JALがサービスを提供する中でも最も上位に位置するファーストクラスラウンジ。
実際、世界中に数多くの就航地を持つJALでも、
- 羽田空港国際線ターミナル ファーストクラスラウンジ
- 成田空港第2ターミナル本館 ファーストクラスラウンジ
- 成田空港第2ターミナルサテライト ファーストクラスラウンジ
- フランクフルト空港第2ターミナル ファーストクラスラウンジ
というように、わずか4ヶ所を運営するのみ。
これは、国際線向けビジネスクラスラウンジ相当のサクララウンジが、
- 羽田空港(2ヶ所)
- 成田空港(2ヶ所)
- 中部空港
- 関西空港
- ホノルル空港(2ヶ所)
- フランクフルト空港
- サンフランシスコ空港
- マニラ空港
- バンコク空港
というように合計12ヶ所も運営されていることを考えると、その特殊性が際立っていると感じるほど。
そうした特長を反映してか、ファーストクラスラウンジでは、国際線ファーストクラスの利用者や有償での搭乗を積み重ねたワンワールドエメラルド相当の上級会員を対象者とし、内部にはその厳しい入室条件に見合うような特別なサービスの用意された空間が広がっています。
目次
羽田空港国際線ターミナルJALファーストクラスラウンジリニューアル工事
そんなJALが運営するファーストクラスラウンジのうちの羽田空港国際線ターミナル112番ゲート近くにあるファーストクラスラウンジで、リニューアル工事が行われることになりました。
それに伴いサービスに変更が加えられることになったのですが、具体的には、
- 2019年10月29日から2020年3月末まで工事のためファーストクラスラウンジは閉鎖
- 閉鎖後、ファーストクラスラウンジ利用対象者向けには114番ゲート近くにあるサクララウンジスカイビューを用意
- サクララウンジスカイビューは2019年10月29日にリニューアルオープンの新しいラウンジ
- サクララウンジスカイビューは元々のファーストクラスラウンジ利用者に加え、ビジネスクラス利用者も利用可能
- サクララウンジスカイビュー内ではジョンロブによる靴磨きサービスも提供されるものの、ビジネスクラス利用者は対象外とし、元々のファーストクラスラウンジ利用対象者のみ利用可能
といった内容になりました。
個人的には、元々のファーストクラスラウンジ利用者向けに用意された代替ラウンジのサクララウンジスカイビューに、ビジネスクラス利用者が入室できるようになった一方、
- JMBサファイア会員
- JALグローバルクラブ会員
- ワンワールドサファイア会員
- プレミアムエコノミー利用者
- エコノミークラスフレックス運賃(普通運賃)利用者
など、それまでビジネスクラス利用者と同等のラウンジサービスが提供されてきた対象者がはっきりと区別されるようになったのが興味深いと感じる部分です。
ラウンジ利用に便利な出国審査場が変更
今回のJALファーストクラスラウンジリニューアル工事の期間中、すべてのラウンジ利用者にとって気をつけなくてはいけないことの1つが、ラウンジを利用する際に便利な出国審査場が変わってしまうということです。
というのも、羽田空港国際線ターミナルには、
- JALチェックインカウンター(F、G、H)最寄りの出国審査場(中央)
- 他社チェックインカウンター(L)近くの出国審査場(北)
の2種類が用意されているのですが、それぞれの出国審査場を通過した後に近いゲートは、
出国審査場(中央):
- 110番ゲート
- 111番ゲート(出国審査場出口正面)
- 112番ゲート(JALファーストクラスラウンジ最寄りゲート)
出国審査場(北):
- 112番ゲート(JALファーストクラスラウンジ最寄りゲート)
- 113番ゲート(114番ゲートの隣のゲート)
となっていて、114番ゲート近くにあるサクララウンジスカイビューへは、出国審査場(北)が近く、逆に出国審査場(中央)は遠回りになってしまう可能性があるから。
実際、我が家でも、リニューアル工事が始まる前であれば、チェックインカウンターでの手続き完了後すぐにアクセス可能なだけではなく、一部時間帯によって閉鎖される出国審査場(北)とは異なり常に利用可能というメリットを持つ出国審査場(中央)をメインの出国審査場として頼りにしてきました。
しかし、ラウンジで寛ぐことを前提とした出国審査場の選択では、最短ルートでの移動が可能な出国審査場(北)の利用も検討する価値がありそうです。
ただし、夜遅くなど、出発便が多くはない時間帯には、出国審査場(北)での優先レーンの提供が休止されるだけではなく、保安検査と出国審査などの肝心のサービス自体も提供されなくなることもありますから、空港内があまり混雑していない時の利用の前には、チェックインカウンターなどの地上係員の方などに出国審査場(北)のサービス提供状況などを簡単に確認してみるのもおすすめと言えるはず。
工事による閉鎖が原因のラウンジ内の混雑
こうしたラウンジでのリニューアル工事が行われる時に心配しなくてはいけないリスクの1つがサクララウンジスカイビューを含めたラウンジ内の混雑です。
なぜなら、本来は羽田空港国際線ターミナルにJALによって用意された、
- ファーストクラスラウンジ(112番ゲート近く4階)
- サクララウンジ(112番ゲート近く4階)
- サクララウンジ(112番ゲート近く5階)
- サクララウンジスカイビュー(114番ゲート近く5階)
という4ヶ所のラウンジで利用者の需要を受け止めていたのですが、2019年10月29日以降は、
- サクララウンジスカイビュー(ファーストクラスラウンジ代替。114番ゲート近く5階)
- サクララウンジ(112番ゲート近く5階)
- SKY LOUNGE ANNEX(114番ゲート近く4階)
といった3ヶ所のラウンジラインナップで対応するしかないから。
もちろん、ラウンジの数で単純に対応可能なラウンジ利用者数を比較することはできないものの、羽田空港のJAL運営ラウンジでも、特に大きなスペース面でのゆとりを誇り、ある種のメインとなっていた、
- ファーストクラスラウンジ(112番ゲート近く4階)
- サクララウンジ(112番ゲート近く4階)
の2ヶ所が閉鎖という事実は、個人的に混雑に対しての不安を生み出すには十分なものです。
そうした混雑によって、
- (繁忙期を中心に)座ることのできる空席が見つからない
- ラウンジ内で提供される料理や飲み物の補充が間に合わず、食事を十分楽しめない
- 飲食を楽しむことのできるのがダイニングエリアだけに限定されてしまう
などのファーストクラスラウンジらしくないデメリットに直面してしまうかもしれません。
特に、羽田空港の国際線ターミナルには、JALが加盟するワンワールドのラウンジとして、JALが運営するものを除くと、キャセイパシフィック航空のラウンジがあるのみとかなり手薄。
しかも、その営業時間は7時30分から17時までに限られ、JALがする運営ラウンジが持つ、
- サクララウンジスカイビュー:6時から翌日2時45分
- サクララウンジ:6時から12時、21時から翌日1時30分
- SKY LOUNGE ANNEX:6時から翌日2時45分
という幅広い営業時間全ての混雑をカバーすることはできないようになっています。
また、サクララウンジスカイビューがファーストクラスラウンジの代替ラウンジとしての性質を強く持つ一方で、本来はファーストクラスラウンジ利用の対象外となっていたビジネスクラス利用者が、サクララウンジスカイビューの利用対象者に加えていることも混雑の面での多少の影響は考えられます。
さらには、混雑緩和目的としては、これまで羽田空港でJALファーストクラスラウンジを利用可能だった航空会社運航便利用者が
- ファーストクラスラウンジ代替のサクララウンジスカイビューは利用不可として扱われ、ラウンジサクララウンジのみの利用に制限
- そもそもJALが運営するラウンジは利用不可として扱われ、空港が運営する共用ラウンジなどの利用に制限
といった対応もつい最近の2019年9月30日までリニューアル工事が行われていた成田空港での経緯から警戒する必要があるかもしれません。
実際、その当時の成田空港では、JAL便名のJAL運航便以外はJAL運営のラウンジの利用を拒否され、それ以外の航空会社利用では、せっかく本来はファーストクラスラウンジを利用できる条件を満たしていても、他の航空会社のビジネスクラスラウンジを利用するしかないなどの数々の悲劇(?)も生まれましたから。
深刻なシャワーサービスのサービス品質低下
そうした混雑が同じ様に悪影響を与えることが予想されるのが、ラウンジ内で提供されるシャワーサービスです。
というのも、ファーストクラスラウンジの代替として提供されるサクララウンジスカイビューには、シャワールームの用意がなく、シャワーを利用したい場合には、
- サクララウンジ(114番ゲート近く5階から112番ゲート近く5階への移動が必要)
- SKY LOUNGE ANNEX(114番ゲート近く5階から同じ114番ゲート近く4階への移動が必要)
のいずれかを利用することになっていて、どちらのラウンジのシャワールームを利用する場合でも、一度サクララウンジスカイビューの外に出て、別の階や別のゲート近くにあるラウンジを訪れる必要があるということになります。
しかも、限られた数のシャワールームをサクララウンジ利用者と共有する形になりますから、シャワールームの予約自体が困難になり、ラウンジを訪れた時間と出発時間の組み合わせによっては、出発前に利用したいと思っていたシャワーを時間切れで利用することなく出発しなくてはいけない可能性も。
ちなみに、2019年9月30日まで羽田空港と同様のリニューアル工事が行われていた成田空港のファーストクラスラウンジでは、シャワールームの工事終了までサクララウンジのシャワールームを間借りしていた状態だったのですが、繁忙期を中心にその混雑度合いは凄まじく、同じターミナル内にあるワンワールドに加盟する航空会社のラウンジに避難し、そこでシャワーを利用する方が現実的とすら思える状況も発生していました。
また、現時点では、ファーストクラスラウンジ利用者向けの専用シャワールームの用意などのアナウンスもないため、このままの形でのサービス提供となると、ファーストクラスラウンジのシャワールームで提供されてきた嬉しいサービスの1つ、今治タオルのタオルセットが用意されない悲しい事態もリスクとして考える必要がありそうですね。
羽田空港ファーストクラスラウンジの特長、鉄板ダイニングサービスの行方
羽田空港のJALファーストクラスラウンジを利用する上で楽しみなのが、鉄板ダイニングと呼ばれる、ラウンジ内でシェフが注文を受けた後に、作りたての料理を提供してくれるライブキッチンサービスの存在です。
朝食時間帯と夕食時間帯、さらには、利用する月によってメニューが異なるものの、
朝食時間帯:
- JALオリジナル ライ麦ガレット
- JAL特製パンケーキ
夕食時間帯:
- 上ミスジ カットステーキ JALオリジナルトリュフ風ソース
- 上ミスジ カットステーキジャポネソース
- JAL特製ハンバーグ マデラ&トリュフソース
- 真鯛のポワレ トマトソース
- 羽田市場直送 スズキのポワレ ケッカソース
- 土佐はちきん地鶏のグリル 田野屋塩二郎氏の太陽結晶塩を添えて
- JAL特製鉄板ビーフバーガー
というようなラインナップで、なかなか楽しめる鉄板焼料理の数々が提供されてきました。
しかし、こうした料理が提供される鉄板ダイニングはそのサービス自体がリニューアル工事が完了する2020年3月末まで休止することになります。
個人的には、ファーストクラスラウンジ内でこうしたライブキッチンサービスが提供されないという状況はとても寂しいと感じるため、代替ラウンジとして用意されたサクララウンジスカイビューでも提供してほしいと思うのも正直な部分。
ただ、サクララウンジスカイビューという名前からも分かるように、一時的にファーストクラスラウンジの代わりとて用意されたあくまでサクララウンジですから、鉄板ダイニングのサービス提供に必要な特別な設備を用意するのは現実的ではないのかもしれませんね。
ファーストクラスラウンジ限定料理&ローランペリエ含むアルコールラインナップ
代替ラウンジでの鉄板ダイニングの提供が行われないとなると、心配になるのは、サクララウンジスカイビューではどのような料理や飲み物が提供されるのかということです。
実際、ファーストクラスラウンジとビジネスクラスラウンジ相当のサクララウンジでは、提供される料理については、JAL特製ビーフカレーを含め、7割前後の多くの部分で共通したものが提供されているものの、残りの3割前後ではファーストクラスラウンジ限定のものが用意されているなど、確かな違いは設けられています。
さらに、飲み物についてはアルコールを中心にファーストクラスラウンジとサクララウンジでは大きく異る種類のものが用意され、ファーストクラスラウンジのアルコールは高品質なラインナップとして形作られています。
その象徴の1つがJALではファーストクラスラウンジ限定で用意されているシャンパン、ローランペリエ。
このローランペリエは月替りで提供されるシャンパンとは別にファーストクラスラウンジでの常設として用意されている一本で、これをファーストクラスラウンジ内で味わってから海外に飛び立つのを楽しみにしている方も多いはず。
これについては、私がラウンジスタッフの方に最近問い合わせた限りでは、その時点の見込みとしてファーストクラスラウンジの代替となるラウンジでは通常のサクララウンジとは異なるファーストクラスラウンジ相当の料理や飲み物を提供する予定なものの、確定ではないという回答でしたから、このあたりは2019年10月29日以降に実際のサクララウンジスカイビューを訪れてみてのお楽しみですね。
同伴者が影響を受けるジョンロブの靴磨きサービスの制限
リニューアル工事に伴ってファーストクラスラウンジの代わりとして用意されたサクララウンジスカイビューですが、ファーストクラスラウンジの代替ラウンジとしてはとても意外に変化が加えられました。
それが、元々ファーストクラスラウンジ利用は対象外でサクララウンジを利用することになっているビジネスクラス利用者がサクララウンジスカイビューを利用できること。
ただし、ビジネスクラス利用者がサクララウンジスカイビュー内で提供される全てのサービスを自由に利用できるのかというとそうではありません。
実際、ジョンロブによる靴磨きサービスは、
- 国際線ファーストクラス利用者
- JMBダイヤモンド
- JGCプレミア
- ワンワールドエメラルド
といった元々ファーストクラスラウンジを利用できる対象者のみが利用可能で、ビジネスクラス利用者として入室した場合は、サービス対象外になってしまいます。
こうした制限は、ファーストクラスラウンジの代替ラウンジとしての満足度低下を軽減する目的では有効な一方、ファーストクラスラウンジを利用できる対象者の同伴者として入室したビジネスクラス利用者の場合には、靴磨きサービスを受けられるのか、靴磨きサービスの対象外なのかわかりにくくなるのはデメリット。
そのため、JAL側が厳密なチェック体制を求めるのであれば、ファーストクラスラウンジを元々単独で利用できる、
- 国際線ファーストクラス利用者
- JMBダイヤモンド
- JGCプレミア
- ワンワールドエメラルド
といった対象の同伴者がサクララウンジスカイビューに入室する時には同伴者としての入室を示す専用のスタンプなどが押印されたり、靴磨きサービスの受付が行われる時の搭乗券チェックでは、一緒に入室したラウンジ利用対象者の搭乗券を同伴者の搭乗券と一緒に提示する必要が生じるなどの一手間が加わる対応が行われるかもしれないと個人的には予想しています。
特別なローランペリエ ロゼの提供時期と新ファーストクラスラウンジオープン
2020年3月末オープン予定の新しい羽田空港国際線ターミナルのファーストクラスラウンジですが、このオープンに時期には、いくつかの特別なイベントが重なったりする可能性が高いと個人的には予想しています。
その特別なイベントというのが、
- ファーストクラスラウンジのオープン
- 桜の時期限定の特別なローランペリエ ロゼの提供
の2つ。
ちなみに、2019年4月1日に行われた成田空港第2ターミナル本館4階のファーストクラスラウンジリニューアルオープンでは、
2019年3月31日
- シアトル線新規路線就航
- 新規就航セレモニーにイメージキャラクターの阿部寛さんが参列
- 阿部寛さんが各種メディアと共にオープン前日のファーストクラスラウンジ内覧会にもそのまま参加
2019年4月1日
- ファーストクラスラウンジリニューアルオープン
- ファーストクラスラウンジでのローランペリエ ロゼの提供開始
という流れでした。
そのため、2020年3月に予定されている羽田空港ファーストクラスラウンジのリニューアルオープンも、記念すべき日をお祝いするため、ローランペリエ ロゼの提供開始と同じタイミングで行われると予想しています。
つまり、羽田空港ファーストクラスラウンジのリニューアルオープンの日付が発表される前にローランペリエ ロゼの提供開始日が発表されたのなら、そのローランペリエ ロゼの提供日がそのままラウンジのリニューアルオープンの日となる可能性が高いと、個人的には考えているということです。
まとめ
2019年10月29日から2020年3月末まで約5ヶ月前後に渡って行われる羽田空港国際線ターミナルファーストクラスラウンジのリニューアル工事。
2020年3月にはANAが羽田空港の拠点としている第2ターミナルで国際線発着機能が供用するようになり、現在の国際線ターミナルはその名前を第3ターミナルに変えるなど、なかなか大きな変化が生じている中でのリニューアルオープンが予定されています。
それまでの工事期間は様々な部分で羽田空港のファーストクラスラウンジの機能が制限され、サービス品質の低下や不便が予想されるため、目的地や出発時間帯、運賃などの面で、可能なのであれば、フルサービスのファーストクラスラウンジを楽しめる成田空港からの出発を選択してみるなどの選択も重要になるはずです。
次の5年間、あるいは10年間も色褪せずにファーストクラスラウンジとしての輝きを保ち続けられるようなリニューアルの完了を今から楽しみにしたいですね。
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