有償での搭乗が特に多い利用者向けにJALが用意している上級会員ステイタスの中でも、
- JMB ダイヤモンド
- JGC プレミア
の2つには、到達するための難易度に比例しているのか、
- ファーストクラスチェックインカウンターでの優先手続き
- ファーストクラス利用者用ラウンジへのアクセス
- 国際線と国内線利用時の最優先搭乗
- 通常1回約2,000円相当の国際線Wi-Fiの年間40回までの無料利用
など、なかなか魅力的な特典が用意され、それ以外のステイタスとは大きく異なる印象を感じる方も多いはずです。
目次
JMBダイヤモンドとJGCプレミア向けの特典でも異色の存在、サービスセレクション
そんなJMBダイヤモンドとJGCプレミアを対象とした特典の中でも、異色の存在と言えるのがサービスセレクションなのは間違いありません。
というのも、このサービスセレクションは、
- 11月上旬頃に5種類ほどのコースで構成され、プレゼント内容を発表
- プレゼントの内容はJMBダイヤモンドとJGCプレミアで内容や価値が異なる
- 12月初旬頃から翌年1月31日締切でJALホームページ上から好きなコースを1つ選択可能
- 締め切りまでにどのコースも選択しなかった場合にはJAL側の選んだコースに決定
- 3月~4月初旬、実際に特典提供が実施
といった特長を持つもの。
しかも、サービスセレクションで提供されるコースは、2019年度版ですでに提供されたものを見ても、
- JALセレクション e JALポイントコース
- パートナーステイタスコース
- スマートギフトコース
- JALセレクション JALクーポンコース
- 選べるギフトコース
のそれぞれがなかなか実用的で、利用者ごとに異なる様々なライフスタイルにも対応可能な利用価値が高いものばかり。
そのため、コース選択を行う時期と合わせて、我が家ではなんとなくJALからのお歳暮のような印象を感じるお楽しみの1つになっています。
パートナーステイタスコースの魅力
そういった特長を持つサービスセレクションですが、我が家が最も気に入っているコースと言えば、それはパートナーステイタスコースです。
このパートナーステイタスコースは、このコースを選択した場合、特典対象として選んだ家族1人に、会員本人がJMBダイヤモンドなら家族にもJMBダイヤモンド、会員本人がJGCプレミアなら家族にもJGCプレミアというように、会員本人と全く同じ上級会員資格をプレゼントできるというもの。
そのため、本来はたくさんの有償搭乗を積み重ねた先にのみ提供されるはずの上級会員ステイタスが仮に搭乗実績が全く無くてもあっさり簡単に獲得できるという意味で、なかなか常識はずれの特典と言えるはずです。
しかも、特典対象のパートナーとして選択できる家族は、
JMBダイヤモンド:
- 会員本人の配偶者(同性パートナー含む)
- 子/子の配偶者
- 孫/孫の配偶者
- 兄弟/姉妹
- 父母
- 祖父母
JGCプレミア:
- 会員本人の配偶者(同性パートナー含む)
- 子/子の配偶者
- 父母
というように元々の会員本人の上級会員ステイタスによって多少異なるものの、どちらも十分実用的な範囲の家族がカバーされています。
特に、JMBダイヤモンドの場合、JGCプレミアでのパートナーステイタスコース選択時のように、対象となる家族がJGCに加入している必要はない関係上、唯一の条件となっているJALカード家族プログラムやJALファミリークラブのグループ作成を工夫さえできたなら、会員本人とパートナーステイタスコースで上級会員ステイタスを獲得した一緒に旅行する時はもちろん、
- 孫/孫の配偶者
- 兄弟/姉妹
- 祖父母
といったそれぞれが会員本人と別々に旅行を楽しむことが多い家族だけでもしっかりと上級会員ステイタスを活用できるのは大きな魅力。
実際、我が家でもパートナーステイタスコースを選択することで、2親等以内というマイルを利用した特典航空券の利用制限を超えながら、繁忙期でもほぼ確実な家族での旅行のため国内線特典航空券確保に、JMBダイヤモンドやJGCプレミア向けの先行予約サービスを便利に活用しています。
上級会員ステイタスとは別に、譲渡可能で会員本人の同行がなくても、JAL便名のフライトに搭乗する場合にはサクララウンジへの入場に利用可能なラウンジクーポンが5枚もらえるのも、家族や友人などへのちょっとした贈り物として活躍してくれるため、嬉しいポイントの1つ。
また、ラウンジクーポンと同様に、日比谷花壇提供によるフラワーギフトクーポンも一緒に提供され、ちょっとしたお花での贈り物に活躍してくれるのも気に入っています。
パートナーステイタスコースで獲得のJMBダイヤモンドと搭乗実績で獲得のJMBダイヤモンドの違い
こうしてとても便利なメリットを提供してくれるサービスセレクションのパートナーステイタスコースですが、気になることの1つが、
- 搭乗実績でJMBダイヤモンドを獲得した会員本人
- パートナーステイタスコースでJMBダイヤモンドを獲得した家族
で違いはあるのかということでした。
ちなみに、JMBダイヤモンド向けにJAL側が用意されているサービスとしては、
予約関連のサービス:
- 専用予約デスク
- 予約時の優先キャンセル待ち
- 前方座席指定サービス
- 有償国内線先行予約サービス
- 国内線特典航空券先行予約サービス
- 国内線ダイヤモンド特典航空券
搭乗関連のサービス:
- 専用カウンターでの優先チェックイン
- 空港での優先空席待ち
- 受託手荷物無料許容量の優待
- 優先保安検査場の利用
- ファーストクラスラウンジ相当のラウンジ利用
- ビジネスクラスラウンジ相当のラウンジ利用
- 国際線と国内線の利用時の優先搭乗
- 受託手荷物への優先返却タグの装着
ボーナスマイル関連のサービス:
- JAL便名での搭乗で+130%分のマイルを追加加算
- アメリカン航空便名での搭乗で+130%分のマイルを追加加算
- ブリテッシュエアウェイズ便名での搭乗で+100%分のマイルを追加加算
- イベリア航空便名での搭乗で+100%分のマイルを追加加算
その他のサービス:
- マイル有効期限の廃止
- JAL国際線機内販売事前予約
- 国際線Wi-Fiキャンペーン
- 国際線アップグレード特典 マイルバックキャンペーン
- パイロット体験 航空教室
- JALとっておきの逸品 限定商品
- 新羅免税店での優待
- “お好きな1カ月いつでも” JALグループ国内線 FLY ON ポイント2倍キャンペーン
- サービスセレクション
- JALグローバルクラブ(JGC)への入会
といったサービスが提供されているのですが、パートナーステイタスコースでJMBダイヤモンドを獲得した家族が利用できない特典は、
- “お好きな1カ月いつでも” JALグループ国内線 FLY ON ポイント2倍キャンペーン
- サービスセレクション
- JALグローバルクラブ(JGC)への入会
のみという意外な結果でした。
パートナーステイタスコースで獲得のJMBダイヤモンドに利用不可のサービス制限がある理由
では、なぜこんな結果になったのかということですが、思い当たることと言えば、この3つのサービスに共通する事柄の存在。
というのも、これら3つのサービスは翌年以降の上級会員ステイタス維持を強力にサポートしてしまうという特長を持っているからです。
そのため、もしこれらが提供対象外のサービスに設定されていなかったら、FLY ON ポイント2倍キャンペーンは搭乗での上級会員ステイタス獲得が容易になり、パートナーステイタスコースで獲得のJMBダイヤモンドを踏み台として、自分自身の上級会員ステイタスを獲得する利用者が大幅に増えてしまう可能性も。
また、サービスセレクションはその中にパートナーステイタスコースを含むため、パートナーステイタスコースで得られた上級会員ステイタス保有者が毎年別の家族をパートナーステイタスコースの対象として選択するだけで、上級会員ステイタスを保有する家族は毎年異なるものの、家族内で毎年搭乗実績無しでの永続的にJMBダイヤモンドとJGCプレミア継続が可能という奇妙な状況になってしまいます。
もちろん、JALグローバルクラブ(JGC)への入会が対象外になっているのも同様。
なぜなら、本来必要な搭乗実績を重ねずに翌年以降も継続可能なJGCに本会員として入会できるようになってしまうだけではなく、サービスセレクションのパートナーステイタスコースと組み合わせることで、本来の「本会員と生計を同一にする配偶者、両親、18歳以上の子供」というJGC家族会員の制限を大きく超えて、家族内のJGCを増加させることも可能だからです。
こうした状況は、有償航空券での搭乗実績が多い利用者を対象に様々な特典やサービスを提供するという、JAL側の「JMB FLYON プログラム」の運用方針やその狙いとは大きくかけ離れたものでしょうから、それを防ぐための制限がこっそり設けられているのも当然なのかもしれませんね。
パートナーステイタスコースで獲得のJMBダイヤモンドも活用可能なお気に入り特典
逆に、パートナーステイタスコースでJMBダイヤモンドやJGCプレミアを獲得した場合、搭乗実績で上級会員ステイタス獲得した会員本人と同様には提供されない特典でも不自然ではなく、その提供自体を意外に感じたのは、
- マイル有効期限の廃止
- 国際線Wi-Fiキャンペーン
の2つ。
まず、マイル有効期限の廃止は、パートナーステイタスコースで獲得の上級会員ステイタスが適用される、4月1日から3月31日の間、保有するマイルすべての有効期限がなくなり、マイルの失効がなくなるというのもなかなか強力なメリットなのは間違いありません。
しかし、この特典の真骨頂は別のところにあります。
なぜなら、パートナーステイタスコースでの上級会員ステイタス継続が行われずに翌年度の4月1日からマイルの有効期限が設定された場合でも、保有しているマイルすべてに4月1日から36ヶ月後の月末までの新たな有効期限が設定されるため、実質的なマイル有効期限の延長手段として機能するから。
例えば、2020年4月末に失効予定のマイルを保有している家族に、パートナーステイタスコースを利用して、2020年4月1日から2021年3月31日までの間、マイル有効期限のないJMBダイヤモンドを獲得してもらい、その後の継続は考えない場合、本来2020年4月30日で有効期限切れで失効してしまうはずだったマイルは、他のすべてのマイルと同様に、2021年3月31日まで有効期限なしのマイルとして扱われ、2021年4月1日に時点で2024年4月30日までの有効期限が設定されるということです。
つまり、失効間際のマイルを保有している場合、結果的には最大で48ヶ月間のマイル有効期限の延長が期待できるということですね。
また、国際線Wi-Fiキャンペーンについても、パートナーステイタスコースで上級会員ステイタスを獲得した場合でも、問題なく搭乗実績で上級会員ステイタス獲得した会員本人と同様に40回まで国際線の機内Wi-Fiを無料で利用できるため、家族内で最大80回もの無料利用のチャンスが得られることになります。
ちなみに、国際線Wi-Fiキャンペーンの無料利用は、
- 利用にはJALホームページからのキャンペーン申込が必要
- 申込後1週間以内に40回まで利用できる無料クーポンがメールで到着
- 1回分のクーポン利用で24時間までインターネット接続が確保可能
- 1回のクーポン利用で同時利用は不可ながら同じログイン情報での複数の機器の利用も可能
といった条件で提供されていますから、申込みや利用が簡単なのはもちろん、家族で合計80回もの無料回数の制限が設けられていたとしても、それを完全に使い切るのは本当に難しく、実質的には無制限に近い印象を感じているのも正直な部分です。
サービスセレクションでパートナーステイタスコースを選択する最大のモチベーション
それ以外にも、サービスセレクションでパートナーステイタスコースを選んだ時、想像以上に嬉しいと感じる特典としては、
- 2人での有償利用の後には結構驚くようなマイルが追加で貯まるようになる、JALやアメリカン航空などが対象のボーナスマイル
- 別々に行動した時も同行時と全く同じサービスが受けられるチェックイン手続きや搭乗、預入荷物返却などでの優先扱い
- 一緒に最大4人での利用や全く別々での利用も可能なファーストクラスラウンジへのアクセス
- 2人以上で利用した時のインボラアップグレード期待値の上昇
などもあり、これらも合わせて、パートナーステイタスコースで得られる上級会員ステイタスのメリットにはとても満足しています。
実際、JALやJALも加盟のワンワールドに参加する航空会社で家族と一緒の旅行をある程度の回数で楽しむ場合、パートナーステイタスコースは、サービスセレクションの他のコースで得られる、JMBダイヤモンドで50,000円~60,000円相当、JGCプレミアで26,000円~31,000円相当のサービスや特典をあっさり上回るメリットを提供してくれるため、あれこれ考えたとしても我が家ではパートナーステイタスコース以外のコースを選ぶことが考えられないほど。
そのように感じていることが我が家でパートナーステイタスコースを気に入り、それをそのままサービスセレクションのコースから選ぶ最大のモチベーションかもしれません。
まとめ
JMBダイヤモンドで最大60,000円相当、JGCプレミアでも最大31,000円相当の価値のあるコースと天秤にかけ、それらと引き換えに選択することになるサービスセレクションのパートナーステイタスコース。
このパートナーステイタスコースは、家族での旅行を楽しむ場合に、絶大なメリットをもたらすもので、我が家ではこれ以外のコースを選択肢として選ぶことは全く考えられないくらいです。
それも、パートナーステイタスコースで獲得できるJMBダイヤモンドやJGCプレミアに提供されるサービスや特典が、次年度以降の上級会員ステイタス維持や継続に関する一部を除いて、そのほとんどが搭乗実績で上級会員ステイタス獲得した会員本人と同様ということが大きな影響を与えていると感じています。
もちろん、サービスセレクションのパートナーステイタスコースを満喫するためには、そもそも家族の誰か1人が有償航空券での搭乗を重ね、JMBダイヤモンドやJGCプレミアに到達する必要はあるものの、それで得られるメリットは確かに魅力的ですから、一度体験してみるのはなかなか価値あることだと思いますよ。
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