JALマイルの使い道で最も価値があるものと言えば、それは間違いなく国際線特典航空券でのファーストクラス予約。
もちろん、必要マイル数が膨大なものだったり、特典航空券として提供される席数が元々大きく制限されていたりと、予約完了までのハードルはとても高いものの、それでも日本を代表する航空会社の1つであるJALが最も理想とするサービスを受けられるのがその国際線ファーストクラスですから、とても魅力的なことに変わりはありません。
目次
ファーストクラスカウンターでのチェックイン
そんなJALファーストクラスでの旅は赤絨毯の敷かれた専用のチェックインカウンターでの手続きから始まります。
それほど多くはない利用者対象者数に対して、十分な数のカウンターが用意されるため、基本的に待たせることがありません。
それは他の航空会社にチェックイン手続きが委託されている海外の空港でも同様で安心感があります。
チェックインを完了すると、機内に持ち込む荷物には特長的なファーストクラス利用者用のタグが取り付けられ、これにて搭乗の準備は完了。
JALファーストクラスラウンジ
チェックインを終え、保安検査や出国審査を終えた後で必ず訪れたいのは制限エリア内のラウンジ。
羽田空港や成田空港を出発するファーストクラス利用者は、サクララウンジの上位にあたるファーストクラスラウンジへのアクセスが提供されます。
ラウンジインテリア
羽田空港のJALファーストクラスは左官職人としても著名な挾土秀平氏によるアート作品がエントランス部分に鎮座。
空の青と飛行機雲の白をイメージしたとされる2色の対比が美しく、近づいてみるとその左官の仕事による独特な優しい質感にも魅了されます。
このファーストクラスラウンジの魅力の1つがゆったりとしたスペースに様々な種類の椅子とテーブルが用意されていること。
食事をじっくり味わったり、おしゃべりを楽しんだり、仕事や作業に集中したりと、それぞれの利用者が好きなように過ごせる自由度があります。
食事と飲み物
気になる料理や食べ物は十分な種類と分量が配置済み。
有名なJAL特製オリジナルビーフカレーも早朝朝6時のラウンジ営業開始から楽しめます。
さらに、時間帯によって、JALオリジナルライ麦ガレット(7時から11時30分)や上ミスジ カットステーキ(17時30分から23時30分)など、シェフによるできたての料理も提供中。
飲み物もアルコール類を中心に、一般的なビジネスクラスラウンジとは一線を画する高品質なものを用意。
その中でも注目したいのは、ラウンジの最奥部、RED SUITEと呼ばれるエリアにある、ローラン・ペリエなどの少し特別なラインナップ。
特にローラン・ペリエは専用に用意されたリーデルのグラスと一緒に楽しむのが本当におすすめ。
その他の飲み物類も広いラウンジをカバーするように様々な場所に配置されていたのが印象的でした。
靴磨きとマッサージの無料サービス
JALファーストクラスラウンジで楽しめる少し特別なサービスと言えば、JOHN LOBB(ジョン ロブ)によるシューポリッシュ(靴磨き)と専門のセラピストによるマッサージ。
これらのサービスは7時からそれぞれ、シューポリッシュがRED SUITE、マッサージがリラクゼーションエリアで提供開始されるため、ファーストクラスラウンジの営業開始直後から利用できるわけではありません。
しかも、どちらも人気が高く、サービスが開始される7時前から予約待ちの列ができることもありますから、早めに並んで予約を確保できないと、利用する便の搭乗時間によってはせっかくのサービスを利用できないまま、ファーストクラスラウンジを後にするしかなくなることもあるので要注意。
マッサージは7時から11時30分、17時30分から23時30分の間、15分毎の時間帯で予約が可能で、その予約手続きが完了すると予約時間の印刷された専用のカードが手渡されます。
その予約時間の1~2分前にマッサージ受付を訪れると、専門のセラピストによる約10分間のマッサージが受けられるというサービス。
メニューは頭部、首、肩、背中、腰、足、足裏など身体の全身を対象にしていて好きな部分へのマッサージを選べるのはもちろん、時間内であればそれらの組み合わせによるある程度のアレンジも可能。
丁寧に注意深くマッサージが行なわれるためか、約10分間とは言え、なかなか満足度は高く、おすすめのサービスの1つです。
ちなみに、マッサージの予約時には、搭乗券を提示して、氏名や性別、便名、目的地、出発時間などの情報の登録が行なわれますから、1人につき1回までのサービス提供となるだけではなく、同行者に自分の分のマッサージも合わせて受けてもらうというような利用も原則制限されています。
混雑してきたらワンワールドラウンジへ移動
そうしたゆったりとしたスペースで少し特別で上質なサービスが提供されている羽田空港のJALファーストクラスラウンジも営業開始から時間が経過するに従って、混雑してくるようになります。
そんな時に羽田空港で利用したいのが、キャセイパシフィック航空ラウンジ。
このラウンジは、JALを含めたワンワールド加盟航空会社の運航するファーストクラスの利用者はもちろん、ビジネスクラス利用者も無料で入場可能なラウンジです。
しかも、特典航空券でもファーストクラスやビジネスクラスでの予約であれば、利用に制限は受けません。
ビジネスクラスラウンジ相当ながら、このラウンジでも専属スタッフによる注文してから調理してもらえる作りたての料理が提供中。
上の写真は坦々麺、雲呑麺、フレンチトーストを大人3人でオーダーした時のもの。
いずれも優しい味付けでおいしいのですが、この中ではフレンチトーストが特におすすめです。
羽田空港と成田空港、フランクフルト空港以外にはないJALファーストクラスラウンジ
羽田空港と成田空港、そしてドイツのフランクフルト空港以外にはJALファーストクラスラウンジは用意されていないため、基本的には、サクララウンジや提携している航空他社のラウンジを指定ラウンジとして案内されます。
ただ、ワンワールド加盟の航空会社が数多く就航している空港の場合、指定ラウンジ以外にも魅力的なラウンジが多く設置され、それらが利用可能なこともありますから、羽田空港でのファーストクラスラウンジとキャセイパシフィック航空ラウンジのように、使い分けしてみるのもありですね。
せっかくファーストクラスの搭乗券を持っている場合、一部の例外を除いてワンワールドに加盟する航空会社が運営するラウンジはほぼ全てフリーパスで入場できるわけですから。
ファーストクラスの優先搭乗
搭乗時にもファーストクラス利用者に対する優先や優遇は優先搭乗としてしっかり提供されます。
羽田空港の場合、ゲート前でJMBダイヤモンド、JGCプレミア、ワンワールドエメラルドといった上級会員の中でも特に上位として優先される方々と同じ列にファーストクラス利用者は並ぶことに。
また、海外の空港の場合は、ファーストクラス利用者だけをそうした上位の上級会員の方々よりもさらに優先することも。
その方法としては、ファーストクラス専用の列を用意するというオーソドックスなもの。
さらに優先搭乗を徹底したものとして、ファーストクラス利用者専用の待合エリアを用意するといった方法もありました。
もちろん、ボーディングブリッジはファーストクラス専用。
そのまま飛行機の前方のファーストクラスのあるエリアに直結しています。
ファーストクラスシート JAL SUITE
そうして搭乗した機内にはファーストクラスの特長的でゆったりとしたシート。
座った状態でも開放感すら感じられるのは嬉しいですね。
しかも、足元のスペースも広く、機内持ち込みのスーツケースなら楽に広げて、シートに座ったままちょっとした荷物の整理も可能なほど。
その広い足元のスペースを荷物の置き場所としても活用できるため、利用する機会は少ないのですが、頭上の荷物入れも他の人との共有を考える必要が無いくらい、広く使えるのはファーストクラスだからこそですね。
シートに座った時に正面にある個人用のモニターは23インチの大型で、前後や左右の位置調整や角度調整はできないものですが、十分な大きさで画質も良いため、快適に利用可能です。
その快適性を活かして、劇場でしか公開されていない最新の映画などを早戻しや早送りなども駆使しながらじっくり楽しむための最高の環境の1つとして、とても気に入っています。
ファーストクラスアメニティ
搭乗前からシートに用意されているアメニティは時期によって変更されるものの、品質も良好で実用性も十分なものが用意されています。
特に、JALでは有名なブランドとのコラボレーションが行なわれていて、昨年度まではロエベが採用され、今年度からはそれがポルシェに変更されています。
メインのポーチの他には、男性と女性のそれぞれに別々のスキンケア用品のセットや使い捨てで専用のスリッパ。
さらに、各種入国書類や優先チケット、ファーストクラス利用者用の無料Wi-Fiクーポン、機内食メニューやワインリストなども用意されています。
この中で、要注意なのは無料Wi-Fiクーポン。
なぜならこのクーポンは搭乗便でのみ、18.80USD相当のインターネット接続サービスが無料で利用可能となっているのですが、実際には数ヶ月後に他の種類の飛行機で運航されている他の目的地間を結ぶ路線でも無料での認証が可能でした。
そのため、ファーストクラス搭乗時には機内でインターネットを利用しなかった場合でも、今後に備えて持ち帰る価値ありです。
ファーストクラスの機内食
ファーストクラス搭乗時の重要な楽しみといえば、やはり機内食。
しかも、同じ機内食と言っても、エコノミークラスはもちろん、ビジネスクラスさえもあっさりと上回る品質の料理がコースとして提供され、機内食と呼ぶのさえ困惑してしまうほど。
このファーストクラスでの機内食は事前に電話やJALホームページからの予約可能なだけではなく、ちょっとした自分好みへのアレンジを事前にお願いすることも可能。
特に、提供する時間やコース料理の順番を変えたりといったことから始まり、苦手な料理を省略してもらったり、和食と洋食間のメニューの一部入れ替えなどのアレンジは、高品質なファーストクラスでの食事の満足度をさらに高めてくれますから、積極的に利用が本当におすすめ。
ただし、同じファーストクラスでも、出発する時間帯や出発する空港によって、機内食のサービスが大きく変化してしまうことには要注意です。
特に、海外出発便や中距離線、深夜出発便などは、日本発の長距離線昼行便に比べて、メニューが選べず1種類のみだったり、自由に選べるアラカルトの種類が数分の1しか提供されていないなど、本当に同じファーストクラスの機内食なのかと驚くような機内食の内容になってしまうことも。
そうしたケースもありますから、搭乗前にあらかじめメニューを確認しておくのは驚かずに済む意味でも重要かもしれませんね。
ちなみに、JALホームページ上で、正式に国際線機内食のメニューが発表されるのは、出発の1ヶ月から2ヶ月前ですから、そのくらいの時期になったら忘れずにアクセスしての確認がおすすめです。
希少なサロンと高級アルコールの数々
JALファーストクラスの忘れてはいけない特長の1つといえば、航空会社として唯一機内での提供が行なわれているシャンパン、サロンの存在。
このサロンは、とても貴重なシャンパンなのはもちろん、心地よさとすっきり感を併せ持った飲みやすさ、そこに加わる上質で豊かな香りと味わいの持つ力強さが魅力で、普段あまりシャンパンを含めたスパークリングワインを飲まない方でも楽しめるような高品質なワインだと感じています。
また、搭乗する時期によっては、前シーズンのサロンが少量だけ搭載されていて、客室乗務員の方に、ワインリストに掲載されていないアルコールについて質問すると、飲み比べの提案を受ける幸運な機会も。
さらに、サロン以外のアルコールも希少で高価なだけではなく、飲みやすさや個性などを感じ楽しめるものが揃えられ、あれこれと少しずつ試して、自分好みの製品を探すのもファーストクラスでの楽しい時間の過ごし方になるはずです。
ユニークなおつまみとスイーツ、アラカルト
また、高品質なアルコール類と一緒に自由に楽しめるおつまみなども充実しているのは嬉しいポイント。
特に、2017年3月に惜しまれながらも提供が終了することになった、浜干し甘えびは、甘えびを1尾まるごと天日干しにした特長的なおつまみで、とても気に入っていました。
そうしてファーストクラスで味わったことがきっかけで、ファーストクラスから姿を消してしまった今でも、時々我が家でもメーカーの越前水産・越前田村屋から直接取り寄せているほど。
一方のスイーツ類もジャンポールエヴァンなどの高品質でおいしいブランドのものが用意されていて、アラカルト的に注文するのもおすすめ。
さらに、一部の路線では、持ち帰りが可能な形でジャンポールエヴァン製のチョコレートなどが用意されていて、目的地に到着後、飛行機を降りてからのお楽しみとしても嬉しいものです。
また、メインの食事が終わりが近づく頃になると、ギャレーにはアルコールを含むちょっとした飲み物とおつまみなどが準備されたコーナーも用意。
もちろん、それ以外にもアラカルト形式で各種ラーメンやスタンダードな握り寿司、ユニークな丼物などを好きなタイミングで注文も可能になります。
リラクシングウェアと着替え方
通常、食事が終わると客室乗務員の方におすすめされるのが、リラクシングウェア(パジャマ)への着替え。
というのも、JALファーストクラスでは無料で持ち帰り可能なリラクシングウェアが提供され、それに着替えた状態で機内での時間を過ごせるから。
ちなみに、リラクシングウェアのサイズは客室乗務員の方が適切なものを選んでくれるので、利用者側で指定する必要はありません。
着替えは前方左側のトイレを利用するのですが、中は通常のトイレよりも広くスペースが確保され、座ったり足を置くための収納式の台が用意されています。
そのため、無理なくスムーズな着替えが可能。
また、リラクシングウェアに着替える前に来ていた服は、リラクシングウェアが入っているポーチに入れるなどして、客室乗務員の方に保管してもらうこともできます。
エアウィーヴを使ったベッドメイキング
そうしてリラクシングウェアに着替えて自分のシートに戻ってくると、そのシートは客室乗務員の方の手によって、ベッドメイキングされた状態になっているはず。
利用されているマットレスはエアウィーヴ製で、表と裏で固さの異なる特注品を採用。
そのどちらの固さを選ぶべきなのかは、普段からは高反発マットレスなどや固めのマットレスや布団を利用されている方は固めの方、そうではない方は柔らかめの方を、客室乗務員の方にベッドメイキング時の希望として伝えるのがおすすめです。
森伊蔵の最優先機内販売
また、ファーストクラス利用者の特典として提供されているサービスの1つに、幻の焼酎として有名な森伊蔵の優先機内販売があります。
この森伊蔵は毎年3月から在庫がなくなる夏ごろまでの期間限定で、ファーストクラスとビジネスクラス利用者限定の機内販売として、定価での提供が1人1本までの制限付きで行なわれているものです。
ただし、1つの便に搭載されている本数は限られているため、せっかくビジネスクラスを利用しても購入希望者の人数によっては、購入できないことがあるほど。
しかし、ファーストクラス利用者は、搭乗の時点で森伊蔵の在庫が確保され、基本的に森伊蔵の購入を希望したのに購入できないということはありません。
しかも、JALカードを利用すると、市場価格からは信じられないほど安価な3,200円の定価から10%引きになってしまうお得度です。
さらに、在庫量や購入希望者の人数によっては、1人で2本以上の購入が可能になることもあるのですが、その際にもファーストクラス利用者は優先的に取り扱われるため、複数本以上の森伊蔵の購入でとても有利になります。
この森伊蔵はすっきりとした飲みやすさとおいしさが非常に魅力的な焼酎で、自宅で楽しむ目的でも、かなり満足度の高い自分へのお土産ですが、お酒な好きな方への贈り物としてもその本領を発揮する本当に喜ばれる一品。
そのため、ファーストクラスを利用した時に森伊蔵の機内販売が行われているのなら、客室乗務員の方に森伊蔵の購入をお願いし、「もし可能なら無理のない範囲で」という条件つきで複数本の購入をリクエストしてみるのもおすすめです。
その場合、ビジネスクラスでの森伊蔵の販売本数が確定する食事などのタイミング以降に最終的な購入可能数を教えてもらえることになるはず。
JALファーストクラス搭乗の終わりに
すべてが快適なサービスによって支えられたファーストクラスでの時間は、エコノミークラスやビジネスクラスと時間の流れ方すら違うのではないかと思うほど、あっという間に過ぎ去ってしまいます。
また、10時間を超えるフライトでも特に疲労感を感じず、逆にしっかりと眠れたという充実感を感じることも多いはず。
不思議な感覚を感じる着陸の1時間ほど前のタイミングまでには、リラクシングウェアを着替え、客室乗務員の方にシートを通常状態に戻してもらい、少しずつ着陸に向けた準備を開始します。
最後にファーストクラスらしさを実感することになるのは、間違いなくそれは着陸した飛行機から降りる時のこと。
着陸時は安全確認のため開け放たれたファーストクラスとビジネスクラスを隔てていたカーテンが再び客室乗務員の方の手によって閉じられ、すべてのファーストクラス利用者が準備を終え、降機が完了するまで開けられることはありません。
ここからも、ファーストクラス利用者を最初から最後まで優先的に扱い、可能な限り快適に過ごせるようにすることを目的とした客室乗務員の方々の姿勢や配慮の一端を知ることになるはずです。
コメント