ワンワールドのステイタス
- サクララウンジ:5時45分から8時30分まで、18時から23時30分まで
- キャセイパシフィック航空ラウンジ:4時から18時20分まで
プライオリティパス
- オマーン航空ラウンジ:5時から20時30分まで
- エールフランス-KLM スカイラウンジ:24時間営業
- ブルーリボンクラブラウンジ:4時30分から22時まで
- ミラクルラウンジ(9ヶ所):24時間営業
という営業時間でサービスが提供される14ヶ所のラウンジのうち、4時から18時20分まで営業のキャセイパシフィック航空ラウンジを除く、大半の13ヶ所のラウンジが利用可能です。
夜便利用時の主役はプライオリティパスでアクセス可能なラウンジ
朝便利用では問題なく利用可能で、大活躍してくれたキャセイパシフィック航空ラウンジも、19時05分からようやくチェックカウンターでチェックインの手続きが開始される夜便利用時には、利用できないことには要注意。
そのため、それ以外のラウンジの活用を考えなくてはいけません。
その中で頼りになるのが、プライオリティパスで利用できるタイプのラウンジです。
具体的には、
- オマーン航空ラウンジ(オマーン航空)
- エールフランス-KLM スカイラウンジ(エールフランス)
- ブルーリボンクラブラウンジ(バンコクエアウェイズ)
といったそれぞれ異なる航空会社によって運営されているラウンジはもちろん、スワンナプーム国際空港のコンコースのあちこちに点在する、
- ミラクルラウンジ(9ヶ所)
も、それぞれが異なるデザインやサービス内容で用意され、利用者の好みや実際に利用する搭乗ゲートによって使い分けられるようになっているのは好印象。
これらのプライオリティパスで利用可能なラウンジのうち、夜便利用時に注目し、特に気に入っているのが、ミラクルラウンジ。
なぜなら、空港のコンコース内のあちこちに用意されていることで利用しやすいのはもちろん、それぞれのラウンジで提供されているサービスによっての使い分けが容易だから。
例えば、コンコースDにあるミラクルラウンジでは、上の写真のようなタイ料理が作りたてのものが提供されるオーダーメニューとして用意され、タイを離れる前の食事として、じっくり楽しめるようになっています。
一方で、同じ名前のミラクルラウンジでも、位置するコンコースによっては、照明が抑えられ、ゆったりと寛げるソファーも用意されているにも関わらず、あまりに立ち寄る利用者が少ないのか、ガラガラ状態で空いているということも。
そういったミラクルラウンジ間の特長や個性を知ることで、目的に応じたラウンジの使い分けが容易なことにも嬉しいと感じる方もいらっしゃるかもしれません。
ちなみに、これらのプライオリティパスで利用可能なラウンジの中では、オマーン航空ラウンジが食事の品質やラウンジ内のインテリアなどで最も好印象です。
ただし、営業時間が20時30分までということで、JAL運航の夜便を利用する限り、オマーン航空ラウンジだけでラウンジ利用を完結できないのは少し残念な部分。
また、24時間営業はもちろん、提供される料理の種類が豊富なエールフランス-KLM スカイラウンジも良質なラウンジとは思うものの、使い分けでの活躍を含め全体的なバランスがより良好と感じる同じ24時間営業のミラクルラウンジの方に足が自然と向くというのが正直な部分です。
ラウンジアクセスと混雑回避に役立つオンラインチェックイン(Webチェックイン)
このようにして、朝便と夜便で異なるおすすめなラウンジですが、夜便だからといって、チェックインカウンターでのチェックイン手続きが開始される前に営業が終了してしまうキャセイパシフィック航空ラウンジを絶対に利用できないわけではありません。
なぜなら、オンラインチェックイン(Webチェックイン)を行い、ホームプリント搭乗券やモバイル搭乗券といった利用者自身がチェックインカウンターに立ち寄らずに用意できる種類の搭乗券を所持している場合、空港到着後はいつでも保安検査場と出国審査場に向かうことができるから。
そうすることで、夜便の利用でも、チェックインカウンターでの手続きが開始される19時05分よりも前にラウンジのある制限エリアを訪れることが可能になり、キャセイパシフィック航空ラウンジの営業が終了する18時20分までは、そこでの時間を過ごすことも可能になります。
また、おまけの効果として、チェックインカウンターでのチェックイン手続き開始直後には、多くの利用者が保安検査場やその後に続く出国審査場に殺到による混雑が発生してしまうのですが、その混雑の前に保安検査場と出国審査場を通過し、制限エリアに到達できるというのも嬉しいメリットです。
ただし、オンラインチェックインを利用する場合、
- 預入荷物がなく、機内持ち込み荷物のみでの利用
- インボラアップグレードを含めた何らかのエラーが予約済みの航空券に発生していない
などの条件を満たす必要があるのは要注意。
逆に、こうした条件を満たせない場合には、19時05分のチェックインカウンターでのチェックイン手続き開始を待ち、その後、制限エリアを訪れることになりますから、その時にはすでにキャセイパシフィック航空ラウンジの営業終了は避けられない状況になってしまいます。
まとめ
このように出発便の時間によって利用できるラウンジの選択肢に加え、おすすめできると感じるラウンジの種類自体が変わってしまうバンコクのスワンナプーム国際空港。
それもまた、利用可能なラウンジを多く有するスワンナプーム国際空港の懐の深さを物語っている特長の1つと言えるのかもしれません。
個人的には、同じJAL運航でも朝便利用時にはキャセイパシフィック航空ラウンジ一択で、夜便利用時にはミラクルラウンジを中心としたプライオリティパスでアクセス可能なラウンジの使い分けというように愛用中で、とても気に入っています。
もちろん、利用する便はもちろん、利用者の方の好みやラウンジに求めているものの優先順位によっても、ベストと言える最適なラウンジの活用方法は大きく異なるでしょうから、せっかくの機会を活かして、好きなラウンジをスワンナプーム国際空港の中で探してみるのも、なかなか楽しく、おすすめだと思いますよ。
コメント